2019年10月12日

全て想定内の誠意のない国の反論


昨日、厚生労働大臣への異議申立てに対する却下を違法とする国家賠償法に基づく提訴に対する被告第1準備書面が届いた。

障害年金支分権消滅時効の問題については、本題と入口論があると話している後者の話である。

主な論点については、全て想定内で、国の反論としてはこんなものであると予測した範囲内のものであった。

一番の関心事は、時効消滅した旨の付記の行為を、一つの例外もない裁定と同時一体不可分のものと捉えているかどうかであったが、所詮、被告が自己に不利になるようなことをいう訳がなく、期待する方が無理というものであった。そして、そのことについて議論されていない地裁の判決書を3件書証として挙げてきた。

単なる時効消滅が事実行為として行政処分性がなく、行服法の対象でないことなど分かり切ったことで、いくら私が物好きでも、そのようなことで提訴などするわけがない。

社会保険審査会までが、「時効による権利の消滅は、直接法律の規定に基づいて発生する法律効果であるが、裁定請求に対する応答としての処分は、このような法律効果を含めて、当該給付の行われる時点までに生じた、給付の受給権の発生、消滅に関する一切の事実を考慮に入れた上で、その時点での受給権の有無及びその内容を公的に確認する行為であり、裁定の前提となる権利の発生・消滅に関する事項のうち、消滅時効だけが、前記処分における判断対象から除外されているということはあり得ない。」と説示いているのでるから、これを却下されては、国民を虫けらのようにしか扱っていないこととなる。

訴えの争点となる客体を異質のものとすり替えられては、折角の提訴も毒となってしまう。

石川県のK.F様は、真面目に審査請求をして、再審査請求まで経て、いずれも棄却されたので、年金事務所等の門前払いの対応は、福祉行政を携わる国の採るべき態度ではないと、どうにも我慢できず本人訴訟で提訴したのである。

これに対して、被告は、棄却ではなく、却下(門前払い)と答弁変更してきたのであるから、無責任極まりない対応である。今までの保険者の教示に基づく2つの不服申立ては何だったというのであろうか。国は、国民への迷惑など微塵も考えていない。

1年以上の不満の継続は必然的に増幅し、長い時間の無駄は金銭では計り得ないほどの損害である。全く許せない。

これについては、私が支援して、当面の対応としては、訴状を全面訂正して給付請求に改めたが、このまま進んでいたら、費用と時間が無駄になるところであったのである。

余談だが、石川県のKF様の事件については、神戸のS.F弁護士に受任していただけることに決定し、私が補佐人を務めることも決定したので、類似事件の突破口となることを目標に意気込み満々である。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 13:50| Comment(0) | 1 障害年金

2019年10月06日

最適任弁護士との共同受任について


私は、現在、訴訟については、本題(障害年金支分権消滅時効問題)について4件の本人訴訟支援をしており、入口論(本題に係る厚生労働大臣の異議申立ての違法な却下)については国家賠償法に基づく損害賠償請求を係争中である。

前者の4件について、1件は、石川県のK.F氏の20歳障害が具体的な初診日が特定できていないという理由で、何度も受付けを拒否された事件であり、2件目は、お隣の岡崎市のY.O氏の精神の障害について事後重症認定であったものを認定日請求にやり直して認められた事件である。

K.F氏の事件については、私の得意とする、「そもそも国の解釈は法律の解釈を誤っている」という請求理由に加え、年金事務所等の受付け誤りの可能性があり、これについては、私が日本一と認めており、30年以上前の遺族年金を勝ち取られた実績のあるS.F弁護士に手助けを求め、K.F氏本人が、明日、7日(月)に神戸の事務所を訪問し説明、依頼をすることになっている。

S.F弁護士は、若い時から堀木訴訟に携わってみえ、年金には詳しく、大阪大学の法科大学院の非常勤講師を務めてみえたこともある頼り甲斐のある弁護士である。

従って、受任いただけた場合は、私の論理についても補充していただき、絶対に勝訴に導く覚悟である。

Y.O氏の事件については、私の補佐人許可申請(民訴法第60条の方)に対する許可が下りない可能性が高く、本人は法廷でパニック状態に陥る可能性が高いといわれるので、最適の受任弁護士を探していた事情がある。

初回期日が今月の17日(木)ということもあり、思い切って原告と同じ岡崎市に事務所を構えるS.S弁護士に、私との共同受任を依頼したところ、興味を持っていただき、明後日、8日(火)に、私と原告Y.O氏とで説明等におじゃますることになっている。

概要や問題点等については電話でもお話しし、メールの添付で資料等もお送りしてあるが、当日お話しする内容は多く、先生のオンブズマンとしての経験に期待しているところである。

こちらの事件については、受付時等の特段に事情はないので、被告の法解釈の誤りについて、根本から争う必要があり、その点では、多くの行政訴訟を実践してこられた最適の弁護士を近くで得られたこととなる。

両者とも、訴額が高額で、約2千500万円と約3千万円であるので、規定どおりの着手金が支払えるわけがなく、内金的な着手金で勝った場合に清算する方式での依頼となる。その点、被告が国であるので、勝ちさえすれば必ず回収できるので、そのような話し合いができるのである。

私は、色々な改善活動を実施しているが、訴訟においても、2件目、3件目の勝訴実績を積み上げ、一刻も早く、成果を形として残す積りである。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 11:09| Comment(0) | 1 障害年金

2019年09月21日

障害年金支分権消滅時効問題に係る私の改善意見


一昨日9月19日(木)15:30から約1時間、愛知県社労士会の法務委員会でこの問題について委員への説明を実施した。

約45分間で説明し、15分間は質疑応答の時間を設けていただいた。7種類の添付資料とレジュメ12頁を45分で分かり易く説明するのは、中々の難題であったが自己採点では75点ほどの出来栄えであった。

なぜこのような説明会を開催することとなったかであるが、社労士法には、全国社会保険労務士会連合会から厚労大臣に労働社会保険諸法令の運営の改善等について改善意見の申出をできる規定があり、私が、これを活かして2つの改善意見を提出したからである(連合会では、会員個人の意見を直接には受付けておらず、県会の意見具申を受付けの条件としている)。

1つは、障害年金支分権消滅時効の問題そのもの、今1つは、その問題に対する行服法に基づく厚生労働大臣に対する異議申立ての却下の違法である。以後、本ブログでは、前者を本題(問題@)といい、後者を入口論(問題A)という。

本題(問題@)の内容は、「障害年金の支分権消滅時効の違法な運営(遡及請求が認められた場合の遡及5年を越える遡及分の支給制限)」であり、入口論(問題A)の内容は、「上記本題に関わる厚生労働大臣への異議申立てを却下している違法な運営」である。

数は少ないが、官会法による審査請求等を受理して、審理のうえ棄却している事例もあるが、これも結論ありきの棄却であり、別の問題がある。そして、更に困ったことには、これらの経緯を経た提訴に対しても、国の答弁が、継争の途中から棄却から却下に変わってきていることである。

これでは、教示に従って、真面目に不服申立てをしてきた請求人は、途惑うし、人としての扱いを受けていないこととならないか。

これらに対する私の改善案を先に述べる。
改善案
本題

国年法第18条(厚年法第36条)1項に「ただし、年金を遡及して支給する場合は、10又は20」年間分を限度とする」を加える。
入口論
支給制限をした事案については、この問題についても教示を行い、窓口を統一して、官会法又は行服法に基づき審理を行う。

理由
本題

無制限支給の当否の問題は、消滅時効の問題ではなく、支給期間の問題であるため。(国の主張する論理は、抽象的観念操作であり、時効消滅の要件事実が存在しない)
入口論
@ 年金決定通知書への付記は、裁定と不可分一体の行為であり、これに対して不服申立て方法が一切ないという運営は法体系上あり得ないため。
A 既に国会答弁(内閣参質169第171号平成20年6月24日答弁書第171号「民法の規定に基づき、個別の事情を勘案して時効の援用を行うかどうか判断することとなる。」)において、個別具体的に判断する旨答弁されているが実体は一律に取扱われているため。

本題について、なぜこのような改正を要するか、及び改正の効果について簡記する。

国が基本権について時効の援用権を放棄している事実
本来、基本権に対する権利不行使(裁定請求遅れ)に対しては、国は時効を援用して時効消滅を主張できる立場にあった。しかし、それでは長年納付してきた保険料納付の努力に対して、余りにも酷となり、制度の趣旨にも反するので、国は、基本権については、内閣法制局参事官の意見を参考にして、昭和45年9月10日以降、裁定請求遅れに「宥恕すべき理由がある場合」には、時効の援用権を放棄する運用を始めた。

基本権に対して時効を援用されると、支分権は1カ月分も生ぜず、年金は全く受けられなくなるところ、特段の行政措置により、受給権者の救済を図った反射的効果として、支分権の無制限支給の問題が生じているので、この調整を立法の手続きを経て行うことに対しては、一定の合理性がある。

改善案について
年金法にも会計法(平成19年7月6日以前に基本権発生分に適用)にも、権利行使できないうちに、支分権を時効消滅させるなどという精神は存在しない。

年金法の準用する会計法は、「5年間これを行わないときは、時効により消滅する」と述べており、年金法は、全額支給停止されている支分権についてさえも時効進行させていない。

それを、保険者の都合により、基本権に対する権利不行使(裁定請求遅れ)を支分権に対する権利行使とみなした観念操作により支給制限している運用であり、このように国民を欺いた運用を見逃してはならない。

しかし、一方、無制限支給が適った場合、保険者の事務担当者は色々なことを考えてしまい、現在でも厳しい認定日(遡及)請求が、益々厳しくなる現実も考えられる。

従って、原則を10年又は20年遡及と定め、時効特例法に該当する場合等特段の事情のある場合等は、不服申立て又は提訴による救済の道を採れるよう改善するのがベストであると考える。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 12:29| Comment(1) | 1 障害年金