2019年12月21日

社会保険審査会の公開審理には極力出席すべき


今週の木曜日、12月19日には、標記の公開審理に代理人として出席してきた。

退職後の傷病手当金を7カ月分止められたという珍しい事件であるが、結果は、請求が容認されるものと思っている。3人の参与は、共に「支払うべきである」と発言していただけたし、委員の二人は、私に確認事項を済ませた後、保険者代表に対する厳しい質問の連続であった。

保険者代表は、3人が出席されたが、誰もが回答できない場面もあり、私が余分な口出しをせざるを得なかったのである。

担当者への質問時、これに回答できないのは、色々変なことになると思った私は、私が余分なことを言ってはいけないですが、「この事務をやったのは、前任者で、担当者が替っています」と発言し、収めたのである。

以下、なぜ公開審理に出席すべきかについてお話しする。この事件は、ご本人が知的障害者であり、療育手帳の保持者である。ご本人は、4度も社会保険審査官に対して口頭陳述により審査請求をしている。

しかし、その請求内容も回答も、資料はないし、私が、担当した社会保険審査官に直接聞いても教えてくれなかったのである。勿論、個人情報開示請求をすれば、入手できたかもしれないが、それまでする必要性すら判断できないのである。

公開審理の案内時には、判断に必要な資料はほとんど添付されており、審査請求書(写)を見ると、「傷病手当金を支給して欲しい」と書かれているだけで、理由が全くなく白紙であったのである。これでは、本人の想いは、社会保険審査官に伝わっているわけがなく、審査請求が認められることはない。

このこと自体、公開審理の案内がなければ分からないことであり、今まで申立人が主張していない部分である。

2つ目の理由は、関係各氏から質問をしていただける点である。審査長からは、私に対して、本人と会ったことがあるかとの質問をいただいた。勿論会っており、3回も詳しい事情をお聞きしていると回答できた。

また、内情についても、お話しでき、実体を正しく伝えることができたのである。この事件は、仲間の社労士から依頼された事件で、私も最初は、主治医が、「右変形性膝関節症の為労務不能ではないが、本人の訴えにより労務不能とした」(実は、これは、3者択一で、他の2事項に該当しなければ、主治医は、これを選択しなければならない設定になっていた)と言っているのであれば難しいと考えたこと。しかし、詳しく調べてみると、そうではなく、主治医は、医学的見解として、重労働はできないが軽作業はできるといっているにすぎないことが分かったのである。従って、退職者に代替作業を与えることはできず、「療養の為労務不能」に該当することが証明できるのである。

他の委員からは、定年少し前に退職している事情を聴かれたので、これについても、本人は、「辞めさせられた」と言っており、「これに対しても不満があるようです。」と話すことができたのである。

私も当然疑問を持っていた事柄に対しても質問をしてくださり、私の社会保険審査会に対する評価も随分と上がったのである。

その内容というのは、主治医に対する3者択一の質問についてである。「これは本件に限って作成されたものか、一般的に使用しているものか」という点についてである。関連質問として、退職者に対しては、全て「病状照会」状を出しているのかとの的確な質問もあって、私も詰問したいところでもあったので、私の溜飲も下がった。

3つ目は、保険者から、「保険者意見陳述書」が出されており、この矛盾点等について、私から追及しなくても、2人の委員がこれでもかというほど質問をしてくれたのである。保険者代表は、3人で相談しても何度も回答できないことがあり、私はこの様子から容認の裁決を確信した。

最後には、書類には書けなかったこととして、短期給付まで止められて困窮も甚だしいので、早急にお支払い願いたい旨の一言も発言できた。

副次的なメリットもあった。帰りのエレベーターでは、お3方と同室となり、担当者(女性)から、丁寧な挨拶をいただき、色々な資料要求や調査依頼をした私に対して、決して悪い印象をお持ちでないことが分かったのである。

実は、妻が若いころ、この会社の企業内高校の音楽の講師をしていたこともあったのである。実に、世間は狭い。
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2019年11月16日

頼もしい二人の受任弁護士


私は、現在、障害年金支分権消滅時効の未支給年金請求事件について、2件の事件で弁護士の先生と共同受任している。

いずれの事件についても、第一審を係争中であるが、色々な事情から、原告の希望をお聞きしながら弁護士の先生の協力を求めた。

石川県のK.F様の事件では、原告が、裁定請求及び裁定請求様式の受領のため何度も年金事務所等に足を運んでおり、国が時効消滅を主張するのは、信義則に反する事実が認められるという特徴がある事件であるので、この点に関する争いで多数の勝訴実績があり、年金にお強いS.F弁護士にお願いしたのである。

岡崎氏のY.O様の事件では、私が民訴法第60条の補佐人の許可が得られず、本人が法廷に立っても、質問のあった場合に、どのように答えてよいのか分からないとのことと、原告本人が主治医から入院を進められている事情があった。

どちらの事件も、この手の事件としては、訴額が巨額で、通常の着手金が支払えない事情であった。

前者については、神戸から金沢地裁と遠方であるにも拘らず、最低限の着手金で、後は、勝った時に清算する方式で受けていただき、感謝の気持ちで一杯である。

後者については、同じような方式か、法テラス利用かを選択肢として提案があったものを、後者を選んだ事例である。

後者は、訴額が3千万円を越えるので、着手金が一番の悩みであったのだが、収入が障害厚生年金だけで、他に財産もない方であったので、後者の選択となった。

この場合の着手金は、着手金それ自体が安くなり、1千万円超えは、23万7千円となり、支払いは、毎月1万円か5千円で済むとのことであり、万一負けた場合は、免除になる可能性もあるとのこと。

何より頼もしいのは、前者では、第一審での勝訴を目指し、控訴審のない判決を目指していることであり、後者については、最高裁まで争うことを念頭に受任を決意してくださったことである。

後者については、特段の事情はないので、平成29年最高裁判決がある以上、場合によっては、最高裁まで争うことを覚悟しなければならないのである。

勿論、このような話は、私を介さずして中々成立しないことではあるが、このような条件で、難しい事件を受けてくださる弁護士の先生がおみえになることが素晴らしい。
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2019年07月20日

社会社会保険審査会の遅すぎる対応


昨日、7月19日(金)に社会保険審査会から「(再)審査請求について」という事務連絡を受けた。

所定の決まり文句が書かれているのであるが、その内、要件審理を行った後、原則として公開審理を行ってくれるという内容は有り難いことであるが、裁決書が出るまでに、受付件数の増加により、平均で8カ月程度を要しているというカ所については、更に抜本的な改善の努力をしていただきたい。

勿論、簡単な事案は、ご配慮いただき、必ずしも受付順の措置ではなく、早く措置するよう行われているようであるが、8カ月は長すぎる。

審査請求で約4カ月を要しているので、合計すると約1年間である。これでは、簡単な裁判なら、そちらの方が所要期間が短くて済むかもしれない。社会保険審査官の却下又は棄却に対して再審査請求を経ずに提訴可能としたことは適切な改善であったと考えるが、不服申立て自体の重要性をおろそかにしてはならない。

請求人本人は、退職後の継続給付としての傷病手当金を11カ月目で止められ、その月が支給されなかったので、退職後の特例により、7カ月分の不支給の処分を受けたことになる。11カ月目が不支給となったので継続給付に中断が生じその翌月以降の傷病手当金が全く支給されなくなったのである。

働けず給与もない状態で、短期給付まで止められたら、即、日常生活にも困る。社会保険審査会には、このような事案については、特別に早期処理をご配慮いただきたい。同時に、法改正を要することではあるが、厚労省に増員の必要性を訴えて、平均3〜4カ月で裁決書が出せるような体制を整えていただきたい。


本件請求者は、文字が書けないので、東海北陸厚生局に出向き、4回も口頭陳述による審査請求をしている。

不支給がおかしい旨は話しても、なぜ、どうして止められたのかを話しておらず、受付けた社会保険審査官も理解してくれなかったので、11カ月目以降は支給されない旨の決定書が出てしまったのである。

この事件は、ある先輩社労士が的確に対応できそうもないからと私に照会してきた事案である。

最初に概要をお聞きしたり、決定書を読んだりした時点では、医師が「2 療養の為労務不能ではないが、本人の訴えにより労務不能とした」と書いている旨の不支給理由であるので、これを、医師自身がフリーハンドで書かれたものと思い込み、これは、先輩社労士の判断が正しかったのかと逆転判断を引き出すことに私自身も消極的であった。

ところが、である、この記載は、3者択一とされており、1 「療養の為労務不能とは言えなかった」、3 「療養の為労務不能であった」のどちらかに該当しなければ、上記2を選ぶより方法がない仕組みになっているのである。また、直接関係しないが、誘導的な表現もあり、この保険者又は担当者独自の様式が作られているのである。

また、医師の判断によると、代替的な軽作業であれば、就労可能と判断していた可能性もあり、2にチェックを入れているのであるが、その他の記載事項は、支給されていた時と同じ内容で、医学的判断としての記載事項は、就労不可能なのである。

加えて、この事件は、退職後の継続給付であるので、軽作業への職務の転換もできない。こんな事例を不支給とした保険者の措置には憤りを感じると同時に、社会保険審査官も口頭陳述の真意をしっかりと汲み取っていただくよう切に願う。

なお、これらの事実関係が分かってきたのは、保険者に対する電話での質問、及び個人情報開示請求をして初めて分ってきたのであり、何事につけ、先ずは、事実の探究が最も大切であることは言うまでもない。


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