2019年06月01日

K.F様の本人訴訟の展開


一昨日、30日(木)に、昨年11月27日(火)に当事務所をご夫婦で尋ねられたK.F様からの2回目の訪問を受けた。12月8日(土)「100回通う積りだった年金事務所!!」の主人公である石川県の方である。今回もご夫婦で車で来られ、打ち合わせ終了後は、猿投温泉 金泉閣 で保養されてから帰路につかれるとのこと。

この方からは、行服法新法による審査請求事件を受任して既に厚生労働大臣に対する審査請求書は提出しているが、既に提訴済みであった本人訴訟を係争中なのである。

鼻腔のできものを除くため2カ月ほど入院してみえたとのことで、裁判の期日を延ばしてもらっていたので進行が遅れている旨の説明である。

1時間半ほど関係書類を見せていただいたり、質問をして、相手方準備書面の間違いカ所(反論ができ反論すべきカ所)を指摘させていただいたが、被告の主張に変わったところはなく、基本的に従来の説明・主張と同じであった。

K.F様の請求は、処分の取消しであり、私の請求は、時効が完成していないことによる給付請求であるので、これには大きな違いがあり、私は、既に提訴済みの訴訟について委任契約上本人訴訟支援をしていない。

ご本人は、審査請求、再審査請求、及び提訴と順序を踏み、全て期限前に手続きをしてこられたのであるが、争いの原因である処分自体の違法性を原告が証明することは極めて困難であるので、私は引き受けていない。

この事件についても、最高裁まで争うとおっしゃってみえるが、私は、経緯上、提訴済みの第一審については精一杯やって、それで敗訴すれば、取消訴訟は諦めて、私が支援する給付請求での提訴を勧めている。

ご本人は、納得できないからやっているとおっしゃるが、どうせやるからには、逆転できる可能性がある方法を選ぶべきで、出直しの方が全てで有利なのである。

ご本人は、宅建主任(現在の宅建士)もやってみえた経験があり、道理は理解でき、「私は権利の上に眠っていた者ではないので、従来の裁判例とは事案が違う違う」とおっしゃるのである。

であれば、問題にしているのは消滅時効であるので、請求内容と合致していない。

多少の法律的知識があるからといって、私の作った主張構成等を理解できるわけではない(ご本人の言)とのことであるので、次回は、私の略歴書も添付して、民訴法第60条の補佐人許可申請をして、給付請求で(私は、この処分の取消しでは勝てる可能性はほとんどない旨お伝えしてある)一緒に争いましょうと勧めているのである。
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2019年05月18日

5年経過後でも提訴はできる!!


障害年金支分権消滅時効の未支給年金請求であるが、結論から言って、「年金決定通知書を受けてから5年が経過していても法的な請求はできる」と最近になって自身の考え方を改めた。

私は、従来、年金決定通知書を受けてから5年を経過している依頼者に対しては、「私の主張からいっても時効消滅していることとなるから」との説明で、不服申立てや本人訴訟支援の受任を特段の事情のある事案以外ではお断りしてきた。

しかし、国の主張・姿勢を考えると、これは間違いであったのではないかと思い始めている。

年金事務所等から、「既に時効消滅している」と説明されれば、ほとんどの国民はそのように思って、不満が残っていても、不服申立てや訴訟を諦める。

そして、実際に5年経過してしまった方の不服申立てや訴訟に対して、「5年が経過しているから請求できない」という反論は国からはほとんどないし、裁判所もこれを問題にしていないよう(今までに行ったのは、特段の事情ありとして、相応の書証を提出していたからかもしれない)である。従って、判決理由で触れられたことも一切ない。

5年経過後の提訴等では、それでも国は請求を拒めない理由を色々主張しているが、その骨子(実例抜粋)は以下のとおりである。参考にしていただければ幸甚である。

1 消滅時効の主張が信義則に反して認められない場合
最三小判 平成19年2月6日民集61巻1号122頁は、

「普通地方公共団体が、上記のような基本的な義務に反して、既に具体的な権利として発生している国民の重要な権利に関し、法令に違反してその行使を積極的に妨げるような一方的かつ統一的な取扱いをし、その行使を著しく困難にさせた結果、これを消滅時効にかからせたという極めて例外的な場合」

には、消滅時効の主張が信義則に反して認められないと判断した。

2 本件内簡に基づく年金決定通知書が国年法及び民法に違反したものであること
 被告は、本件内簡に基づき、年金決定通知書に『「年金特例法」に該当する場合を除き、平成15年9月以前の年金は、時効消滅によりお支払いはありません。」と記載し、本件不支給部分が消滅時効によって消滅している旨を通知した。
 しかし、上記のとおり、本件不支給部分の消滅時効の起算点は、平成21年1月29日付け年金決定通知書を受領した時点であり、同時点において、平成15年9月以前分の障害基礎年金は消滅時効によって消滅していなかった。
 よって、本件内簡に基づく年金決定通知書が国年法及び民法に違反したものである。

3 重要な権利であること
 本件不支給部分の障害基礎年金は、原告の生活を支えるために必要な年金であり、本件不支給部分の支給請求権は、原告の重要な権利であることは明白である。

4 被告が積極的に原告の権利行使を妨げたこと
 被告は、違法な年金決定通知書、催告書に対する回答、及び異議申立ての却下の決定書の送付によって、原告に対し、本件不支給部分が消滅時効によって消滅したものと思い込ませたのであるから、被告は積極的に原告の権利行使を妨げたといえる。

5 被告が消滅時効の主張を行うことは著しく正義に反すること
 原告は、統合失調症にり患しており、国から、年金決定通知書を受領し、それによって、本件不支給部分が消滅時効によって消滅したと通知されれば、それを信用するほかなかった。大事な年金証書を紛失し、2度まで再発行していただいている状況からも分かるように、日常生活すら満足に行えない状態だったのであり、被告による年金決定通知書の記載が違法なものであると認識しようがなかった。
 このような状態において、被告が消滅時効の主張を行うことは著しく正義に反するといわねばならない。
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2019年05月04日

未だにいただけていない新しい主張に対する反論


今回、障害年金支分権消滅時効問題についてご意見及び反論をいただきたい旨をお願いしたのは、主に社労士の先生方であるが、未だに反論の方はいただけていない。

ご意見としては、たまたま月刊社労士の広告のページを見て、電話照会をしたことによりお近づきになれた、愛知大学社労士会のT.I様から、

「初めて木戸先生の文書を見る方にも、
何が問題かというのがわかってよいと思います。

連合会も今年度は、役員変更となりますので
ご理解のある方が担当役員になられるよいですね。

いずれにしても木戸先生の思いの伝わる文章だと思います。」

とのコメントをいたいた。一面識もなかった方からの大変ありがたいお言葉で、励みになり、感謝している。

新主張の中心は、従来、民法第166条1項の「権利を行使することができる時」の解釈を、当事者双方が文字どおりの意味(債権成立の時)でこれを認めていたのであるが、推論の出発点となるこの解釈自体を否定する部分である。

結論から言うと、それは「期限の到来時」が正解となるが、そのような解釈になるためには、この債権が「期限の定めのある債権」である必要がある。

その推論の過程に誤りがあれば、これが成り立たなくなる。私は、この誤りを見付けた方の反論を聴きたいのである。

理論的には、反論を構成する根拠が見付からないはずであるが、それは、私の独善であるかもしれない。私とは違った見地から見ていただきたいのである。

反論がないとなると、実際にやってみるより確かめる方法はないのであるが、石川県のK.F様の審査請求書(改正行服法新法適用)が、令和元年5月1日付けで出来上がっているので、これを送付することとなる。

第2号についても、今月中に同様の審査請求書を提出する予定であるが、これらについては、県会及び連合会が私の依頼状を速やかに処理していただけない場合は、再再度の違法な却下の決定が出されてしまうかもしれない。

仮に、そうなった場合でも、お2人ともに最高裁まで争うとの意思表示をされている方であるので、国は、遅かれ早かれ、この追及から逃れることはできない。

偶然だが、本日、このブログを書いている最中に、一昨年異議申立てを却下されたお隣の県である三重県のお客様から電話があり、本人訴訟支援を依頼された。時折、電話がかかってきていた方であるので、考えた挙句の結論であるとお見受けした。

何とか工面して日程調整できそうであるので、経緯上、即答でお受けした。

この方の分は、訴状等出来次第行動に移せるので、新主張に係る訴訟での最初の論争はこの方の分になりそうである。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 13:17| Comment(0) | 1 障害年金