2013年05月25日

これで法治国家と言えるのか??

 私は、ある事件を契機に、公的年金の時効の一般的運用について、著しい不合理・違法を発見したのだが、これを改善する姿勢のない政府に腹を立てている。これは法治国家にあるまじき、立法以前の問題だが、この運用解釈は一刻も早く改善しなければならない。

 問題の現象は、企業と疎遠になる国民年金において多く発生している。

 違法の内容は、認定日請求による障害年金が裁定された時、最大5年分は遡及して初回払いで精算されているが、それより古い分は、消滅時効が完成しているとして、一方的に不支給とされているという内容です。

 この行為が、一般的弱者である障害者に対して、先頭を切って法を守らなければならない国の違法行為によって行われていることが大きな問題です。

 内容の概略については、社労士でない方には恐縮ですが、月刊社労士2012、9号64ページをご参照いただければ幸いです。ここでは、キーポイントだけを述べますが、支分権が具体化するのは、裁定後であり、支分権(月々の年金の請求権)の正しい消滅時効の起算日は、裁定通知書が受給権者に届いた日の翌日ですので、現在の運用が違法となります。

 以下、著しい不合理・違法について箇条書きします。
1 保険者(以下「国」という)は、基本権と、支分権を混同した取扱いをしている。
  国は、受給権者は、何時でも裁定請求できるのであるから、これが遅れた場合は、権利不行使の状態が5年を越えて継続しており、消滅時効が完成していると主張しています。しかし、一旦発生した支分権は、基本権(年金を受給できる権利)とは独立した権利ですので、基本権に影響されません。受給権者の基本権に対する権利の不行使は、支分権に接続されません。
2 実務運用では、時効の進行を過去に向って逆進させている。 
  これは、結果が同じになる簡便法であれば許されますが、考え方の根本的な誤りであり、結果は大きく異なってきます。この運用は、昭和45年9月10日付内簡発出以来、42年間以上行われています。
3 障害年金は、時効に関しては、老齢年金や遺族年金と異なる特殊性がある。
  障害年金は、多くの場合、保険事故の存在及び発生時期の判断が極めて困難です。加えて、国の指定する医師等による障害認定が必須で、裁定請求時には、受給できるのかできないのか、できるとした場合でも、幾らもらえるのかは誰にも分かりません。私は、これを「停止条件付き債権的債権」と呼んでいますが、条件が成就するまでは具体的債権は発生しないので、消滅時効が進行する筈がありません。
4 障害年金は、手続面でも、老齢年金や遺族年金とは全く違う。  
  老齢年金は国から何度も事前通知があります。遺族年金は、届け出義務があり、未支給年金の確認通知があります。それでも裁定請求しないのは、支分権に対する権利不行使があったとみなされても仕方のない面があります。しかし、障害年金では、国が保険事故を把握することも、予測することもできず、従って、受給権者に何の通知もありません。また、国は、受給に関する積極的な広報活動もしていません。
5 国の主張する支払期月は明確に誤っている。  
  国は、この初回払いの法定の支払期月を国18条3項、又は厚36条3項の原則的な支払期月だと主張していますが、これは架空の支払期月ですから、その日に支払うことも請求することもできません。従って、この場合の、法定の支払期月は、いずれも同項但書が正当です。
6 国の運用は、時効制度の趣旨に反する。  
  時効制度の趣旨は、権利を行使することができるにも拘わらず、権利行使せず時効期間が経過したときに初めて時効が完成するとするものですが、国は、支分権に対する権利行使の機会すらない内に消滅時効が完成しているとしています。これは、制度の趣旨を無視した運用です。
7 国の運用は、最高裁判例や社会保険審査会の裁決の考え方に反する。  
  裁定と支分権の発生(=消滅時効の起算点)に関する考え方は、本村年金訴訟上告審判例、及び社会保険審査会裁決(平成20年(国)第330号事件ほか2件)に見解が説示され、既に定着した考え方になっています。国はこれを無視して、この見解に反する運用をしています。
8 裁定請求の遅れた理由に本人の落度はない。  
  一定の精神障害等の場合、本人も周りの者も病気、又は障害と思っていない場合が多く、そのような者が、国の思っているような期間に、裁定請求できる訳がありません。

  以上の内容から、私は、これらの不支給部分は、本来国が自主的に返還すべき債務であると考えています。しかし、どこまでの人に返済するのか、返還に値しないケースがあるのではないか等難しい問題があります。これらの対処策が決まるまでは、国に奪還請求をするより仕方ないのです。現在、私は、先ずご本人から日本年金機構に対して内容証明による催告書を出してもらい、これに対する拒否回答(行政処分)に対して、審査請求する方法を採っています。行き成り社会保険審査官に、遅れた理由を疎明して審査請求する方法もありますが、これを否定され却下された場合は、請求理由がなくなってしまいます。社会保険審査官、及び社会保険審査会には、当面の措置として、遅れた理由の疎明に対して、不合理な却下をしないよう意識統一をしていただきたく期待しています。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 08:13| Comment(0) | 13 社会・仕組み
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