2020年03月07日

入口論における控訴理由書の公開について @/B


昨日、令和2年2月15日に名古屋地裁岡崎支部から下された、国家賠償法に基づく損害賠償事件の控訴理由書を名古屋高裁に提出してきた。これは、障害年金支分権の時効問題に係る入口論に関する訴訟であるが、処分庁が厚生労働大臣であること等から民衆訴訟ができないので、国家賠償の形式を採ったもので、実質は、厚生労働大臣に対する異議申立の却下の違法を追及するものである。

最近紹介しているコピペ判決の代表のような酷い判決であるので、予てからの宣告のとおり3回に分割して、その内容を公開させていただく。

このコピペ判決の一番いけない点は、問題をすり替えている点で、二番目は、本題については、時効消滅の有無を問題にしているところ、既に時効消滅していることを前提にしている点であり、三番目は、歴然とした執行権の悪用である。

判決書を付ければ分かり易いのだが、スペース等の関係からそれもできないので、控訴人の主張から、原審の判断が如何に国寄り(不公平・不公正)であるかを読み取っていただきたい。


令和元年(ワ)第443号 損害賠償請求事件の控訴事件
控訴人(第1審原告) 木戸 義明
被控訴人(第1審被告) 国 同代表者法務大臣

控訴理由書


令和2年3月10日

名古屋高等裁判所 御中

控訴人  木 戸  義 明 ㊞


〒471-0041 豊田市汐見町 4−74−2(送達場所)
             控訴人  木 戸  義 明
               TEL  0565−32−6271
               携帯 090−7317−0016
               FAX  0565−77−9211

はじめに
 原審は、年金法及び会計法の適用を誤った判決であり、かつ、紛争の原因となった争点の客体を誤認してなされた判決であるので、全部につき不服である。
 しかし、誤判断等の核心部分は、判決書でいう「@本件却下決定」のみである(判決文9頁)ので、「A本件不対応」、及び「B本件理由不一致」については、違法理由の詳述を割愛する。
 Aについては、@の違法を証明すれば、それに連動して当然に判決の違法が明らかになる内容であり、Bについては、被告の二枚舌を使った国民を欺く行為を非難したものに過ぎず、@の違法を証明すれば、判決は逆転する構成となっているので、A及びBに係る違法の理由の記載を割愛するものである。
 なお、略称等については、従前の例による。


第1 原審が本訴で明らかにすべき争点の客体を誤っていることについて
 1 本件争点の客体の錯誤について

 原審は、本訴の損害発生の原因となった被告による違法行為自体の認識を誤ったまま判決を下している。
原告がその原因として問題にしているのは、裁定の内容としてなされた年金決定通知書への「付記」の行為(訴状5頁5行目〜同頁6行目)である。(第1準備書面3頁〜4頁)。
 原告が争っているのは、「裁定とは、切っても切り離せない、年金決定通知書に同時不可分一体として一件の例外もなくなされた時効消滅した旨の付記の行為」の行政処分性(第1準備書面4頁)である。極論をいえば、裁定そのものである。
 これに対して、被告は、「支分権の成立及び消滅時効について特段の行政処分をする必要がない以上、本件不支給分に係る年金の不支給が行政処分に該当しないことは明らかである」(判決7頁)と主張する。
 しかし、裁定には時効の内容が含まれている(被告も認めた甲30、甲31)のだから、裁定という行政処分のほかに特段の行政処分は、行政不服審査法の対象とするために必要ではない。
この場合の行政処分は、第2準備書面及び第3準備書面で主張を補充したように裁定そのものなのである。
 これらに関して、原審は、理由も示さず被告の主張を認め(判決書7頁)、この「付記」を、「裁定」とは別の物と位置付け、「本件通知」と定義してまで、「本件不支給に係る年金の不支給が行政処分に該当しないことは明らかである。」(判決書7頁)と誤った判断をした。
 そもそも裁判は、被告の訴えの正否を審議するものではなく、原告の訴えの正否を審議するものであるので、原審は、審議の対象自体を主客逆転させている。裁判の手数料相当を納めているのは、被告ではなく原告である。
 加えて、裁判においては、証拠に基づき議論すべきところ、安易に、証拠を無視して、間違った前提を置いているのだから、これでは、裁判というに相応しくない。
 原審は審議の対象さえ正しく捉えていない真面目さに欠けるコピペ判決である。

 2 上記に関する判断の遺脱について
 原告は、上記のような争点のすり替えを警戒していたので、予め、証拠を示して(甲30、甲31)、争点の客体について、第2準備書面、及び第3準備書面において、本件時効は裁定の内容である旨を主張している。
 本件年金支分権の消滅時効については、「裁決例による社会保険法」を著し、年金支分権の消滅時効については第一級の見識をお持ちの加茂紀久男氏が、支分権時効問題も不服申立ての対象となると判断しているのは、本件「付記」を裁定の内容と考えているからである。
 被告は、上記2件の準備書面に対して、反論はしないと陳述(甲第32号証、口頭弁論調書では、「現時点での主張・立証は全て尽くした。」と表現されているが、口頭陳述では、「反論はしない」旨の発言(小川徹被告指定代理人)であった。岡留書記官確認済み)している。
 上記の原告の重要な主張に対して、反論はしないとの事実があるので、被告は、時効が裁定の内容であることについては、事実上、認めたに等しい。
 ところが、原審は、理由も示さず、これと正反対の判断を下したのであるから、原審には、重要な点において判断の遺脱があるといわざるを得ない。

 3 被告職員の教示又は補正義務違反について
 原告は、時の審査委員に、類似事件について2件の再審査請求を単なる事実行為を理由として棄却されている(平成26年7月31日裁決 平成25年(国)第2021号 西島幸夫、宮城準子、木村格、平成26年7月31日裁決 平成25年(国)第1188号 渡邉等、矢野隆男、森俊介)ので、事実行為についても審理の対象としている行政不服審査法に基づく厚生労働大臣に対する異議申立てを申し出たのである。
 再審査請求の前には、客観的事実として当然審査請求も経て(被告が、内簡による運用ではないと主張する内簡を理由に棄却されている)おり、既述のとおり、本来は、社会保険審査官及び社会保険審査会法による再審査請求が受理されるべき事案であったのであるが、申出人の「事実行為である旨の主張」に便乗したその場限りの却下理由で却下された。
 これら及び厚生労働大臣の却下は、明らかな違法であるが、仮に、本件の厚生労働大臣に対する異議申立てに係る申出内容及び申出先に誤り等があったとすれば、担当職員には、補正の可否及び正当な提出先について指導及び教示をするべき職務上の法的義務があり、それをしなかったことについても明らかに違法がある。
                              A/B に続く
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 13:08| Comment(2) | 13 社会・仕組み

2020年02月29日

裁判官に関する新刊本「裁判官も人である」の通読


先週、今年1月29日に発行された「裁判官も人である 良心と組織の狭間で」(岩瀬達哉:ジャーナリスト著)を読んでみた。

多くの内容が「絶望の裁判所」及び「ニッポンの裁判」(いずれも瀬木比呂志著)と重なることは分かっていたが、副題がなくても容易に想像できるテーマについてジャーナリストが考える司法の在り方等について確認したくて敢えて読んだ。

司法組織のヒエラルキー等に嫌気が指して辞めた瀬木教授とは違った見方を期待したのである。

しかし、残念ながら、司法の現状に対する見方に決定的な違いは見当たらず、良心と組織の狭間で苦しんでいる裁判官の紹介は、いわば歴史上の人物のみで、現状についての報告はなかった。副題からすると、そのような裁判官も居ることがある程度書かれていても良い書籍であるが、私の通読での印象では生々しい現状についてはゼロである。

現実には、ほとんどの裁判官がドライに割り切り、裁判官カードに記載を要することとなる、最高裁や最高裁事務総局が期待しないような判決を出さないという事実の再確認であった。

この書籍内の記事「「コピペ判決」が横行する」と、私の行っている行政訴訟の判決理由を比べると、本年1月15日(水)に私が受けた第一審判決(岡崎支部の単独裁判)は、正に、この記事が照会するコピペ判決なのである。

この判決が、なぜ「コピペ判決」なのかについては、後日に譲ることとして、ここでは、この記事が照会する2つの原因について紹介させていただく。

この記事「「コピペ判決」が横行する」の冒頭には、以下のとおり記載されている。
「もともと正解指向が強く、順調に受験競争に勝ち抜いてきた「優等生」たちは、時間とエネルギーをかけて判決を書いても、最高裁によって偏向していると受け取られると、怪我をしかねない。それより過去の判例を機械的に受け入れ、それに則って判決を起案しておけば無難なうえ、裁判所での名誉ある地位を得やすいことを知っている。」

「最高裁事務総局に勤務経験のある元裁判官は、ため息交じりにこう語った。
「若手、中堅を問わず少なからぬ裁判官は、裁判を重大と感じる度合いが薄れていて、判決の理論構成も水準が落ちている。もっと時間をかけ、深みのあるものに仕上げてもらいたいと思うこともしばしばです。」」

「本来、判決文は、裁判官が「記録をよく読み、よく考え、証拠に照らして的確な判断を下さなければ書けない」ものだ。これを「普通の事務」のように処理することを可能にしているのが判例検索ソフトである。」

本書は、「「コピペ判決」の横行する」もう1つの重要な原因を挙げる。
それが、人事であり、その重要な判断資料となる「裁判官カード」であることを指摘している。「都心から留萌に積極的に行きたい人は、まあ、いないでしょう。だからといって、裁判所を廃止もできない」と続く。最後に引用文として、このカードについて紹介するので、読者諸氏には、色々な角度から、司法の在り方について考えていただきたい。

「希望しない任地への異動を合法化する仕組みが、すべての裁判官に提出を義務付けている「裁判官カード」である。このカードは3種類から成っていて、「裁判官第一カード」は判事補に採用する際、提出させている。これは一種の身上書で生年月日、学歴、司法試験の合格日など個人情報を記載するものだ。
そして、8月1日に提出するのが、「裁判官第二カード」と「裁判官第三カード」だ。第二カードは、自身の健康状態や過去1年間の入院歴の有無。家族構成とそれぞれの健康状態、妻が働いている場合はその勤務先などの記入を義務付けている。第三カードには、自己評価や仕事への意欲などを記載するようになっている。」

前者の判例検索ソフトについて、説明を加える。

最高裁は、前記判例検索ソフト「判例秘書」及び「知財高裁用 判例秘書」など各種ソフトを年間約7500万円かけて購入(2016年度予算額)している。

見方によっては、最高裁は、「コピペ判決」を奨励しているのである。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 11:44| Comment(0) | 13 社会・仕組み

2020年02月22日

有難い弁護士の先生からの顧客紹介


昨日15時頃、日頃から親しくさせていただいている弁護士の先生から電話があり、障害年金のことで相談に乗ってほしいお客様の紹介があった。

勿論、即答でO.Kしたのだが、しばらくして、そのご本人のお兄様から電話があり、できれば本日訪問したいとのご希望である。知多市の方であるが、幸い車で来ており、車は南区に置いてあるとのこと。中区の弁護士事務所から車を取りに行き、豊田市の私の事務所に届くのは17時頃になるが、それでも本日で良いかとの念押しである。

幸い、丁度空いた日であったのでお待ちしていると、予定どおりの時刻にチャイムが鳴った。

本人は、重度のうつ病であったが、お兄様が同伴であったので、約2時間弱で概ねの説明と質疑応答は終わり、即刻委任契約の締結も無事終了した。

未だ、初診日も曖昧で、直近の国民年金期間の保険料も滞納があるとのことであったが、詳しい話を聞けば、厚生年金加入時の初診で、遡及請求事案であるので、非常にやり甲斐のある案件であった。

この先生からは、最近だけでも2件の障害年金裁定請求代行の紹介をいただいている。私は、開業当初から弁護士の先生との縁が深く、最初にお客様を紹介してくださったのは、Webで私を知った女性の先生で、一宮の事務所から豊田まで、お客様を自家用車に載せて連れてきてくださったのである。

このお客様は、この先生が障害年金の遡及請求を裁判で勝ち取られたケースの方で、遡及5年を越える遡及分の請求を私に任されたのである。

スキル、経験、費用面等全てを考慮して、ご自分で行うよりも私に任せた方がご本人のためだと判断してくださったようである。

世間は狭く、後で分ったことだが、この先生は、愛知大学の法科大学院の第1期生で、大学という一面では、私と同窓である。そして、昨日お客様を紹介してくださった先生は、同法科大学院の第2期生、このお二人は前々から知り合いであったのだ。

私が、弁護士の先生と懇意になったのは、NTT時代に約6年間法務担当を経験したことにある。当時の東海支社は、名古屋で3つの弁護士事務所と顧問契約を結んでおり、ほかに静岡、岐阜、三重の3県でも各々1つずつ顧問先弁護士事務所を持っていたのである。

私は、名古屋の3つの事務所とは今でも深いお付き合いがあり、これらの3事務所からも顧客の紹介があるが、私が、適任の弁護士事務所として顧客を紹介させていただく方が多い。

昨日顧客を紹介してくださった先生は、上記の3つの会社の顧問先弁護士事務所には属していない。私は、退職後に障害年金支分権消滅時効の問題に係わったのであるが、その時に上記の3事務所のほかに、NTT労組が契約している弁護士事務所(全国の弁護団の内の1つ)にも相談に乗ってもらっていたのである。勿論、無料相談である。

通常、この手の相談は、30分〜1時間程度であるが、私の覚えでは、2時間半もの長時間にわたって親身になって相談に乗ってくれたのである。そして、その成果が逆転勝訴に役立ったのである。

縁は続くもので、過日は、愛知県社会保険労務士会政治連盟のある幹部が、複数でこの事務所に相談に来ているのである。この事務所は、K政党とも顧問契約を締結しており、2人の弁護士で応談したようである。

弁護士事務所のNTT労組との顧問契約の内容には、労組そのものからの相談のほかにも、私などを含めたNTT OBを含む組合員からの無料相談が入っているので、色々な相談の関連で、時折、障害年金との関連が生じるようである。

様々なご縁から、NTTとは関係しない事務所ともご縁ができてきて、今や私は、どんな事件でもその事件に合った最適な弁護士事務所を即座に照会できるほどになってしまった。これは、地元に限らない。幸いなことに良い勉強の機会を得ている。

感謝!! 感謝!! である。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 12:41| Comment(0) | 12 交友