2012年07月08日

社労士の上手な利用法 相談・指導業務の有効活用

 中小企業の経営者の多くの方は、「社労士は手続屋」、と思ってみえるようです。この見方は、社労士事務所から見た場合、ある意味正解です。手続業務からの収入が過半を占める事務所も多くあります。しかし、利用者側、すなわち会社側等から見た場合の社労士の利用法としては、有力な支援者を自ら遠ざけている側面があります。

 これを会社側から見た場合、相談・指導業務でうまく利用しない手はない筈です。社内の人間では発見できない部分を発見してもらい、専門家として、経営に有益なアドバイスを出させるのです。これは色々な側面があり、社労士によって個人差の出る部分ですが、私はこの点についてこそ社労士の遣り甲斐を感じています。

 社労士と顧問契約を結んでいる場合、毎月とか隔月とか、顧問先の希望に沿って定期訪問を契約の内容に含む場合が多いのですが、この訪問は、本社・事務所ばかりではなく、現場にも出向いてもらうのが有効です。現場を見てもらうことは非常に大切なことです。不安全な環境や作業方法、非能率、不適切対応等が繰り返されていては、会社の将来の発展は望めません。本来業務で、収入を得られるのは現場からしかありません。その意味では、本社・事務所は経費を生み出すのみです。

 この最重要な現場を社労士に見せない手はないのです。社労士が現場に行けば、当然ただ見るだけではなく、従業員とも会話をすることになります。そこには色々な副次的効果の発見機会があり、早期発見・早期解決の対策ができたり、実は、ある従業員が業務に専念できない原因が、家族に対する大きな不安であったり、通常では発見不可能なことが発見できたりすることもあります。

 また、社労士には、傍目八目効果の発揮も期待できます。会社の組織は、一旦決まったことに対しては、従業員が一致協力して一丸となって、ベクトルを合わせて邁進することが大切ですが、経営方針やその進め方の工夫については、多面的に検討することが重要です。特に後者の手法については色々な方法があります。この選択の過程で、ワンマン経営者に一言も言えなかったり、イエスマンの集合で決めたりするのは、非常にもったいないことです。基本的な考え方一つで180°好転することは良くあることです。

 私は、開業以来約9カ月で、地元の状況をよく把握している訳ではありませんが、当市でも、結構名古屋や他の市町村の事務所と顧問契約を結んでみえる会社があるようです。この場合も、十分なサービスを受けてみえれば問題ないのですが、私は、一般的には疑問を持ちます。

 開業社労士の数は、税理士と比べれば、絶対数は半数以下で少ないのですが、現在多くで行われている業務内容から考えた場合は、決して少ないとは言えないと思っています。例えば、同じ商工会議所の会員同士でありながら、お互いの存在や内容を知らず、近くの、優秀で、サービスの良好な事務所を選べずにいるミスマッチが多いのです。少し話が具体的過ぎますが、地元商工会議所が本当に地元の発展に貢献するためには、相互の紹介の場くらいは、提供すべきものと私は考えています。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 13:27| Comment(0) | 5 広報
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