2023年11月04日
「2カ月は待てない」と言われた被告の準備書面の提出期限
10月25日 (水) 係争中の 障害年金 支分権についての 名古屋地裁における 遅延損害金請求の3件の裁判でのことである
当日は2回目 期日で 単純な事件にしては 議論は相当に進んでいる段階で 裁判長が 結審を打診したところ 被告 は 次なる 準備書面を出したいと 発言した
これに対し 裁判長は 新たな事実は 出てこないような気がするが それでは いつまでに提出できますか と問われた
被告は2カ月を要求したが 裁判長は 2カ月は待てないと 発言した
結果 12月11日(月)までとなったが 被告が 無理な 主張をするから 2カ月も必要となるものと思われる
そもそもこの種の問題について 今までに検討していないから そんなに長い 準備期間がいるのであって そのこと自体 公的年金の管掌者 保険者としては大問題である
被告がいくら 主張しても 令和2年4月1日改正施行で 年金法の 消滅時効に係る規定 の 改正により 正しい 支払期限を 年金法の 支払期月に係る規定の本文の各支払期月であると 特定してしまった事実は 変えようがなく それとは別に 遅延損害金に係る 別の支払期月が 存在する事実はない
正反対の事柄を 両方を 自身に有利にしようとする 被告の姿勢に 無理が生じている一面である
瀬木比呂志氏(2015.1.20)の「ニッポンの裁判」 講談社 現代新書(161頁8列目)によれば 「行政事件について まともな審理を行う裁判官は 10人に1人である。」と言われているのだから 油断はできないが 被告がそこまで 必死に もがいていることを考えるだけでも主張に根拠のないことを露呈しているものである
しっかりとした根拠があるのであれば 原告 の 反論 に対して 1週間もあれば お釣りが来るはずである
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 08:04| Comment(0)
| 1 障害年金
2023年10月14日
研究発表のコメンテーターも裁定時説であった幸運
私は本年10月26日(木)午後1時30分から 東京都中央区 JJK 会館において 日本年金学会 第43回 総会における 研究発表をすることになっているが そのコメンテーターと メールのやり取りができた
平成29年 最高裁判決にかかる 判例解説の執筆者である 財賀理行氏 によると 障害年金の支分権の消滅時効は 裁定を受ける前であっても その支払期( 厚年法 36条) が到来した時から進行するとの見解 (以下 「支払期説」という)とその裁定を受けた時から進行するとする見解 (以下 「裁定時説」 という)との2説があるとする
私は 勿論 裁定時説であるが 実のところ 有識者であるコメンテーターが 支払期説であるとすると 色々な不都合が生じると 心配していたのである
過日 コメンテーターから コメントの概要 と質問予定 事項等を メール添付で送っていただけた その中のコメントに コメンテーターも 裁定時説である旨の 記述があったのである
私が 何を心配していたのかと言うと 発表後の 論文の作成である
この発表後 発表要旨5枚ものを コメンテーターの指導のもと 10枚ものの論文にして 来年4月の 日本年金学会誌に 掲載される予定になっているのである
この意見調整が順調に進まないと大変なことになってしまうのである
仮に コメンテーターが 支払期説であるとすると 私の主張とは 相容れないところが 何カ 所かに出てきてしまい 出来上がった 論文が 私の趣旨に合わないものになってしまう可能性があったのである
苦労してここまで来たのに そんなことになってしまったら 半ば 台なしである 当面 その心配は なくなったことは 大きな 朗報と言える
タグ:支払期説、裁定時説
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 09:39| Comment(0)
| 1 障害年金
2023年08月19日
余りにも短絡的な社会保険審査官の判断
九州における 任意適用事業所に勤務していた労働者の厚生年金保険の被保険者資格の遡及 届出に係る事件である
担当審査官の誤った判断により 現在 再審査請求中で 来月 21日 には 公開審議を迎える事件である
この事件の決定書の内容を見て 余りにも短絡的な誤りが 多数あることに驚かされる
代表的な3つの誤判断を紹介する
1つは 就業規則を 見ていないと 労働契約が 成立していないという誤判断
2つ目は 労働契約の効果は 法人に帰属していることが 理解されてないこと に基づく誤判断
3つ目は 日々雇用される者等一定の者を除き 任意適用事業所に 勤務する者が 強制加入であることを念頭に置いていないことからの誤判断である
1からは 新しい経営者と 労働契約を結んだ 形跡がないから 労働契約は不成立 と 誤判断し
2からは その事業所に 常駐する者でない(その資格を持った労働者は法律上常駐義務がある者)との誤判断が生じ
3からは 事業主の怠慢( 書類の作成 保管 提出等の 義務違反)から 被保険者の 資格剥奪という誤判断が生じている
1の誤りについては 日本の中小企業において 就業規則を 見せてもらっていない 労働者が 余多にいることさえ 分かっていない のであり
2の誤りについては 交代した 新しい 経営者と 労働契約を 結び直さないば 労働契約が 成立していないという 誤判断が生じているのであるが 経営者が変わるたびに 労働契約を結び直している 企業など 見つける方が難しい
前の経営者と結んだ 労働契約 の効力は 法人に帰属しているので 新しい経営者の意思にかかわらず 引き継がれているのである
3については 事業主の落ち度を 労働者に押し付けているに等しく そのような責任転嫁が 許されて良いはずがない
現実を見ると 社会保険審査官の役割は 悪代官的役割が多く見られるが 法律解釈の 基本的な知識さえ 持ち合わせない 審査官は 早期に転職して頂いた方が 社会のためである
このような事態を放置する 厚生労働省の幹部にも 反省を促したい
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 07:47| Comment(0)
| 1 障害年金