2013年10月19日

人生は65歳からがおもしろい

 これは本のタイトルである。私もそのように思っており、そうしなければならないと思っている。この本の著者は、河村幹夫氏、77歳である。1935年(昭和10年)生まれ。一橋大学を卒業後、三菱商事に入社し、長期の海外勤務を含め、36年間勤務後、多摩大学教授に転職。現在は、同大学名誉教授、昭和女子大学監事、統合リスクマネジメント研究所長である。

 まず、はじめに、65歳は人生の重要な節目と書かれている。特に、ビジネスパーソン諸氏にとっては、仕事人生から自分人生に切り替わる非常に重要な節目であることは万人が認めるところだと思う。我々社労士にとっては、老齢基礎年金の支給開始時期を見逃す訳にはいかない。私は現在仕事を持っているが、この年金の有難さは、身に染みて感じている。お蔭で、仕事もあくせくせず、私を選んでいただけたお客様には、十分喜んでいただけるだけの行き届いたサービスができている。

 共感の持てるテーマと、概要を少し紹介する。「シニアだからこそ持っている3つの武器」、「シニアの知恵の落とし穴」、「人生に欠かせない仕事と趣味の大切さ」、「未知の世界に挑戦するガッツ精神」、「投資は自分の知的財産の増加につながる」、「シニアが日本再建の鍵を握っている」、「楽しく、明るく、自分の口で、最後のご挨拶がしたい」ざっと見ただけでもこれだけのテーマに共感を覚えた。

 どのテーマに該当するかは、訪問者諸氏の想像にお任せするとして、中味に少しだけ触れる。知恵、洞察力、リスクマネジメントは、シニアの得意分野で、働き盛りの若者に負けないくらいの活躍ができる。しかし、すべからく、脇役に徹すべし。知恵=(知識・情報 + 経験)×思考。知恵は、活用してこそ意味があるもの。シニアの落とし穴:「陳腐化」。人間の根源的な欲望に基づくもの。「これは真正不確実性の世界に向っての行動」、「相当程度、陽気な楽天家であることが必要」、「冷静な分析・思考と判断に基づがないと・・・適時適切な対応はできない」。65歳は公認の高齢者、10年経つと、「後期」という冠が付く。人生100年時代、最後の20年〜30年をどう生きるか。

 今なぜ私が、楽しく充実しているか。ネクタイの嫌いな私が、自由業に転職し、多くのお客様から、「先生でなければできなかったこと」と感謝のお言葉をいただいているからだと思う。自分の経験から想像すると、この著者はおそらく、前々から志していた教育の世界に身を投じることができ、目指す博士号も取得し、ほぼ、ご自身の思ったとおりに事が進んで来たからだと想像が付く。

 著者が、「人生に欠かせない仕事と趣味の大切さ」と言ってみえるように、この2つに恵まれた人は、充実感が大きいものと思う。どちらも同じくらい大切で、どちらに偏っても良くないと感じる。恵まれるかどうかは、運もあるが、その人の努力に負うところが大きいので、継続的な積み重ねが大切だ。

 私の現在の仕事は、全く偶然の巡り合せで、ある事件がなければ、今頃は、晴耕雨読の毎日であったと思う。これは年金に係る事件であるが、私が悠々と仕事ができる一因が年金受給のお蔭であるというのは、これもまた面白い巡り合わせである。

 年金のお蔭の一例を挙げると、広範な無料相談だ。原則として、事前相談は、何度でも無料としている。相談だけの最終目的の人、特別難しい案件は別として、決まりとは離れて、遠方からの電話相談にも何度でも応じている。気になることを思い付けば、こちらからも電話する。中には、忙しいところ申し訳ないとか、電話料も必要だから、と言って、相談料の何倍もの金額を現金書留で送って来る人もいるが、私は、相談料としては受け取らない。

 一方、多くの社労士が、無料としている部分を、敢えて有料としている部分もある。それは、障害年金の裁定請求の着手金である。これには2つの理由がある。一つ目は、私は、本人又はご家族等のご支援者が出来そうな場合は、その支援を無料で行っているからだ。二つ目は、残された難しい案件には、ご本人なり、ご支援者の協力も必要で、それなりの覚悟も持って始めてほしいのと、私自身、結果を求められる仕事内容に対する責任を自覚し、その額を超えるサービスを提供するためだ。

 実際に手掛ける案件は、難しいケースが多いので、着手金はその事務費を賄うものにもならないが、工夫に工夫を重ね、精一杯実務に傾注する励みにはなっている。多くの場合、関連の事柄は勿論、人生相談の分野に入るような内容の相談も受ける。

 そして、私は、成果報酬のみの方式とすることに対するデメリットを予め掴んでいるからだ。それが何かと言うと、可能性を追求する姿勢の欠如に繋がりかねない、ということだ。私の事務所には、近くの社労士さんに「ダメだと言われた」というお客様も相談に来る。中には、法律条文の解釈を勘違いしていたり、現状認識に相違が生じるケースもある。なぜ、私が手掛けて成功するのか? 違いは、可能性の追求姿勢のみである。お断りする社労士の中には、苦労して、一銭にもならない(着手金がないから)ことをイメージしてみえる方がみえるのではないかと、要らぬ心配をしている。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 12:30| Comment(0) | 11 所感
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: