2018年06月16日

初めての補佐人許可申請の不許可体験


初めて民訴法第60条の補佐人候補として許可が下りず、7月13日(金)には、2回目期日を迎える名古屋地裁での事件では、私は、補佐人としての許可がないまま本人訴訟支援を行っている。

上記の補佐人の業務を有償で請けることは、社労士法にも弁護士法にも抵触する可能性があるので、この部分については、仮に許可が下りた場合についても委任契約上も無償(サービス)としている。

事件の内容は、下記に示すが、このように重大で、困難性の高い事件を無償で引き受けることは、年金受給者である私でも困難であり、有償で受任しているのである。

その根拠は、労働社会保険に係る指導・相談業務は社労士法第2条第1項第3号に定める「3号業務」として、有償で受任できるのと、報酬が自由に決められるところにある。

この事件の内容と経緯の概要は、前者については、地方公務員災害補償基金に対する福祉事業に係る障害等級認定に対する不服である。後者については、本人の行った審査請求が、法の定める不服申立期間を徒過しており却下され、続いて行った再審査請求についても棄却されたので、大手新聞の記事をみて、私に本人訴訟支援を依頼してきたのである。

この事件の困難性は、2つの面を持つのである。第1の問題が審査請求が行審法第14条第1項ただし書のいう「やむをえない理由」、及び同条第3項ただし書の「正当な理由」であるかどうかであり、第2の問題が、障害自体が「複合性局所疼痛症候群 RSD CRPS」という私にとっては馴染みのない障害であることである。

従って、権威ある文献等を手に入れて、傷病及び障害の状態の基礎知識から勉強を始め、受任の可否を判断したのであるが、私に引き受けてほしい旨の委任者の意思が余りにも強いので、前者の問題は、極めて狭き門であることを説明後、それでも委任を希望されていたのでお引き受けした稀有な事件である。

本日のテーマは、上記補佐人の裁判所の許可であるので、話を戻すが、私は、今までに社労士法第2条の2第1項に基づく補佐人は、簡易裁判所以外の裁判所では数件以上を経験しており、こちらは、裁判所の許可はいらないので今回の不許可については、「裁判所の許可」について用心が足らなかったと反省している。

これを最初に経験したのは、名古屋高裁であり、私が傍聴席から見守っている様子に鑑みて、裁判所の書記官から「許可するから申請書を出すよう」裁判官の意向を伝えてくれたのである。

次の経験は、東京高裁で、最初から原告名の「補佐人許可申請書」と「送達場所及び送達受取人届出書」を送付し、すんなりと認められ、担当書記官との初回期日の打ち合わせも、私のところに電話がかかってきたのである。

しかし、今回の名古屋地裁では、書記官がこの制度自体を知らなかったようで、依頼者原告のところには、「社会保険労務士」は「補佐人にはなれない」旨の電話回答であったとのことである。

民訴法60条の補佐人の概要を依頼者に伝えたところ、今度は、「補佐人候補はどういう人ですか」との質問があったようである。

従来は、同様の事例や成年後見人候補とする場合にも、私を必要とする事情を事前に書面で提出していたが、今回は、依頼者が精神の障害者ではなく、お若いころには、文学青年であった方で、しっかりした考え方を持った方なので、私はこれを怠った。

依頼者が、従来私が作っていたような書類を作れる訳はなく、依頼者は、電話帳の該当部分をFAXで送ったようだが、電話により、やんわりと断られたようである。

しかし、裁判所が電話のやり取りだけで不許可にするとは思っておらず、知りたいことがあれば、裁判所の方から直接私に質問があるだろうと、軽く考えていたので、私の油断は大いに反省の要がある。一方、東京高裁のときと同じように、最初から「補佐人許可申請書」と「送達場所及び送達受取人届出書」の両方を出しているので、後者は、補佐人の選任とは関係のない事柄であるので、連動させて、後者の問題を抹殺したこの書記官の対応には不具合がある。

申請の理由は、ほぼ前回、及び前々回と同じで、以下のものであるが、申請を許可した方が、当事者にも裁判所にも好都合であると思うのであるが、今回の名古屋地裁の判断には、理解できない点が2点ほどある。

(申請の理由)
 争点自体が、行政不服審査法、地方公務員災害補償法、民法及び一般的に広く知られていない病状の絡む難しい内容であり、原告一人では的確に対応することが困難であるため。

 本人は、かつて、弁護士委任していた訴訟事件につき、その弁護士が不得手な部分について、準備書面の一部を本件補佐人候補に作成を委任した実績があり、本人は補佐人を信頼しているため。

 障害年金支分権消滅時効の成否を争う事件において、全国各地で、訴訟が起こされているが、未だ、他に特段の事情のない事件においては、本件補佐人候補以外で勝訴の実績がないため、社会保険法に詳しい人物を補佐人としたいため。
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2018年06月02日

上告状兼上告受理申立書の提出


5月26日(土)の白内障の右目の手術の前日(左目手術の翌々日)、東京高裁第17民事部係属であった障害厚生年金支給請求控訴事件の棄却判決を受け取った。平成29年10月17日の身体(左下腿切断)の障害に係る最高裁判例(以下「今回最高裁判例」という)が出されているので結論は分かっていたが、多少の期待はしていたので、「やっぱりか」と、がっかりしたのは事実である。

第一審の東京地裁は、今回最高裁判例を適用しただけでその他のことは何の判断も示さなかったが、さすが東京高裁はそれに比べれば格段と丁寧に説示していた。

東京高裁の裁判長は、運命のいたずらか、著明判例である本村年金訴訟上告審判例(最高裁平成7年11月7日判決)にかかる平成10年3月25日付最高裁判所判例解説の主筆者である川神裕裁判長であった。

同氏が最高裁判所調査官時代に書かれた上記最高裁判所判例解説の上記事件の本件についての関係部分(939頁〜941頁)には、「社会保険関係給付の受給権が実体法上いつどのように発生するかは、その性質から当然に導き出されるものではなく、結局、立法政策により決せられるものである。」旨記され、国民年金法第16条の裁定は確認行為型の立法政策に分類されており、これは当然発生型の立法政策とは異なり、既に発生している権利に変動を及ぼすことができる旨記載されているのである。

相手方は、処分庁である国であり、裁判所も司法権を担う国であるので、判断が割れるような部分では、裁判所が国よりの判断を下すことは仕方ないこととして、三権分立を保障している我が国としては、この忖度も、裁判所が国の味方をしていることが一般国民が見て分からない範囲での事実認定や推論でなければならない。

公正であるべき裁判所が、「黒いものを白」というような強引な判決を下していては、裁判所の権威は落ちる一方で回復の可能はなってしまう。

ところが判決では、「裁定は単なる確認行為にすぎない」と、全く正反対の判断を示している。

このようなおかしなことがあっても民事訴訟法では最高裁への上告は極めて狭き門で、実質的には憲法の解釈の誤りがあること、その他憲法の違反があることを理由とするとき、又は判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること(民事訴訟法第312条)に限られている。他の理由は、通常あり得ないような制度上の違法な事実のあった場合のみであるのである。第一審が地裁から始まる行政訴訟では、実質二審制といっても過言ではない。

そのほか、上告受理申立てもできるが、これも実質的には「その他法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件」(民訴法第318条第1項)のみ受理の可能性がある。

過去の実績では受理されているのは、約3%で、そのうちの約2/3は、受理こそされたものの、開廷されていないのが現状である。

しかし、本件については、ほとんどの下級裁判所が今回最高裁判例を適用するだけという現状を考えると、これと事案の異なる精神の障害の事件について受理しないことは大きな問題を残すことになるので、最高裁に良識があればこれは受理されるはずである。

ところが、本件にかかる行政や司法の姿勢を考えた場合楽観はできず、このチャンスを逃すことはできないので、当初は上告受理申立書だけを提出する予定であったが熟慮の結果、上告状兼上告受理申立書を提出することにした。このような重要な書類が1日でも遅れたら大変なことになるので余裕を持って平成30年6月3日付書類を、一昨日書留郵便で投函済みである。

問題は、これから提出するそれぞれの理由書ということになるが、最高裁判所へは、本件では正本1部と副本7部を提出しなければならず、参考資料を含めると膨大な資料を作る必要があるが、そんなことには負けてはおれない。今後約1か月から50日ほどをかけて悔いのない主張を展開する予定である。

上記の民訴法の該当2条文に合致した的確な主張をすることは必須であるが、形式上、相手方は保険者国であるが、実質的な相手方は、正しく国である最高裁である。この点に十分に配慮して、丁寧な主張を心掛けて進める。

本件第一審を担当したお3人の受任弁護士の先生方は勿論、私が親しくしている多くの弁護士の先生も、「今回最高裁判例が出てしまった現在(裁定前でも支分権消滅時効は進行するとする部分)、下級審の裁判官に、これと反対の判決を出させることは無理である」と考えている。

従って、これを司法的に改めさせることは、最高裁大法廷において、別の判断を出していただく以外にはないのである。


追申
私の白内障の手術に関しては、多くの読者の方からご配慮やお励ましのお言葉をいただき感謝しています。

本日、術後1週間以内の3回目の受診を終わり、「異常なし、順調」、「洗顔、シャンプー使用入浴O.K」とのお墨付きをいただいた。

少し前に、「10 m ほど前のセンターラインが、左にカーブして二重に見える」、「利目でない左目の方が明瞭に見えて違和感がある」といった不具合も、本日現在回復しており極めて快適です。

本日で、混雑し、遠方の本院への通院は解放され、来週からは、空いていて、少し近距離の分院への通院の許可が出たので、目の手術の件も、これで一段落である。
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2018年05月19日

異議申立て却下に対する国家賠償法に基づく提訴について


今週の16日(水)の午後、約一時間半にわたって、受任弁護士(以下「E弁護士」という)、原告本人、そのご実父と私の4人で、E弁護士の作成した上記訴状の素案について、基本方針と具体的な進め方について打ち合わせを実施した。勿論、20件余の却下事件についての第1号案件である。

この訴訟に勝つためには、異議申立ての却下が違法であることと、本題の消滅時効の完成の成否の問題について、原告勝訴の可能性があることが必要である。実は、この日の打ち合わせまでは、E弁護士自身が提訴の正当性について確信が持てていなかったようである。この素案が出されてから、ご実父を含めて2〜3回は面談しているのだが、具体的な進展はほとんどなかったのである。

E弁護士が確信が持てなかったのは、本題について国の法律的解釈に誤りがあるのかどうか、及び誤りがあるとした場合これを裁判所に分かるように証明するには具体的にどうすべきかであったものと思われる。今年の4月11日の名古屋高裁の判決文を読まれて、躊躇が確信に変わったものと思われる。一転、具体的な進め方について、私が予期しないほど、積極的になられたのである。

上記の判決文では「2 控訴理由に対する判断」において、以下のように説示する。
「控訴人は、精神疾患への罹患を認識すること及びそれが障害年金の受給要件に該当することを自ら認識することが困難な精神障害者にとって、自主的に裁定請求を行うことを期待することは困難である場合が多いから、控訴人には権利行使の現実的期待可能性がなくこれが法律上の障害に当たると主張する。
 この点、民法166条の「権利を行使することができる時」の解釈においては、単にその権利の行使につき法律上の障害がないというだけではなく、さらに権利の性質上、その権利行使が現実に期待できるものであることをも必要とすると解するのが相当であるところ(最高裁昭和40年(行ツ)第100号同45年7月15日大法廷判決・民集24巻7号771頁、最高裁平成4年(オ)第701号同8年3月5日第三小法廷判決・民集50巻3号383頁参照)平成19年改正後の国民年金法においても、支分権の時効については従前どおり会計法及び民法166条の規定を適用する余地はあるから、控訴人の病状が上記主張の程度に至っていたと認められる場合は、消滅時効は進行しないと解すべきである
 そこで、支分権に関する時効が完成し始める前の控訴人の病状について検討するに、まず平成25年以前については、前記認定のどおり、平成24年及び平成25年の両年ともに3、4か月間は控訴人の心身とも落ち着いた状態が続いており、少なくともこの間は控訴人の病状が上記の程度に至っていたとは認め難い。
 次に、本件不支給部分の時効期間が満了し始めた平成26年2月頃から平成27年2月頃の控訴人の病状を検討すると、前期認定事実1(3)記載の診療録によれば、うつ状態とは認められるものの、「昨日は調子がよく、仕事を延長したという。」(同年4月3日)との記載や、医師が「精神科病状自体は改善傾向」(平成26年10月15日、同年11月12日)と指摘していることが認められる。また、控訴人は、自らの判断で精神科に定期的に通院し、自己の精神疾患を認識した上で、仕事も行いつつ生活していた上、平成28年には保佐開始の審判を受けているのであるから、それ以前においても一定の判断能力は有していたものと認められる。そうすると、平成26年2月ないし平成27年2月当時、控訴人の病状の程度が、継続して裁定請求すらできない状態にあったとは認められない。したがって、控訴人は、裁定請求することにより、国民年金法の定めるところの内容に従った裁定を受けて、障害年金の支給を受けることが現実に期待できる状態になったと認められるから、控訴人の上記主張は、前提となる事実に誤りがあるというべきであって、採用できない。」

と、控訴人本人の状態を客観的に認定した上で請求を棄却したのである。

異議申立て却下の違法については、既に本ブログで公開したように、当該行政庁の違法は明らかであり、本題の支分権消滅時効の問題は、少なくとも裁判になればその請求が容認される可能性があることは上記判決により明らかとなった。

行政庁の面倒な厄介事は、入り口の段階から拒もうとする意図は明らかであり、これを放置しておくことはできない。

行審法は以下のように定める。(改正前後で多少の表現の違いはあるが、趣旨は変わっていない)

「この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民に対して広く行政庁に対する不服申し立てのみちを開くことによって、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。

厚労大臣への異議申立ての却下は、簡易迅速な手続きによる国民の権利利益の救済を図ること、及び行政の適正な運営を確保することを妨害するものであり、これは、いかなる手段を用いても許してはならないのである。

国家賠償の場合、公務員の違法については、国に当該違法行為者に対する求償権が求められているので、場合によっては、その点を含め強く追及していきたい。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 09:27| Comment(0) | 1 障害年金