2021年01月09日

自らの労働条件を知らない方が何と多いことか


一昨日 一面識もない 北海道札幌市の 女性の社労士 M 先生 から 突然の 電話があった

私の地元の 豊田市の女性の労働者で 労災保険を 申請したい人がいるから 相談を受けてほしいという

なぜ 豊田市の 労働者が 北海道の 社労士に 電話依頼したのか よくわからないが 豊田市の お客さんであれば 相談に応ずる旨回答したところ しばらくしたら ご本人から電話があった

話を聞いてみると すでに 労働基準監督署 及びハローワーク には 相談をしており 会社(派遣元)の担当者とも いろいろ 話をしてみえる方であった

本人は 派遣先の従業員と人間関係がうまくいかず 心身ともに就労の継続が できない状態であるという

よく分からない話ではあるが 派遣元の担当者からは 派遣先に 2週間 就労できない場合は 派遣先との関係は 退職扱いと言われているとのこと そして派遣元との契約も 2カ月 派遣先が 見つからない場合は 健康保険も 国民健康保険に 切り替えてもらわなければいけないと 言われているようである

就労が困難な状態は 昨年の10月から続いていたが 周りの人に迷惑をかけてはいけないということから 昨年の年末まで ギリギリの状態で 就労を継続してきたとのことである

何に困っているかと言うと 派遣先従業員からの パワハラが主な原因と思われるが 酷い状態ではなく 労基署への相談では 労災の適用は 極めて困難だと言われているようである そして派遣元の担当者からは 業務に関する 傷病であるので 傷病手当金も 適応にならないといわれており そして雇用保険の基本手当も 派遣元 会社の支社長の意向では 会社都合の退職には してくれない とのことである

色々聞いてみると その方は 58歳になる女性であるが 8年前から 派遣元 会社に勤めており 3年前に無期雇用に変わっているようである

私の質問に対する回答では 派遣先でのトラブルの表面化は2年半前からであり 藤田学園での初診は3年前からである するとこの傷病は 業務に起因する傷病ではない

雇用契約書又は 労働条件通知書等のような書類は 持っておらず 会社の 就業規則も見たことがないと言われる

年休も残り5日しかなく このまま 会社を辞めさせられて 自己都合退職(所定給付日数:90日)の 基本手当 (失業手当)だけでは 当面の生活さえ維持していけないと 心配してみえる

この状態で色々考えてみると 労働の継続は精神的及び肉体的条件を考えるとなかなか難しいようである

そうすると 当面は しばらく休んで 病気を回復させ その後に 働くことを考えた方が 良さそうである

労災の適用は 難しそうであるので 比較的 割のいい 傷病手当金を 一年半いただき その後に できれば 会社都合の基本手当(所定給付日数:240日)を もらい その間に 病気を治し 再就職を目指すのが 一番賢明のように思われる

現在 何の資料もないのだから とりあえず 必要資料の入手である 派遣元会社の担当者は 支社長との ジレンマには 陥っているが 会社寄り一辺倒の方でもなさそうである

取り急ぎ必要なのは 労働条件通知書 及び就業規則であるので それをもらってくるよう話したところ 派遣元担当者は 取りに来れば それは渡すと言ってくれたようである

それを入手してからの 面接相談となるが 基本方針は上記のとおりである

類似事件を振り返ってみると 自分の労働条件さえ 知らない労働者が いかに多いかということが よくわかる

そして不思議なのは なぜ 豊田市の 労働者が 北海道の社労士に電話相談したかであるが それは面談相談時に ゆっくり聞いてみることとする
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 11:09| Comment(0) | 3 人事・労務

2020年01月18日

三河中支部有志による社労士業務情報交換会


愛知県社会保険労務士会三河中支部の有志により社労士業務情報交換会が年に3回程度の頻度で定期的に開催されている。次回の幹事は私とのことだったので、日程調整をしたところ、期限までの回答者では、3月18日(水)が、皆様支障がないとのことであったので、取り敢えず実施日を決定した。

業務上の情報交換が目的であるので、皆様からテーマを沢山出していただくのが一番であるので、情報交換したいテーマのある方は申し出ていただきたい旨お願いしたが、今のところ1件の申出もない。

通常の運営を見ていると、主として、幹事になった方が、テーマや資料を用意して話をされる場合が多かったので、私も、皆様からテーマの提供がない場合は、昨年受任した、2件のセクハラ・パワハラ事件の実際について話をさせていただく旨お知らせしてある。

弁護士法第72条との関係、弁護士との共同受任、あっせん機関の利用、証拠の提出及び時間・費用等色々問題点はあるので、3時間程度の会合では、適当なテーマかもしれない。

しかし、その名称が示すように、社労士業に関わる情報交換が主目的であるのだから、多くの方からテーマが沢山出されるのが理想と思われるが、理想とはかけ離れているのが現実である。

1年以上前の会合では、高年齢者雇用安定制度と定年の設置について、参加者の意見が真半分に分かれたのであるから、このような場合に、正解を見付けられれば、会の目的が十分に果たされたこととなり、お客様にも十分なサービスが可能となる。

真っ二つに割れたテーマは、高年齢雇用安定法の継続雇用制度と定年の設置との関係である。当日の参加者は少なく、7名であったが、その内3名が、同法に違反しない範囲での定年を設けることができる。他の3名が、定年を設けると同法の趣旨を損なうから継続雇用制度を優先することとなる。他の1名は、判断ができない。という状況であった。

当時、2019年の法定の定年年齢は、60歳を下回る年齢で定年を設けてはいけない。平成25年に一部改正施行された高年齢者雇用安定法の骨子は、@ 65歳まで定年を引き上げる。 A 65歳まで継続雇用制度を適用 B 定年を廃止する。で、一定の経過措置があった。端的に言うと2013年から段階的に雇用の義務化の経過措置を設け、65歳完全義務化は2025年4月からである。

正確にいうと定年制度は法令で設置が義務付けられている制度ではないので、会社ごとに違っている。定年年齢を75歳と定めても良いし、定年年齢を定めなくても良い。詰まり会社ごとの就業規則や定年退職規定で自由に決めて良いものである。

定年の上限は何歳までとは規定はないが、下限は「高年齢者雇用の安定等に関する法律」で60歳を下回る定年年齢を定めることはできない。

以上で、正解は歴然としているが、会合の当日、豊田労働監督署に電話して、正解を確認したところ、即答はなく、折り返しの回答であった。上司、先輩、又は上部機関に確認したのかもしれない。

社会保険労務士にしても、監督署の職員にしてもその道の専門家であるが、複数の法令とか事象が混在してくると、意見が割れることはよくあることである。

究極、裁判においても判断が割れることがあるのだから、割れて当然と思うべきかもしれない。従って、このような会合を有効に利用すべきであるといえる。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 16:26| Comment(0) | 3 人事・労務

2019年11月09日

社労士の越権行為


昨日、8日(金)、数年来のお客様である3カ月程保育士をしてみえた方から、社労士から、「明日から出てこなくてもいい」と言われたと電話相談があった。

職場には、理事長をトップに、園長、部長等がおり、この社労士との11月6日(水)の面談は、部長が同席したとのこと。

この方は、双極性障害U型うつ病相、知的能力障害(軽度)との病名で、障害年金を受給している方であるので、保育士を始めた旨を聞いた主治医は、「大丈夫だろうか」と心配していたとのことであるので、客観的に無理があったのかもしれない。

A型就労支援施設に勤めていた時は、上司からセクハラを受け、辞めざるを得なくなり、マクドナルドのアルバイトも体にきつかったようで続けられなかった。やっと希望の職種を手に入れたのである。やり切れない気持ちで一杯であることが容易に想像できる。

そんな中、社労士の職務を考えた場合、例え顧問契約をしている社会保険労務士であっても、「明日から出てこなくてもよい」などと言える権限はない。例え、その件につき委任されていたとしても社労士法上問題である。

幸い、「心身共に健康になったらまた働いてもらえばいい」との言葉があったようであるので、これも言える立場ではないのだが、一面、多少救われた。社労士は、業務執行にあたっては、弁護士法72条との関係も慎重に吟味しなければならない。

少なくとも30日分の解雇予告手当は請求できるだろうと思ったところ、「解雇するとはいっていない」との回答が返ってきたようである。屁理屈のようでもあるが、本人が、翌日(7日(木))のラインで、「辞めます。お世話になりました。」といった趣旨の回答をしているようで、調べた結果、現在の取扱いは、退職となっているとのこと。休職でもないので、給与の支給の可能性もない。

念のため、月給の額を聞いたところ、30日分で、あっせん等を申請しても、メリットよりも本人への健康等への悪影響等のデメリットの方が大きいと思われ、本件については、話し合いの結果、これ以上の追及は控えた。

専門家である社労士には、どこへ出ても恥ずかしくない行動を期待したい。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 11:12| Comment(0) | 3 人事・労務