2021年11月06日
社労士業務と日常経済生活との深い関りについて
本日のNIKEIプラス1に「知らなきゃ損するお金の制度」が1位から10位まで照会されている。これは、日経が順位付けしたものではなく、専門家に選んでもらった旨の説明がある。
実に、その内の6件(10位の「教育訓練給付金制度」を雇用保険の制度がメインと考えれば、実に7件)までが、社労士の専門業務に属する事項である。ということは、これに関する業務を、業として報酬を得て受任できるのは、他の法律に別段の定めが存在しない場合は、社労士にしか行うことができず、いわゆる社労士の専任業務である。
私が考えるには、社労士の場合、資格取得までの研修等が少ない(例えば、弁護士と比べて)割には、余りにも業務の範囲が広いので、開業社会保険労務士でも、ある特定の分野については、基本的な事柄までご存じでないといった現象が生じている。
この6(7)分野のうち、1位から3位、及び5位から7位(プラス10位)が、いわゆる労働社会保険諸法令といわれている社労士の専門分野なのである。これだけ考えても、社労士業が如何に重要な分野であるかが想像できる。
因みに、掲載されている事項をランキング順に照会する。
1 高額療養費制度、2 年金受給の繰上げ・繰下げ、3 年金保険料の免除・猶予、4 iDeCo(イデコ)、5 傷病手当金、6 遺族年金、7 厚生年金の適用範囲、8 NISA(少額投資非課税制度)、9 副業(複業)時の確定申告、10 教育訓練給付金制度である。
このような重要な業務内容であるにも拘らず、保険者や社会保険審査官がおかしな判断をするものだから、再審査請求の請求件数が急増し、社会保険審査会の平均処理期間が約8か月間になってしまったのである。
保険者といっても国だけではない。私は、ある有名な企業の共済組合と傷病手当金の支給停止について再審査請求で争ったことがあるが、余りにも自分勝手な判断に驚かされた経験がある。
幸い、社会保険審査会が適切に判断し、その共済組合も社会保険審査会の判断に従って、遅延分を一括支給してくれたので、裁判までにはならなかったが被保険者の怒りは相当なものであった。
いずれにしても、我々社労士は、この新聞情報をおろそかにせず、日々研鑽を積み、業務に邁進すべきである。
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2021年10月30日
機能していない最高裁判事の国民審査
明日は衆院選の投票所へ直接足を運ぶこととしている。
その際、11人の最高裁判事に対して国民審査が実施される。この11人の中に平成29年10月17日付の度々話題にしている44号判決を担当した判示がおれば × を付けようと調べてみたが、一人もいなかった。
この5人の判事については、平成30年10月5日付にて、既に訴追請求状が出されているが、実際に弾劾裁判を受けるか受けないかについては訴追委員会が決めることから我々にはその後の状況は分からない。
その中に、最近、定年退官した判事がいることを考えると、訴追委員会自体が弾劾を決議しなかった可能性が高い。
その訴追委員会の決議についても非公開であるようだ。
私が勝手に推測するには、たぶん、弾劾裁判は行われていないであろうというものである。
なぜかと言うと、今まで弾劾された裁判官の請求内容を調べてみると、判決自体の判断の誤りについて審議の対象とされている事例が見当たらないからである。
社会的に余程破廉恥な行為をした判事については弾劾裁判が行われたり、実際に罷免されているが、判決の判断自体の誤りについて弾劾を受けた事例は皆無であると思われる。
そして、訴追委員会の審議や弾劾裁判は、上記のとおり非公開になっているので、我々が、どのように処理され、どのような理由でその請求が進捗しなかったかを知るすべがない。
これほど大事なことが、そのように秘密裏に行われていいものかどうか極めて疑問である。
国民審査自体の対象は、任命されて初めての衆院選と、就任後10年を過ぎた後の衆院選のときに審査を受ける。
それ自体も頻度が少なく、先に述べたような × を打ちたいような事件を担当した判事が出てくることは珍しい。しかし、最高裁判決はいくら誤っていても、ほとんどの下級審裁判官は、これに従った判決しか出せないようになるのであるから極めて大きな問題であり、社会的に破廉恥な行為をした判示だけでなく、裁決の理由が誤っている場合や、判決に恣意が入っている場合には、罷免の対象にすべきであると考える。
しかし、これらの裁判所や判事に対する攻撃に対しては、裁判所内部相互間、及び行政や立法を含めた国の組織内において、お互いを庇い合っているのだから、国民は、これらの誤った判決に対して、司法の道では、改善策がないのであるから、裁判所の現状に鑑み改善が急務である。
タグ:国民審査、訴追委員会
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 11:19| Comment(0)
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2021年09月25日
誤った保険者意見そのままの社会保険審査官
最近、審査請求事件で誤った保険者の意見をそのまま決定理由として採用している決定書に私が担当した事件だけでも2件遭遇した。
1件は、障害年金の支分権が行政処分である裁定前に時効消滅しているか否かを問う事件であり、もう1件は、既に20歳前障害による障害基礎年金の受給権を得ている者が、20歳過ぎの厚生年金保険の被保険者である期間中の実際の初診日を請求根拠とした裁定請求を却下された事件に対する不服である。
前者の事件に対する誤りは、令和2年4月1日に改正施行された国民年金法及び厚生年金保険法の消滅時効の改正規定の適用は、裁定請求日を基準にして適用されるものではないのであるが、それを保険者意見に従い何の検討もせず施行日以降に裁定請求があったとして改正新法を適用した誤りである。
後者については、20歳前障害の障害基礎年金の受給資格のある者について、20歳前の厚生年金保険の被保険者であり、かつ、その期間に初診日のある者については、20歳前障害による障害基礎年金ではなく、障害厚生年金の受給権を有するのであるが、これについても、保険者意見にそのまま従い、既に受給中の障害基礎年金の初診日が初診日であるので、その初診日には、厚生年金保険の被保険者でなかったので、障害厚生年金の裁定請求はできないと判断したものである。
前者の誤りは、次の事例を考えれば、誤りは明らかである。
令和2年4月1日改正施行の民法の民事法定利率の規定が、5%から、当面は3%で改正されている。3%が適用されるのは、例えば、その事件の元となった契約書の作成日でもなく、提訴した日でもない。
年金についていえば、支分権について、年金法が適用されるのは、基本権の発生が、平成19年7月7日以降に発生した事案であり、それ以前に発生した事案は、会計法が適用になる。
後者の誤りについては、20前障害の受給権のある者が、実際に19歳時に初診日があり、その日に厚生年金の被保険者であった場合、無拠出年金である20前障害ではなく、障害厚生年金を請求できるのであるから、上記の誤りは明らかである。
いずれの誤りも、法律解釈の基本を間違ったものであり、専門家として恥ずべきことであるが、これが東海北陸厚生局の担当社会保険審査官の実力である。というよりも、実際は、保険者の意向に逆らえないのかもしれない。しかし、これでは悪代官そのものである。
こんなことでは、受給権者にとって、何のための審査請求か分からなくなってしまうので、 審査請求のやり方を抜本的に変える必要があると思われる。
各地域の社会保険審査官が、このような無茶苦茶な決定書を頻発するので、社会保険審査会の業務が超繁忙になり、現在では、平均として8カ月を要する事態である。
これでは、社会保険審査官及び社会保険審査会法の趣旨が活かされていないので、抜本的な改善が必要である。
必要最小限の措置としても、社会保険審査官の人選を仲間同士である厚生労働省の職員から出すのではなく、例えば、総務省から選出する等の改革が必要であると思われる。
タグ:無茶苦茶な決定書を頻発
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 12:18| Comment(0)
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