2022年02月05日

国会図書館の2回目の利用


平成20年11月28日裁決に、老齢年金の場合においても、裁定前に支分権は発生していない(行使はできない)旨の裁決があり、これを論文作成や裁判に活用したく、東京のお客様に国会図書館に行っていただいた。

その前には、念のため、この裁決が、裁決例による社会保険法 加茂紀久男 の第一版又は第二版に載っていないかを図書館からこの2冊を借りてきて確認したのであるが、掲載はなかった。

裁決集に載っているかどうかも分からなかったが、二人の意見は、たぶん載っているだろうというもので、幸い当たっていた。

この内容については、2009年4月号の「月刊社会保険労務士」に関連記事があり、承知していたのであるが、書証として提出するには、一般的には、裁決例の方が適当と思われる。

これにより、何を証明したかったかといえば、原文を借りれば、
@「裁定を経る前の受給権なるものは、実体的な権利であるというものの、実質においては裁定請求権に近い、現実的な実効性の希薄なものであること」、

A「実効性の希薄な年金受給権について、裁定を経ない状態のままで、法令上の本文が規定する各支給期月の到来により個々の支分権まで発生するとするのは、事柄の実態から乖離した観念操作の嫌いがあること」、及び

B「支給の繰下げの可能な老齢基礎年金について考察した場合、現実に裁定請求があるまでは、支分権が発生するかどうかも、その内容も確定しないこととなるが、裁定前に受給権が発生しているとする例外を認めることは、甚だしく一貫性を欠いた法制度を認める結果になるものであり、それよりも、常に裁定があって初めて支分権が発生すると解する方が勝っていること」
である。

A においては、国の運用は、観念操作の嫌いがあるとまでいわれているのだが、これは、立場上、相当に遠慮した表現であると思われる。

この掲載情報を調べるため、厚生労働省保険局総務課社会保険調整室に電話した。この事件の事件番号は、平成20年(国)第330号である。担当者にこの事件が裁決事例集に載っているかどうかを尋ねても回答できないのである。

載っているのは、認容裁決を中心にごく一部である旨をいうのみで、聞きたいことは情報提供してもらえない。それくらいのことは、言われなくとも分かっているが、更に質問すると、国会図書館を案内するのみである。

以前も同じようなことがあり、国会図書館を利用するのは、今回で2回目になるが、今回の努力は、具体的な大きな成果に繋がるかもしれない。

裁定前に支分権が発生していなければ、消滅時効は当然に進行することはない。

国は、このような小学校低学年の児童でさえ分かるような事柄に対して、何時までも抵抗を続けるのであろうか。

高裁や最高裁までが、屁理屈を恥かしいとも思わず続けているのであるから、瀬木比呂志教授(絶望の裁判所、及びニッポンの裁判等の著者)に、行政訴訟に対して真面な判断のできる裁判官はごく少ない旨の批判を受けることとなるのである。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 10:38| Comment(0) | 13 社会・仕組み
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