2022年02月12日

待ちに待った社会保険審査会からの裁決書


昨日、2月11日(金)、厚生労働省保険局から配達証明郵便物が届いた。

通常裁決書は、月末か月初めに届くので、これを待ちに待った裁決書と期待するにはちょっと時期がずれていると感じたが、やはり、裁決書の到達ではなく、類似事件の公開審理の案内書であった。

類似事件というのは、言わずと知れた「障害年金の支分権が、裁定前に時効消滅しているか否か」を問う事件である。

今回のこの事件は、第二部会の係属で、前回は第一部会の係属であったので審査長以下の委員も異なることとなるが、今回は出席を控え、「公開審理の意見陳述に代えた文書」を提出する予定である。

既に、 前回の出席でこの事件に対する対応の概略は理解できており、主張すべきところはほとんど主張してあり、かつ、提出すべき書類もほとんど提出してあるので、文書の提出についても、強調すべき部分と代理人と同じ考え方の先例を提出(事件番号等の引用のみとするかも)のみとなる。

この文書で、何を強調するかは、別途公開するかもしれない。なぜなら、今までの社会保険審査会の判断が、余りにも国寄りで、公正公平を旨としていなかったからである。

今回、この資料を受け取って新しく分かったことが2つある。一つは、令和3年4月15日(木)の口頭意見陳述において、「回答できる立場になく差し控えたい」と2度も述べた二人の担当者が厚生労働省事業管理課 工藤年金審査専門官と同長谷川年金審査専門官であったこと と 社会保険審査会の本拠地の場所が来月3月14日(月)から、厚生労働省の庁舎から少し離れた所に変わることである。

この案内の事件では、社会保険審査官が保険者意見に従い年金法の適用時期を誤って棄却しているが、これは改正法の適用時期を「受付」時点と誤った基本的な誤りである。

口頭意見陳述において、回答する立場にない人が保険者代表として出てくる意味は全く分からず、これでは長い期間待たされただけで、何のための口頭意見陳述であるか全く理解できない。

保険者及び社会保険審査官が法の適用時期を間違えているのだから、全く無法地帯と言っていい。これらの方々が、障害者にとって最も重要な権利である障害年金について実務を携わっているのだから全く信用ならない。

社会保険審査会の本拠地が、厚生労働省本省と少しぐらい離れたところで、その独立性が強化されるとは思えないが、それでも、心機一転頑張っていただきたいものである。

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2022年02月05日

国会図書館の2回目の利用


平成20年11月28日裁決に、老齢年金の場合においても、裁定前に支分権は発生していない(行使はできない)旨の裁決があり、これを論文作成や裁判に活用したく、東京のお客様に国会図書館に行っていただいた。

その前には、念のため、この裁決が、裁決例による社会保険法 加茂紀久男 の第一版又は第二版に載っていないかを図書館からこの2冊を借りてきて確認したのであるが、掲載はなかった。

裁決集に載っているかどうかも分からなかったが、二人の意見は、たぶん載っているだろうというもので、幸い当たっていた。

この内容については、2009年4月号の「月刊社会保険労務士」に関連記事があり、承知していたのであるが、書証として提出するには、一般的には、裁決例の方が適当と思われる。

これにより、何を証明したかったかといえば、原文を借りれば、
@「裁定を経る前の受給権なるものは、実体的な権利であるというものの、実質においては裁定請求権に近い、現実的な実効性の希薄なものであること」、

A「実効性の希薄な年金受給権について、裁定を経ない状態のままで、法令上の本文が規定する各支給期月の到来により個々の支分権まで発生するとするのは、事柄の実態から乖離した観念操作の嫌いがあること」、及び

B「支給の繰下げの可能な老齢基礎年金について考察した場合、現実に裁定請求があるまでは、支分権が発生するかどうかも、その内容も確定しないこととなるが、裁定前に受給権が発生しているとする例外を認めることは、甚だしく一貫性を欠いた法制度を認める結果になるものであり、それよりも、常に裁定があって初めて支分権が発生すると解する方が勝っていること」
である。

A においては、国の運用は、観念操作の嫌いがあるとまでいわれているのだが、これは、立場上、相当に遠慮した表現であると思われる。

この掲載情報を調べるため、厚生労働省保険局総務課社会保険調整室に電話した。この事件の事件番号は、平成20年(国)第330号である。担当者にこの事件が裁決事例集に載っているかどうかを尋ねても回答できないのである。

載っているのは、認容裁決を中心にごく一部である旨をいうのみで、聞きたいことは情報提供してもらえない。それくらいのことは、言われなくとも分かっているが、更に質問すると、国会図書館を案内するのみである。

以前も同じようなことがあり、国会図書館を利用するのは、今回で2回目になるが、今回の努力は、具体的な大きな成果に繋がるかもしれない。

裁定前に支分権が発生していなければ、消滅時効は当然に進行することはない。

国は、このような小学校低学年の児童でさえ分かるような事柄に対して、何時までも抵抗を続けるのであろうか。

高裁や最高裁までが、屁理屈を恥かしいとも思わず続けているのであるから、瀬木比呂志教授(絶望の裁判所、及びニッポンの裁判等の著者)に、行政訴訟に対して真面な判断のできる裁判官はごく少ない旨の批判を受けることとなるのである。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 10:38| Comment(0) | 13 社会・仕組み

2022年01月29日

最高裁判決も所詮一個別事件である


私が第一審だけでも10件以上の事件について国と争っている障害年金支分権消滅時効の裁判について、平成29年10月17日最高裁判決(44号判決)が出されて以後は、特段の事情のある事件を除けば、全ての下級審判決について、44号判決を引用して、深く吟味することなく誤った判決が下されている。

しかし、44号判決は、所詮、弁論主義に基づく一個別事件にすぎない。44号判決を担当した弁護士は、私が主張しているような44号判決の理由に根拠がない旨の主張をしていない。

私は、44号判決は裁定前に時効進行していることを前提にしている事件であり、一連の裁判においても、私が主張しているような上記の内容の主張がない事件であるから、判例として使えないものであることを主張しているが、全ての下級審判決で、敢えて、44号判決を引用して、結論ありきの誤った判決を続発させている。

裁判所には、強力な執行権があり、我々はそれに抗うことは、ほとんど不可能である。

そこで私が最大の武器としているのが、日本年金学会への投稿論文である。幸い、1月26日(水)にその審査結果が到達し、「条件付き採用」となった。

条件付きといっても、文献の引用表現や表現・構成上の問題等であり、私の主張自体を否定するコメントは一切ない。お二人の査読者は、このテーマが重大なテーマであること及び捨てがたい主張であることをお認めいただいているので、来月中頃(締め切りは、月末)には改稿原稿を再提出する予定である。

これが採用され、学会誌に掲載されれば、これを引用した主張を裁判官も無視できなくなり、社労士法25条の38に基づく、全国社会保険労務士会連合会から厚生労働大臣への改善意見の申し出も可能であるので、先が開けてくる。

厚生労働大臣も学会誌に掲載された見解であれば、すれを無視することはできないので、法改正に繋がる可能性は極めて高い。

厚生労働大臣が動かなければ、代議士にも働きかけることとなるが、その場合も、学会誌掲載論文があれば、まず、動いてくれる。

今まで、数多くの弁護士でさえ不可能であったことを一社労士がやり遂げようとしているのであり、中々大変であったが、先の見通しがついてきた。

諦めず、長らく争っていただいているお客様も多数いるが、今しばらく頑張っていただきたい。

諦めなくて良かったと思っていただける日が少しでも早く来るよう私も最大限の努力を続けることとする。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 12:16| Comment(0) | 13 社会・仕組み