2019年11月24日

障害年金の遡及請求を勝ち得た方に −障害年金支分権消滅時効問題も審査請求期間内であれば不服申立ては受理される−


私は上記の審査請求について、審査請求自体は、受理されたのであるが、その効力は通知にも及ばないとされている違法な内簡を根拠に棄却され、これに対する不服は、社会保険審査会において、2件の事例を「事実行為」を理由に却下されたことがある。

従って、従来、事実行為についても受付けされるはずの行政不服審査法に基づく厚生労働大臣に対する異議申し立てを20件以上行ってきた。

しかし、加茂紀久男氏の裁決例による社会保険法 によると、裁定の内容には当然に時効消滅が包含されている旨を、「時効による権利の消滅は、直接法律の規定に基づいて発生する法律効果であるが、裁定請求に対する応答としての処分は、このような法律効果を含めて、当該給付の行われる時点までに生じた、給付の受給権の発生、消滅に関する一切の事実を考慮に入れた上で、その時点での受給権の有無及びその内容を公的に確認する行為であり、裁定の前提となる権利の発生・消滅に関する事項のうち、消滅時効だけが、前記処分における判断対象から除外されているということはあり得ない。」と簡潔に表現されているのである。

この表現は、最高裁判例を念頭に置いた深い意味のある内容であるのでしっかりと吟味していただきたい。

上記によれば、社会保険審査官も社会保険審査会も、裁定通知を受けてから3カ月以内の不服申立て期間内であれば、審査請求を拒否することはできず、受理せざるを得ないのである。

そして、今までは、昭和45年9月10日付け「内簡」又は「特別の法律の規定に基づかない行政措置」を理由に審査請求等が却下されてきたのであるが、そのいずれもが、裁判上の棄却理由としては認められていないのであるから、保険者国が遡及5年を越える年金の支払を拒否できる理由がなくなったのである。

なお、裁判上の理由としては、国は、上記の2点を採用せず、法律の解釈として、基本権に対する権利不行使を支分権に対する権利不行使とみなした主張をしていたのであるが、最近、このブログでも何度も説明しているように、国の推論の出発点である民法第166条1項の「権利を行使することができる時」の解釈自体が間違っていたのだから、この主張も成り立たなくなった。

一言でいって、年金事務所の職員が説明もできないような運用をすべきではないし、そのような無理のある説明が正しいわけがない。

無制限支給の当否の問題は残るが、現在の運用が違法である限り、違法・不当な支給制限には、抗議の意思表示をすべきである。

この期間は、年金決定通知書を受けてから3カ月以内という短期間(その方に最適な違法・不合理理由等の検討には相当の検討期間を要するため)であるので、該当者等は、大事なチャンスを見逃さないよう遠慮せず私に無料相談をかけていただきたい。

手続き自体も、裁判とは異なり、手数料(収入印紙代相当)も予納郵券代(郵便切手)もいらないのであるから、該当者又はその支援者等は、躊躇なく、権利の回復・救済と行政の違法を正す行動に移すべきである。



昨日は、本ブログの定期発行日であったが、愛知県社労士会三河中支部のバス旅行(交流会)でアップできなかった。朝、始発のバスで、集合場所に到着したのが、集合時間過ぎの発車2分前(勿論、その旨は幹事了解済み)で、帰宅は、終バス近くであったので、久しぶりの外出に疲れてしまいそれからのパソコン投入はできなかった。

毎週土曜日更新をご存知の定期訪問者の方からは、昨日も多くの訪問があったことが確認できるが、期待外れにさせてしまい深くお詫び申し上げます。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 13:53| Comment(0) | 1 障害年金

2019年11月16日

頼もしい二人の受任弁護士


私は、現在、障害年金支分権消滅時効の未支給年金請求事件について、2件の事件で弁護士の先生と共同受任している。

いずれの事件についても、第一審を係争中であるが、色々な事情から、原告の希望をお聞きしながら弁護士の先生の協力を求めた。

石川県のK.F様の事件では、原告が、裁定請求及び裁定請求様式の受領のため何度も年金事務所等に足を運んでおり、国が時効消滅を主張するのは、信義則に反する事実が認められるという特徴がある事件であるので、この点に関する争いで多数の勝訴実績があり、年金にお強いS.F弁護士にお願いしたのである。

岡崎氏のY.O様の事件では、私が民訴法第60条の補佐人の許可が得られず、本人が法廷に立っても、質問のあった場合に、どのように答えてよいのか分からないとのことと、原告本人が主治医から入院を進められている事情があった。

どちらの事件も、この手の事件としては、訴額が巨額で、通常の着手金が支払えない事情であった。

前者については、神戸から金沢地裁と遠方であるにも拘らず、最低限の着手金で、後は、勝った時に清算する方式で受けていただき、感謝の気持ちで一杯である。

後者については、同じような方式か、法テラス利用かを選択肢として提案があったものを、後者を選んだ事例である。

後者は、訴額が3千万円を越えるので、着手金が一番の悩みであったのだが、収入が障害厚生年金だけで、他に財産もない方であったので、後者の選択となった。

この場合の着手金は、着手金それ自体が安くなり、1千万円超えは、23万7千円となり、支払いは、毎月1万円か5千円で済むとのことであり、万一負けた場合は、免除になる可能性もあるとのこと。

何より頼もしいのは、前者では、第一審での勝訴を目指し、控訴審のない判決を目指していることであり、後者については、最高裁まで争うことを念頭に受任を決意してくださったことである。

後者については、特段の事情はないので、平成29年最高裁判決がある以上、場合によっては、最高裁まで争うことを覚悟しなければならないのである。

勿論、このような話は、私を介さずして中々成立しないことではあるが、このような条件で、難しい事件を受けてくださる弁護士の先生がおみえになることが素晴らしい。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 11:03| Comment(0) | 13 社会・仕組み

2019年11月09日

社労士の越権行為


昨日、8日(金)、数年来のお客様である3カ月程保育士をしてみえた方から、社労士から、「明日から出てこなくてもいい」と言われたと電話相談があった。

職場には、理事長をトップに、園長、部長等がおり、この社労士との11月6日(水)の面談は、部長が同席したとのこと。

この方は、双極性障害U型うつ病相、知的能力障害(軽度)との病名で、障害年金を受給している方であるので、保育士を始めた旨を聞いた主治医は、「大丈夫だろうか」と心配していたとのことであるので、客観的に無理があったのかもしれない。

A型就労支援施設に勤めていた時は、上司からセクハラを受け、辞めざるを得なくなり、マクドナルドのアルバイトも体にきつかったようで続けられなかった。やっと希望の職種を手に入れたのである。やり切れない気持ちで一杯であることが容易に想像できる。

そんな中、社労士の職務を考えた場合、例え顧問契約をしている社会保険労務士であっても、「明日から出てこなくてもよい」などと言える権限はない。例え、その件につき委任されていたとしても社労士法上問題である。

幸い、「心身共に健康になったらまた働いてもらえばいい」との言葉があったようであるので、これも言える立場ではないのだが、一面、多少救われた。社労士は、業務執行にあたっては、弁護士法72条との関係も慎重に吟味しなければならない。

少なくとも30日分の解雇予告手当は請求できるだろうと思ったところ、「解雇するとはいっていない」との回答が返ってきたようである。屁理屈のようでもあるが、本人が、翌日(7日(木))のラインで、「辞めます。お世話になりました。」といった趣旨の回答をしているようで、調べた結果、現在の取扱いは、退職となっているとのこと。休職でもないので、給与の支給の可能性もない。

念のため、月給の額を聞いたところ、30日分で、あっせん等を申請しても、メリットよりも本人への健康等への悪影響等のデメリットの方が大きいと思われ、本件については、話し合いの結果、これ以上の追及は控えた。

専門家である社労士には、どこへ出ても恥ずかしくない行動を期待したい。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 11:12| Comment(0) | 3 人事・労務