2018年09月29日
セクハラ・パワハラ事件のライン情報復元による立証方針の決定
セクハラ・パワハラのあっせん事件の進捗等について、既に2度ほどこのブログでも報告をしているが、当方には、その事実の存在そのものについて直接的に証明できる証拠が未だ整っていない。セクハラ・パワハラについては元々証明し辛い性質のものであり、パワハラについては、現職の上司であった者や同僚であった者は、直接的な加害者の行為は、指導・育成の程度であったと被申立人の言い分を認めているようである。
既に退職した者には、証言をしてくれたり、陳述書等を書いてくれそうな候補が複数いるのであるが、被申立人は、それらの人たちの住所等についても、個人情報を理由に教えてくれない。そして、これは以前と同じ状況であるが、一番情報の詰まっているはずの被申立人所有のパソコンは、廃棄したというのである。
別の面では、パワハラに関して、直接の加害者が、「やり直せ!」、「明日中にやれ」、及び「帰るな!」と指示した事実自体は認めているが、申立人側が問題にしている、トイレにも行けない状況、及び昼食を摂る時間もないほどの環境つくりについっては、「昼食の時間に電話をしたことは1、2度はある。」と回数を最小限にして認めている。
本来、トイレにも生かせない、昼食も摂れない状況は、回数にかかわらずパワハラそのものであり、これは、お昼の時間帯での電話が多かったことから考えると、1、2度のこととは推認されない。これは、いわば、被申立人の自白であると思われるが、被申立人が、セクハラ・パワハラ行為自体の存在について「その行為を認めるべき関係社員の証言、及び証拠が存在しない」といっている以上、それらの行為と災害との相当因果関係を立証するには、ラインの復元情報が必要不可欠である。
故障したスマホの端末から、当時の情報を復元するには、相当の手間暇と費用が必要である。色々調べてみると、現在では、そのような作業を業として請負い、実際に復元して、裁判等に役立てている実績がある業者が存在し、一定の料金体系も確立させている。
テキストデータだけを依頼した場合、約10万円、手法の説明、証明書等まで付けていただくと約30万円である。勿論、これは最安値提案の価格である。
前記の「1、2度はある。」は、自白ではあるが、これだけでは、当方の立証には結び付かないので、10万円コースを選び復元依頼した。この業者の料金の決め方は、万一、復元できなかった場合は、無料である。
別の観点に立つこととなるが、被申立人は、「申立人がセクハラ・パワハラにより休業し、重度のうつ病になったこと」、という厳然たる事実自体を認めていないので、あっせん委員も、労契法第5条の定める「安全配慮義務」についても、被申立人には、立証責任がないと考えているようである。
しかし、現時点、上記の自白は、回数にかかわらずあってはならないことで、申立人の精神的圧迫の強度も強かったはずである。ここで、あっせん委員が、この自白を重視せず、被申立人に、労契法上の安全配慮義務(第5条)について、被申立人には、立証責任がないと考えているようであれば、それは、法律解釈の誤りであると私は考える。
なぜなら、労契法上の安全配慮義務違反は、債務被履行違反であり、その債務を尽くした立証責任は、被申立人である債務者が負っているからである。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 13:33| Comment(0)
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