2013年11月23日

再審査請求からの大逆転を期して

 またまた緊急案件が飛び込んだ。過日の東京都豊島区のS.H氏からの電話は、急な話で、本日午後から社会保険審査会の公開審理の席に出席するという。同氏から最初に電話を受けたのは、先々月の9月17日(火)のことであるので、のんびり屋の私も突然の話にびっくりした。話を聴いてみると3日前まで入院していたという。

 最初の電話相談は、幻の障害年金の朝日新聞記事【9月14日(土)】を見ての電話であったので、その関連かとメモを取っていたが、今、話を聴いてみるとそうではなさそうだ。電話のメモだけでは要領を得ないので、兎に角、今日のことは、入院の事情を詳しく話し、できれば延期を、それが無理なら、これから社労士に委任するので、書類の提出期日に余裕をくれるようお願いする旨依頼し、帰宅後関係書類を全て郵送してくれるよう念押しした。

 届いた書類と電話での確認の概要は、幻の障害年金問題とは全く関係のない問題であった。平成10年に糖尿病が原因で左足を切断(左糖尿病性下肢壊疽)しており、平成24年1月5日、事後重症で審査請求したが、却下されている。ご自分で審査請求をしたがこれも却下されており、再審査請求もご自分でされているが、保険者意見を読むと、このまま進めば、間違いなく再審査請求も却下されてしまう。

 問題は、初診日を特定できず、かかっていた病院が売却され、データが引き継がれておらず受付簿すらない状態であることだ。ご本人は、この重要事実が、本人の証言等だけでは通してもらえないことを認識していないので、社会保険審査会の公開審理でその旨述べたので、多少は斟酌してくれるものと思っている。

 そんな甘いものではないことを重々承知している私は、直ぐにT病院に電話した。事情を話して、医事課の女性にお願いしていたところ、「文面によっては、こちらの書いたものにハンコを押すだけならできるかもしれない」といってくれた。勿論、上司や院長の了解があってのことだが、かなり前向きな回答を得た。こんな大事な人を逃してはいけないと名前をお聴きしてメモしてあるが、病院自体にデータが無いということは、こちらで病院が確証を持てる程度の資料を用意する必要がある。

 書類及びご本人の話しだと、初診日は平成10年10月10日(土)の豊島区のK病院だという。しかし、色々聴いてみると、この初診日自体が怪しくなってきた。ご本人に言わせると、年金事務所の担当者T氏には、10月10日前後と話したが、色々話している内にT氏が、「それでは10月10日にしておきましょう」と言われるので、頷いたという。私が更に質問すると、段々と思い出してきたようで、その日の診断は午後であったという。出勤しようと電車の駅に向かっていたが、脚が痺れて行けそうもなく、一旦引き返して、自宅で少し休んでから車で病院に行ったとのこと。当時、その病院は、土曜日の午後も診察をしていたのかとお聴きしても記憶は定かではない。10月12日(月)は、体育の日の振替え休日と思われるが、それでは、初診日が10日でないとした場合、その前なのか後なのかを聴いても思い出せない。運の悪いことにこの方は自宅が全焼して、手掛かりとなる資料が全くない。しかも、色々な原因で記憶も時々欠けているとのこと。

 それでも色々話していると思いだすようで、実は10月10日は、自分が横浜港に停泊させているクルーザーに数人で集まることになっていた日だという。ところが、自分が体調が悪くなったので延期したという。そこまで思い出せば、10日の前か後くらいは思い出しても不思議ではないと思うが、そうは問屋が卸さない。会社の同僚、部下等とも連絡は取れず、民生委員等に証明してもらうこともできない。こうなると、公の機関で何らかのデータを探さなければならないが、当時1カ月間ほど手当をもらったというので、政管健保の担当者に照会したが、データは出てこなかった。ダメ元承知で、労災関係については、管轄労基署に、雇用保険関係については、ハローワークに照会したが結果は同じであった。

 最後の一つは、K病院以後に診察を受けた病院でのカルテの記録である。ほとんどの病院では、初診日のカルテに前歴の概要を書くので、この記録を確認することだ。この記録で、初診日が確認できれば、これを持参して、K病院で初診日証明を出してもらえる可能性がある。取り敢えず、社会保険審査会には電話して、来月中旬くらいまで、書類提出期限を設けてほしい旨依頼し、了解を得たが、この先どうなるのか、結果は、今の私には分からない。勿論、一件一件が全て真剣勝負で、あらゆる可能性は探るのだが、限界がある。

 事実としては、厚生年金の被保険者期間中に初診日があるのは、間違いないことであるが、その初診日の特定と証明ができない。ご本人は、経営者であった時期もあり、国民年金の保険料納付も時々欠けているので、例え、事後重症でも認定さえもらえればご夫婦の今後の人生は明るいものになる。先の年金事務所のT氏は、加給年金額のことだと思うが、「奥さんの分の年金も出るようになる」と話したようで、二人で裁定請求手続きに出向いたご夫婦は、「良かったね」と喜んで帰ってきたという。後で落胆させては、親切が仇となる。翼々慎重に扱ってほしいものだと、改めて責任の重さを感じる。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 22:17| Comment(0) | 1 障害年金
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