2020年04月25日
長年勝てなかった真の原因は何か
勿論、いつものように、障害年金支分権消滅時効事件の訴訟ことである。
未だ、特段の事情のある事件を除けば、2勝目を手に入れているわけではないが、現在、4件の事件について、私の新しい主張に対して 被告側は反論できなくなってきている。この状態でなおかつ被告を勝たせることは裁判所としては弁解の余地がない暴挙を侵すこととなるので、今のところそれは考えられない。
ところが、ここまで持ってくるのに約8年間もかかってしまった。今ここで反省を含め勝訴材料と書面化について一考する。
被告が反論できないような状態に追い込だ 最大の材料は、民法第166条1項の被告の解釈誤りを発見したことである。しかも、今回の原告の主張は、被告も多用している権威ある文献を書証としているので、被告は手も足も出ないのである。
東京地裁の事件では、まだ反論するといっているが、津地裁、名古屋地裁岡崎支部、及び金沢地裁の事件では正対する反論が全くできていないのである。
正対する反論ができないので、多くの勝訴判決、会計法の誤適用、及び年金時効特例法との整合性を主張するしか方法がないのであるが、これらは本質論とは関係しない事柄であるので、原告は、念のため、本件とは直接関係しない事項である旨を説明している。
東京地裁では、なお、反論するといっているので、楽しみにしているが、当方からは、その前に、釈明を拒んでいる3つの事項に関して、被告に対して、裁判長に行政事件訴訟法第23条の2のよる「釈明処分の特例」の規定の適用を申出る予定である。
民法第166条1項の「権利を行使することができる時」の解釈誤りについては、平成の時代までは、私を含め関係した専門家(弁護士及び社労士)が、被告の解釈が誤っていることを指摘できなかったのであるから深く反省しなければならない。
答えが分かってしまえば、ごく単純明快なことであるが、それが、専門家中の専門家(超有名で優秀な弁護士)でさえ、未だ気付いておらず、8年間も分からなかったのである。
このことについては、今まで関係した多くの弁護士の先生方にも反省を促したい。気付きに対してではなく、協調の姿勢のなかったことに対してである。
協調どころか、今まで関係のなかった弁護士事務所では、資料提供時に約束したことまで守られなかった。多くの資料請求要請があり、その時は、協力する旨及び少なくとも結果報告はする旨の約束であったが、全ての事務所が それさえ果たさなかったという現実がある。
私に言わせれば、今までこの問題について正面から勝ったことのある人間は、私一人であるのだから、この問題をもっと真剣に研究して対処すべき姿勢が必要であったものと思われるが、にわか社労士に相談するなど弁護士の沽券に関わるとでも思っていたのか、そのような姿勢はこれらの事務所には全く見られなかった。
答えの出ていない問題だからこそ、関係すると思われるあらゆる側面から議論を尽くす必要があったのであるが、そのような姿勢は皆無であったのである。
これでは、人も資料も金も時間もふんだんにある国に対して勝てるわけがなかったのである。
次に、既に主張はしていたのであるが、裁判官に分かってもらえなかったという問題について述べる。
障害年金の支分権が、裁定前に発生し時効消滅することなど、およそ考えられないことであるが、それが司法の世界では、最高裁においてまで認められていたのである。
このことについては、裁定が法定条件であり、法の定める正しい支払期日は国年法18(厚年法 36条)条3項但し書であるので、これら条件未成就又は期限未到来の時効進行上の法律上の障害に当たる旨を既に主張していたが裁判所の理解を得られていなかったのである。これらについては、書面化の工夫が足らなかったのではないかと反省している。
被告も巧妙で、例えば、支分権と基本権の独立についても、認めているようないな、いような曖昧な表現で通しており、これを裁判所がどこまで認めていたかの確認も手薄であった。
しかし、これについては、この件については 「当事者双方に争いがない」旨をはっきり書いてしまえば、裁判所は手の出しようがないのである。
これらの対処により、私は、既に次の手を思案中である。新しい判決が出たり、制度自体が変わった場合は、民事においても再審理由となるのだが、少なくとも、私が受任した27件の事件については、一括して示談をさせる方法である。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 15:44| Comment(1)
| 1 障害年金
・第1、最初の決定の裁定の直後に到来する偶数月たる「支払期月」の末日(法18条3項本文)
・第2、最初の裁定を変更して追加支給が生じた場合の決定の裁定による支払期月でない実際の支払日(法18条3項但書)
です。