2019年07月06日

担当裁判官からの面談希望あり


今年5月25日(土)の記事で、障害年金支分権消滅時効に係る未支給年金請求を目的とした審査請求(行服法による改正新法の厚生労働大臣に対する審査請求、旧法では異議申立てと呼ばれていた)の却下の違法について、国家賠償法に基づく損害賠償請求訴訟の提起を考えている旨を公開した。

本訴の趣旨は、公の機関として、しかも福祉行政を担う厚生労働省の職員としてあってはならない行為の再演防止、及び行政不服審査法の誤った運用の改善を促し、広く一般に損害の救済が図られ、行政の適正な運営を確保することができるよう被告に改善の必要性を知らしめるところにある。

だからといって、訴額の360円は、現実離れしており、そうかといって、受理されておれば私が得られたであろう成果報酬分を損害額に加えると、焦点がぼけてしまい、かつ、膨大な資料を提出する必要が生じるので、結果、この事件については、レターパック代金360円と士業としての精神的損害15万円を加え、15万360円の訴額にして、6月3日付けで、豊田簡易裁判所に提起した。

豊田簡裁では無事受理され、事件番号まで付与されたが、民訴法18条による職権移送により、名古屋地裁岡崎支部に移送された。事前に、移送することに対して、異議の有無を聴かれたが、予定していることであり何ら異議のない旨回答してあった。

一昨日の7月4日(木)、岡崎支部の担当書記官から電話があり、新しい事件番号を通知されると同時に、裁判官との面談のため、来週か再来週に裁判所に出向くことができるかどうかの打診があった。

裁判官との面談の目的は不明であるが、この事件を真剣に考えてくださっているということが実感され、最優先で伺う旨を伝えた。訪問は、7月10日(水)16:30となったが、私は、大変楽しみにしている。

私は、NTTの現職時代を含め、多くの裁判に係わってきたが、このようなケースは初めてである。双方の提出した証拠が余りにも多く、事前に証拠の整理・調査の目的で期日が設けられた経験はあるが、話の様子からその可能性はほとんどない。

面談の目的として考えられることは、事件について、担当裁判官の方から実体を詳しく聴くことと、今一つ考えられることは、和解の可能性について聞かれるくらいである。

前者については、できるだけ分かり易く表現したが、国の主張の屁理屈により問題が複雑化しているので、問題点を挙げれば切りがないほどである。

今回私が問題にしているのは、本題に係る異議申立てを却下した違法(入口論)であるが、担当裁判官は、本題についても疑問点等をお知りになりたいのかもしれない。

本題については、最高裁第三小法廷で平成29年10月17日判決を担当した5人の判示に対して、平成30年10月5日付け訴追請求状が出されるほどの大問題である。問題は、判決理由に決して許されるべきでない矛盾点があることである。従って、担当裁判官に本題の問題点についても詳しく知っていただく必要があるのかもしれない。

先日、衆議院の訴追委員会に電話して、訴追請求状に関する進捗の状況をお聞きした。現在審理中で、結果は出されていない。弾劾裁判に移行するには、先ずもって、訴追委員会で、罷免の必要性を認められる必要がある。

過去の罷免例では社会生活上の余程の破廉恥な事件以外では罷免が認められておらず、裁判自体の判断の誤りで罷免された実例は皆無であるので、私の憶測では、弾劾裁判にまではならないのではないかと思っている。

しかし、このような事件で、訴追請求状が出されること自体大問題であるので、政府も裁判所もこの問題の大きさを真剣に考えるべきであると痛感する。

これ(入口論及び本題)が、国民的議論になれば、結果、大きな問題点である裁定請求遅れ自体が減少し、改善に向かうのである。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 14:31| Comment(1) | 1 障害年金

2019年06月29日

主治医に勝る障害年金受給権者の日常生活状況の把握


一昨日、障害厚生年金の裁定請求代行を受任しているお客様から、診断書を2通書いてもらえた旨の電話による報告があった。

お付き合いの深い弁護士の先生からの紹介案件であったが、精神障害者であるご本人によると、病院の先生も受付担当も診断書を書いてくれないという。

ご本人の病状等の事情をお聞きすると、職を転々としたり、ディケアーに通ったりしており、最終的には、最後の職場も辞めざるを得ない状況にあったので、これは、ご本人が日常生活の状況を主治医に正しく伝えていないのが原因であると判断し、工夫さえすれば、診断書は書いてもらえると考え受任した事件である。

当然のことながら、先ずは、主治医の先生に気分を害せず診断書を書いてもらうにはどうすべきかを考えた。詳しい事情を書いた手紙を出しても、先生も面倒だし、気分を害するかもしれない。

私の考えた策は、こうである。通常、診断書がいただけてから作成する病歴・就労状況等申立書を本人に質問を繰り返し先に作ってしまうことである。それに1枚物の診断書作成の依頼状を添えれば、嫌みもなく、作成の必要性もお認めいただけるのではないかと考えたのである。

手間暇を考えても、どっちみち作らなければならない書類を先に作るだけのことであり、これが効果が大きいとなれば、これを選ばない手はない。

ご本人に言わせると、「絶対に書かない」、「弁護士が来ても、社労士が来ても絶対に書かない」と言われていたようであるので、依頼状には、このような表現をした。

「(1) 平成30年4月25日から同年7月24日までの現症日のもの    1通
 なお、上記障害認定日現症の障害の状態が、障害等級不該当の場合は、事後重症請求としますので、下記の診断書のみで結構です。
(2) 今回の診察日のもの                     1通」

依頼状は、4月7日付けであったので、作成までには随分と長い期間がかかったが、約2カ月半の間、催促もせず静かに待ったところ、朗報である。

ご本人からは、診断書が2通できているという報告であるので、主治医が同じ診断書を2通作成することは考えられず、主治医も認定日請求を認めてくださったのかもしれない。

今まで、既述のように診断書が来てから病歴・就労状況等申立書を作っていたが、こんなに効果があるのであれば、これは常に前もって作成することにすれば良い。ご本人による裁定請求の場合に多いのだが、日常生活能力の実体を主治医の先生に伝えられず、不支給や事後重症認定とされている事例が何と多いことか。一旦決まってしまうとこれを覆すのは至難の業である。

同業の仲間に聞いても、前もって作成しているという話を聞いたことがないが、これは皆様にお勧めしたい施策である。

主治医は、そんなには日常生活能力の把握に時間を取っておれないので、これを社労士が意識的にすれば、その面では主治医以上の日常生活能力の把握が可能となるし、効果も大きいはずである。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 10:11| Comment(0) | 1 障害年金

2019年06月08日

平成29年最高裁判決に対抗する身体の障害者による提訴


私が、行服法に基づく異議申立てをして、平成29年6月から7月にかけて一挙大量却下された事件の該当者のお一人で、今でも私のブログへの定期訪問者である東京都のA.K様であるが、今週6月4日(火)に本人訴訟提起を決断された。

理由は、「納得できないから」の一言である。請求額約1,715万円の手数料(収入印紙代)は、74,000円、及び予納郵券代約8,000円は、提訴のための必須費用である。

私は、何か月か前までは、平成29年10月17日最高裁判決が出てしまったこと、及び裁定請求さえすれば認められる点においては老齢年金と同じ事情であるので、「今、提訴することは賢明ではない」旨を電話でお伝えしていたのである。

ところがその後、民法第166条1項の「権利を行使することができる時」の国の解釈が間違っていることを発見し、その旨を説く権威ある文献を多数発見したので私も考え方を改めた。これは、次のとおり3通りある。

私法上の債権について時効の進行が開始する起算点は、権利を行使し得るとき(民法第166条)、すなわち権利を行使するのに法律上の障害がなくなったときからである。これは、法律上の権利の行使ができないのに時効期間を進行させることは、時効制度の目的からみて承認し得ないからである。この結果、起算点は、@ 確定期限及び不確定期限のある債権については、期限到来の時、A 期限の定めのない債権については、債権成立の時、B 停止条件付債権については、条件成就の時からそれぞれ時効が進行する(我妻榮著新訂民法総則485頁)。」(会計法精解696頁11列目〜同頁16列目)

国の説明・主張の出発点となる根本部分であるので、裁定に係る「条件未成就」、及び支払期月に係る「期限未到来」に行き付くのである。

従って、本人訴訟支援は勿論、許可されれば、A.K様の事件についても、民訴法第60条の補佐人も引き受ける予定である。

今まで私は、年金決定通知書を受けてから既に5年を経過している方、及び身体の障害の方の場合、真にやむを得ない事情と思われる裁定請求遅れの方しか受任していなかったのであるが、上記の民法の解釈誤り及び未だに「障害年金の支分権が裁定前に時効消滅している」というとんでもない説明(裁決例による社会保険法 [第2版] ―国民年金・厚生年金保険・健康保険― 加茂紀久男 著者 民事法研究会 平成23年12月1日「裁定の法律的性質は確認処分であると解されているにせよ、受給権の行使には必ず裁定を経なければならないとされており、裁定前に支分権を行使することなどおよそあり得ないところからみれば、裁定がないうちに年金の支分権の時効期間が進行を開始するとは考えられない。」(101頁6行目〜同頁9行目))を国が繰り返していることを考えると、身体の障害であろうと、年金決定通知書を受けてから5年を経過していようと不服申立ても提訴もできるとの考え方に変わってきた。

5年を経過していると、このことについて、特段の主張を加える必要があるので、勿論、5年以内に越したことはないが、5年が経過しているからといって、諦めてしまう必要はないのである。この事情は、国が反省し、間違った説明を改めるまで継続する。

特に、不服申立て(原則として、行服法旧法の厚生労働大臣に対する「異議申立て」及び改正新法に基づく「審査請求」)については、上記で述べた、収入印紙代や予納郵券代は必要ないのであるから、納得できるまでやってみるのがベストな選択である。勿論本人でもできるし、基本的には代理人(有償で行う場合は、弁護士又は社労士に限られる)でもできる。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 10:19| Comment(0) | 1 障害年金