2019年02月02日

社会保障審議会 年金事業管理部会 について


私は少し前まで社会保障審議会に年金事業管理部会のあることを知らなかった。年金には色々な問題が山積しており、かつ年金は重要な事柄であるので平成28年4月から年金事業管理部会が置かれ、第1回会議は、平成28年4月25日(金)に開催され、3日前の本年1月30日(水)には、第41回の審議が行われている。

従来の社会保障審議会に置かれていた、「日本年金機構評価部会」を改組した組織である。年金事業の在り方について審議する専門の部会という意味では、私が問題にしている「障害年金支分権消滅時効の運用誤り」の問題についても非常に意義深いものである。

まして、4年間設置され、数々の不合理を改善した「年金業務監視委員会」が廃止されてしまった現在、その業務を実質的に引き継いでいる組織がないことを考えると、なお更である。

審議事項は、4項目が列挙され、その3項目目には、「年金業務の改善提案」、4項目目には、「年金業務に関する調査・審議」とあるので、私が問題にしている障害年金の支分権消滅時効の問題も、正にこの審議会の審議内容にぴったりなのである。

担当者に電話照会したところ、現行法制下では、日本年金機構法で定める必須審議事項とされている事項等が主な審議内容で、その他についても審議されないわけではないが、一般人からの議題提起を受け付ける制度にはなっていないとのことである。

私が問題にしている事項は、どこかで真剣に審議されなければならない問題であるが、担当者と電話により色々話している内に、主管課からの提起であれば審議する旨の話があった

詰まり、年金局事業管理課からこれについて審議してほしいと議題提起があれば審議するそうである。

事業管理課ではこの問題について質問には答えず、異議申立ては違法に却下しているのであるから、自己に不都合を招くこの問題(運用の正否)を第三者機関である社会保障審議会年金事業管理部会に審議してくれと提言するようなことは官僚の体質からいって通常は考えられないことである。しかし、現行法の運用上それしか方法がないのであればダメ元を承知でこれを試してみる価値があるかもしれない。


これは、いわば敵の懐に入り込むようなものだが、他に方法がないのであれば実践に移すしかない。分かり易い資料を作り、提出前には皆様のご意見も頂きたいと思っている。

事業管理課長は昨年異動しているが、私は、既に、前任者に対して、「この問題に関係するキーマンが一堂に会して真摯に議論すれば、自ずから解決する問題である」旨の提案をしている。

従って、それができないのであれば、内容を審議するのにぴったりの社会保障審議会年金事業管理部会に審議をお願いする以外方法がないと思うのであるが現任事業管理課長はどのように判断されるのであろうか。

本日の日経新聞には「行政監視こそ国会の役割だ」との社説が載せられている。憲法は、立法、行政、司法の三権分立を定めるが、議院内閣制の下では国会は首相の言いなりになりがちである行政を厳しく監視する必要があり、今こそ国会は本来の役割に立ち返るべきときだ」と主張されている。

もし、事業管理課長が、不合理・不具合を故意に隠蔽するようなことがあれば、効果が目に見えている国会や国会議員の実行動も必要かもしれない。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 16:04| Comment(0) | 13 社会・仕組み

2018年10月20日

任意後見制度のメリット


一昨日の相談は、ご本人(Y.K様、22歳、男性、以下「本人」という)のご祖母(Y.F様、77歳、6年前に未亡人)様からで、2つの問題についてであった。

1つは、アスペルガーと診断された本人のこと、今1つは、ご自身が知人(A氏、50歳前後)に投資(貸金)した2400万円が2000万円以上返ってきていないという問題である。

後者については、社労士の係る問題ではないが、当事務所は、豊田市が全戸に配布している「豊田市 くらしの便利帳」の「相談」の頁右下に写真入りで広告を載せているので、社会保険労務士の知名度の低さのせいもあり、色々な関係の相談が入る。

後者については、お付き合いの深い弁護士の先生を紹介したので、本日は、前者の問題と、その後の電話で依頼された障害年金の問題に絞り所感を述べる。

障害の状態であるアスペルガーについては、約50分の電話相談の間には、「本人が障害者であることを認めたくない」という発言のあったことを心に留めていたので、私の方から障害年金の話は全くしなかった。しかし、2回目の電話では、ご祖母様の方から、今では、本人も障害年金を受給したい意向である旨をお聞きしたので、これについては、私が裁定請求代行をする旨の契約の運びとなったので、以下の話は割愛する。

問題は、ご本人の当面の生活である。本人のご両親は健在で、岐阜県のM市にお住まいである。ご祖母の娘さんが本人の母親であるが、ご祖母からみると、ご両親ともが子供の指導、ケアーについて、無関心で手薄であるとお感じで、本人も、ご祖母に懐いていて、「あの家には、2度と帰らない」と言っているようである。

以前、本人の生活状況を危惧したご祖母は、本人を前掲のA氏に紹介し、A氏が就労、日常生活の面倒をみるように依頼(命令!?)したようである。

ところが、A氏は、ある会社の安城支店を任されていたのであるが、その支店が廃止されて、今では、自営でペンキ屋さんをしているとのこと。その経営もうまくいっていないようで、本人は、少しばかりの手間賃と3食を与えられていたが、今では、無給になり、2食になっているとのことである。
これでは、ご祖母としては、将来は勿論、当面の健康のことも心配で、電話相談と相成ったのである。この2人は、うまが合っているようで、本人は、今後もA氏と一緒に居たいようである。

本日、当面の予定として、A氏が、仕事の関係で、2カ月ほどの予定で横浜に行くので、これに同伴させて良いかどうか等の了解を求めにご祖母のご自宅に2人で来るという。本人は、既にその気になっており、ご祖母も、特段反対をするお積りはないようである。

しかし、ご祖母は、上記のとおり当面の健康は勿論であるが、それ以上に本人の将来のことを心配しておみえで、ご自分が、万一の時は、許される範囲で、本人に相続させたいお積りである。

このような状況下、本人及びご祖母のご意向に沿った支援を考えた場合、法定後見では、即応性も確実性も担保されないのである。

色々検討してみると、平成14年4月施行の任意後見制度の移行型を選択するのがベストであると私は判断した。勿論、公証人の先生とも移行型実施に伴う具体的な事前相談を必要とするが、私は上記の状況からはこれがベストであると考えている。

移行型というのは、後見契約とは別に、任意後見監督人が選任されるまでの間の法律行為や見守りなどについて、委任契約を締結し、委任事務を行う方式をいう。

本人の判断能力が低下した時点で、任意後見監督人の選任の申立てをするまでの時限的措置であるが、この契約の内容を工夫することによって、即応性、確実性の効果もあるのだから、ベストな選択といえるのである。

私は、今まで、いずれも法定後見制度として、成年後見人2件、保佐人1件を経験しているが、本件について考えた場合、委任契約の中身について、労働(雇用)契約等について、どこまでタッチできるか等未知の部分もあるが、この初めての機会を、本人及びご祖母にとって、満足していただけるよう最大限の努力をする積りである。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 12:24| Comment(0) | 13 社会・仕組み

2018年09月29日

セクハラ・パワハラ事件のライン情報復元による立証方針の決定


セクハラ・パワハラのあっせん事件の進捗等について、既に2度ほどこのブログでも報告をしているが、当方には、その事実の存在そのものについて直接的に証明できる証拠が未だ整っていない。セクハラ・パワハラについては元々証明し辛い性質のものであり、パワハラについては、現職の上司であった者や同僚であった者は、直接的な加害者の行為は、指導・育成の程度であったと被申立人の言い分を認めているようである。

既に退職した者には、証言をしてくれたり、陳述書等を書いてくれそうな候補が複数いるのであるが、被申立人は、それらの人たちの住所等についても、個人情報を理由に教えてくれない。そして、これは以前と同じ状況であるが、一番情報の詰まっているはずの被申立人所有のパソコンは、廃棄したというのである。

別の面では、パワハラに関して、直接の加害者が、「やり直せ!」、「明日中にやれ」、及び「帰るな!」と指示した事実自体は認めているが、申立人側が問題にしている、トイレにも行けない状況、及び昼食を摂る時間もないほどの環境つくりについっては、「昼食の時間に電話をしたことは1、2度はある。」と回数を最小限にして認めている。

本来、トイレにも生かせない、昼食も摂れない状況は、回数にかかわらずパワハラそのものであり、これは、お昼の時間帯での電話が多かったことから考えると、1、2度のこととは推認されない。これは、いわば、被申立人の自白であると思われるが、被申立人が、セクハラ・パワハラ行為自体の存在について「その行為を認めるべき関係社員の証言、及び証拠が存在しない」といっている以上、それらの行為と災害との相当因果関係を立証するには、ラインの復元情報が必要不可欠である。

故障したスマホの端末から、当時の情報を復元するには、相当の手間暇と費用が必要である。色々調べてみると、現在では、そのような作業を業として請負い、実際に復元して、裁判等に役立てている実績がある業者が存在し、一定の料金体系も確立させている。

テキストデータだけを依頼した場合、約10万円、手法の説明、証明書等まで付けていただくと約30万円である。勿論、これは最安値提案の価格である。

前記の「1、2度はある。」は、自白ではあるが、これだけでは、当方の立証には結び付かないので、10万円コースを選び復元依頼した。この業者の料金の決め方は、万一、復元できなかった場合は、無料である。

別の観点に立つこととなるが、被申立人は、「申立人がセクハラ・パワハラにより休業し、重度のうつ病になったこと」、という厳然たる事実自体を認めていないので、あっせん委員も、労契法第5条の定める「安全配慮義務」についても、被申立人には、立証責任がないと考えているようである。

しかし、現時点、上記の自白は、回数にかかわらずあってはならないことで、申立人の精神的圧迫の強度も強かったはずである。ここで、あっせん委員が、この自白を重視せず、被申立人に、労契法上の安全配慮義務(第5条)について、被申立人には、立証責任がないと考えているようであれば、それは、法律解釈の誤りであると私は考える。

なぜなら、労契法上の安全配慮義務違反は、債務被履行違反であり、その債務を尽くした立証責任は、被申立人である債務者が負っているからである。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 13:33| Comment(0) | 13 社会・仕組み