今年の1月22日(火)10:40〜10:50くらいの間約10分間、標記窓口の担当者に、障害年金支分権消滅時効問題の違法性について電話で意見を聴いてもらった。これは統計数値としては反映されるかもしれないが、聞きっぱなしで、何の反応もなく、どのように扱われたのかを調べてもさっぱり分からない。
厚生労働省のホームページによると、「国民参加の場」としては、以下の4つの方法がある。
・パブリックコメント(意見公募)
・「国民の皆様の声」募集
・公聴会・意見交換会への参加
・厚生労働行政モニター
いずれも目的や活動が限られたり、制約が多く、私の目指すところには程遠い。かつての「年金業務監視委員会」のような実効性のある道は開かれていない。
しかし、標記に係る案内文を読んでみると、「意見・要望」には、原則として回答しないが、「質問」には、「原則として、メールアドレス宛に回答する」とある。
「原則として」だから、回答がないかもしれないが、もし回答があれば、訴訟等では、この回答を書証として提出し、攻め易くなるので、取り敢えず2つの質問を送信した。
本日は、その内の1つについて公開する。
「
既依頼事項の進捗状況について
障害年金の認定日請求が認められた場合の遡及5年間分の支給制限につき違法や不合理な運用カ所を指摘させていただき、当時の担当課長様である高橋和久年金局事業管理課長様に、改善依頼をさせていただいた件について、下記で記載するように本件に関しては我が国屈指の識者であられる加茂紀久男氏が懸念しているほどに重要な事項ですので、改善の進捗状況をお聞きします。
先ずは、この問題が重要事項であることと問題点の要点について、加茂氏の著書を引用して簡潔に説明させていただきます。
裁判官としての経験も豊富で、裁決例による社会保険法 [第2版] ―国民年金・厚生年金保険・健康保険―民事法研究会 平成23年12月1日 の著者 加茂紀久男氏は、同書の中で、「裁定の法律的性質は確認処分であると解されているにせよ、受給権の行使には必ず裁定を経なければならないとされており、裁定前に支分権を行使することなどおよそあり得ないところからみれば、裁定がないうちに年金の支分権の時効期間が進行を開始するとは考えられない。」(101頁6行目〜同頁9行目)とされ、現在の運用が法律的解釈としては成り立ち得ないことを指摘されています。
更に、「前記一般的措置の結果、給付の範囲の点以外では、年金受給権に関しては、消滅時効の規定は存在しないも同然になり、この結果、半世紀以上も前の受給権の発生要件たる事実の存否が行政不服審査で争われるといった事態が生じている。このような事態を放置してよいものかどうか問題であろう。」(101頁下から51行目〜同頁下から1行目)」と、遠慮した表現ではあるが、問題提起もされています。
これは明らかに、不服申し立てをしている側を非難しているものではなく、政府に、きちっとした法整備を求めたものです。
私も、妻の事件をきっかけに、障害年金の支分権消滅時効の運用には色々な不合理や法に抵触する部分があることを知り、当局に改善策を真剣に考えていただきたく、平成27年3月10日付け依頼文書では、当時の高橋和久事業管理課長様に「消滅時効問題の早期対処の依頼について」において、違法や不合理になっている部分を指摘の上、この文書の末尾において、「貴庁には、優秀な人材が豊富にいるのですから、私は、関係者が一堂に会して、忌憚のない議論をすれば、採るべき道は明らかになるものと信じています。」と提言し、早急な善処策の実施をお願いしているところです。
ところが、後任の巽慎一事業管理課長様を含め回答がありません。これは難しい問題ですが、国民の誰もが関係する年金制度の根幹に係る重要な事ですので、進捗状況について質問させていただきました。
この質問も、既に依頼済みの依頼状の内容が、「意見、要望」に該当するので回答できないということであれば、改めて、加茂氏でさえ、懸念してみえるこのような問題について、当局として改善の必要性をお考えであるかどうかについて回答をお願い申し上げます。
」