2018年09月22日

社会保険担当窓口の驚かされる無責任な実態


昨日の相談者は、一昨日、当市の商工会議所のA支所の労災担当を訪ね、事故日平成30年1月29日、初診日平成30年2月9日の業務中の骨折について、休業補償給付を申請に行ったところ、「差し替えができないから申請できない」と受付けを拒否されたとのこと。

この方は、建築現場で働く一人親方であるが、「差し替えができないから申請できない」が何を意味するのか不明であるが、商工会議所が言うのであれば、結論は間違いないであろうと悩んでみえた。症状が落ち着いて、速やかに申請に行ったのに、「既に申請期限が切れている」と言われては、何のために保険に入っているのか分からなくなるし、それでは、「いつまでに申請すれば良いのだ」と、怒ってみえる。

治療が済んでからでないと状況も分からないし、疑問はあったが、商工会議所の担当者からいわれれば、それが本当のこととしか思えず、一昨日の申請日は夜も眠れなかったと言われる。

労災保険自体の申請期限を考えても、仮に2年時効の給付の時効自体を考えても商工会議所の担当者の発言は意味が分からない。

あれこれ、憶測をしていても、埒が明かないので、私が、身分を名乗って、直接その担当者に電話で確認してみたところ、確たる信念があるわけではなく、既に健康保険でご本人が医療費の支払を済ませているから、「その差し替え」ができないのではないかと思っただけとの回答である。

勿論、労災が認められれば、健康保険の清算も生じようが、この相談者が、一番の目的としていたのは、休業補償給付である。事故日から今年の6月中旬頃までは働けていないので、少なくとも、5カ月弱は対象となる期間があるはずである。

どこの世界でも色々な担当者がおり、サービスのバラツキはある程度仕方ないことであるが、必要最小限のレベルは確保していただかないと、顧客への悪影響が大き過ぎる。我々は、そのスキルや配慮の不均一から免れることはできないが、相手の身になって考えていない点で余りの無責任に開いた口が塞がらない。

この担当者は、わざわざ来訪された顧客の希望や目的について確認していない。ご自分の思い付きで、相手の話も聞かずに、先走って勝手に判断しているのである。

同じようなケースで、酷い目に遭っている方を私は幾人も知っている。ご息女が、母の無念を晴らしたいと、弁護士を立てて最高裁まで争っても、証明の問題で請求を棄却され続けた方もおみえである。

遺族年金の申請を、窓口担当者の無理な資料要請(当時の医師による死亡診断書、及び約20年前の、当時の近隣住民等による同一世帯であったことを証明できる資料)のため一時は諦めた方の場合、その金額も半端ではない。障害年金の遡及請求を遡及請求という制度の説明(しかも、病名から当然に遡及請求を考慮する必要のあるケース)もなく事後重症とされた方も多い。

日本年金機構では、平成25年頃から相談者に「説明事項のご確認」を、年月日、及び宛先を明記して渡すようになってきており、一般民間保険会社では、保険事故発生時の支給事務を一番大事にしている旨をPRして、実際にそのように行動している会社も存在する。

お役所仕事といってしまえば、それまでだが、中には、素晴らしい気配りをしてお客様から感謝されている担当者もみえるのだから、一部の人の不具合は残念というほかない。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 10:55| Comment(1) | 13 社会・仕組み
この記事へのコメント
【”障害年金請求事件 / 第三小法廷 H29.10.17第44号判決 ”は重大な引用誤りを犯している】

 先生のご活動のご参考になるかも知れませんので、この場をお借りして述べさせていただきます。

 上記第44号判決では、老齢年金支給請求事件(平成3年(行ツ)第212号 同7年11月7日第三小法廷判決を引用したうえ、
「したがって,上記支分権の消滅時効は,当該障害年金に係る裁定を受ける前であっても,厚生年金保険法36条所定の支払期が到来した時から進行するものと解するのが相当である。」
としています。

 しかし、44号裁判におけるこの引用と判決の要旨がチグハグであることは、大方がおかしいと感じておられることと思います。

 私はその原因が次によるものであり、裁判官がこれを見逃しているところからきているものとみております。

 即ち、212号判決では、(改行は私が施す)(http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/054/057054_hanrei.pdf 2頁5行目〜)
 まず、
「自己が所定の遺族に当たるとしてその権利を行使するためには、社会保険庁長官(現在では、厚生労働大臣)に対する請求をし、同長官の支給の決定を受けることが必要であると解するのが相当である。
 同法一六条は、給付を受ける権利は、受給権者の請求に基づき社会保険庁長官が裁定するものとしているが、これは、画一公平な処理により無用の紛争を防止し、給付の法的確実性を担保するため、その権利の発生要件の存否や金額等につき同長官が公権的に確認するのが相当であるとの見地から、基本権たる受給権について、同長官による裁定を受けて初めて年金の支給が可能となる旨を明らかにしたものである。」
としています。

 このことを更に確定的に述べているのが、続く次の判旨であり、見逃しの箇所です。即ち、
 「同法一九条一項により遺族が取得するのは支分権たる請求権ではあるが、(中略)、右一九条一項にいう請求は裁定の請求に準じて社会保険庁長官に対してすべきものであり((括弧内略))、これに対して同長官が応答することが予定されているものと解される。(中略)。」
として、支分権だけであっても、改めて裁定請求をする必要があるとしています。

 更に続けて、
 「したがって、社会保険庁長官による未支給年金の支給決定を受けるまでは、(中略)請求権を確定的に取得したということはできず、同長官に対する支給請求とこれに対する処分を経ないで訴訟上未支給年金を請求することはできないものといわなければならない。」
として、たとえ支分権だけであっても、裁定請求を経なければ、年金請求権を取得したことにはならないとしています。
 ここのところが、212号判決と44号判決とで対立するとろろとなり、44号では引用にあたいしないこととなることに注目する必要があります。

 以上の212号の判旨からすれば、44号判示のような、
「裁定を受ける前であっても,厚生年金保険法36条所定の支払期が到来した時から進行するものと解するのが相当である。」
とすることは出来ません。

 つまり、44号小法廷判決では、上記の212号判決を誤って、又は、意図して誤用していることになるからです。
 法曹界に席を置く者が正しく引用すれば、
「裁定請求を受けてする厚生労働大臣の裁定を経て初めて付与される」
とせざるをえません。

 44号判決は、消滅時効の規程の解釈の違いというもではありません。悪質な誤判であり、裁判官資質を問うべき事件であると考えらります。

 ちなみに、年金債権と同質の受信料債権につきまして、最高裁判所平成26年(オ)第1130号,平成26年(受)第1440  号,第1441号 受信契約締結承諾等請求事件の裁判では、極めてまともな判旨がされているものみられます。
Posted by hi-szk at 2018年10月03日 09:36
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