2017年03月11日
障害年金消滅時効問題の潜在需要は計り知れない
過日、神奈川県平塚市のS様から電話を頂いた。障害年金の遡及支給分の国の運用にどうにも納得がいかないと言われる。そこまではっきりと言われるのだから、勿論、受給権者ご本人ではない。ご本人は奥様で、色々な事情があったことと思われるが、何とかしたいと、地元の有名な衆議院議員に相談したり、地元の弁護事務所に相談したそうだが、これが理不尽との思いを理解していただくことはできなかったようである。
その後、私のブログや新聞記事を目にして、名古屋高裁の判決文を読まれて納得されたとのことで、私の事務所を訪問したいとの申し出を受けた。概要をお聴きすると、平成17年の裁定通知であるので、残念ながら、この場合、私の考え方によっても特別な行動を起している事実のない場合は、消滅時効が完成していることになることをご説明した。
従って、ご自分の利益は、ここでほぼ断ち切れになったのだが、それでもなお、私の事務所に来たいと言われる。この方は、まだお勤めのようで、今月30日(木)が休みだから、私の予定を空けてほしいと言われるのである。
電話では、余り長くはお話しできなかったので、来られる目的は不明である。なおかつ何か方法はないかを確認するためか、この運用は許されることではないのでなんとか改善したいのか等、今のところ全く分からない。
いずれにしても私にお断りする理由はないので、来訪をお待ちすることにした。
問題は、弁護士事務所でもこの運用の違法に気付かないことである。以前別件で、同じく相談に行った法律事務所に難色を示されたのだが、進めるとしたら私と一緒に進めたいとの代替案を示されたお客様もみえたが、今回は、結果、断ち切れとなったようである。
受給権者は、初めて裁定請求に行って、「実は、5年遡及以前分は時効消滅しています」といわれるのだから、少し道理を重んじる人であれば、おかしいと思うのが当たり前であると私は感じる。
従って、私より前に、抗議活動を続けてみえた方には、共感を覚えるし、最大限の応援をしたくなる。そのようにお考えの方は、幾人もおみえで、その代表格が、昨年12月27日東京地裁お試し提訴の第1号の方である。
この方は、考えられる先には、不合理・理不尽である旨を、手紙、FAX、電話等で諦めることなく長年続けられており、ある日私の朝日新聞の記事「私の視点」を見付けられたのである。
世の中色々で、数百万円の請求や時効中断よりも、秘密の方が大事であると判断しておみえのご家族やご本人もいる。従って、私は、無差別に今の運用を改めよとは言わない。しかし、受給を希望される方には簡単な手続で、裁定請求遅れにやむを得ない事情があると認められる場合は、迅速的確に権利救済させるべきというのが私の考え方である。
ところが、現実を見ると、ほとんどの下級裁判所が国に肩入れし、経験則や論理法則に反した判決を平気で下している。これらの判決理由を見ると、老齢年金の場合には、何とか筋が通るのだが、障害年金については、あり得ないようなとんでもない推論となっている。
受給権者本人には、難しい理屈は分からないと思われる。しかし、受給権者のほとんどの方は、働いて収入を得ることもできない経済的弱者である。それでも、大雑把な損得勘定くらいはできる人が大半で、この不合理を知れば、私も私もと潜在需要は表面化する筈である。
そうは言っても、直接普及活動自体狭き門であるので、今の私は、同業者である社労士に普及活動を拡げていただきたく模索している。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 09:06| Comment(0)
| 1 障害年金
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