先生は、変わった経歴で、裁判官を10年ほど勤め、一念発起して弁護士業を始められた方です。裁判官は、10年経過後は、待遇が際立って良くなるそうですが、それを捨ててまで弁護士業を始められた訳です。そういう意味では異色の先生です。所属の弁護士事務所の先生も、変わった経歴の持ち主で、多分、電電公社の前身である逓信省の頃?の幹部候補練習所(幹練)卒の叩き上げ弁護士です。その事務所でイソ弁をしてみえた先生と、事務所の先生がお亡くなりになってから顧問契約を結び、NTTとは今でもその関係が続いている先生です。当時のNTT東海支社(今は、東海4県下を統括する組織はない)は、それぞれ特徴のある3事務所と顧問契約を結んでいましたが、先生は、東京大学の法学部を卒業された秀才です。秀才だけでなく、在学中に大きな旅行をして、大学に1年余分にいた等のお話をされる豪傑です。
当時の私の部下たちは、法律相談にお邪魔するのに、この先生の事務所に行くのを嫌がって、勢い、私がお邪魔することが多かった事情があり、法務キャラバンの宴席とか、先生に著作権に関する講演をお願いした時の資料作成の打ち合せ等、先生とは色々な楽しい思い出があります。学研肌の先生は、多分法務担当の社員の育成を兼ねてだと思いますが、厳しい逆質問をされるので、法務担当の社員からは敬遠されていました。私は、その質問のあることを楽しみにお邪魔していたのですが、今考えると、これは私を鍛えてくれました。
10分ほど!?の電話の中で、例の障害年金支分権の消滅時効の話をさせていただいたところ、法律家として興味を持っていただき、停止条件付き債権であることに気付いただけでも大したものだと褒めていただきました。忙しい先生ですが、また、先生の空き時間に事務所にお邪魔させていただきたい旨話したところ、「いつでも時間は開ける」、との光栄な応対を受け、強い味方を得たように感じました。先生にも、障害者等、困っている人たちは多いので、支援していただきたい旨お願いして電話を切らせていただきました。久方振りに、心の浮き浮きする時間でした。
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