2017年02月25日

尋問事項書(案)


昨年の12月17日(土)、及び12月24日(土)と連続して、名古屋地裁の判決に対して控訴審で提出予定の、私の証人としての陳述書(案)及び控訴理由書(案)を公表した。内容については、その後何回も見直して修正後に提出しているが、私が立腹しているのは、原審が裁判官の恣意的証拠選択をしたことである。

私が最も重んじて主張している最高裁判例解説及び法務省訟務局内社会保険関係訟務実務研究会の書証には一言も触れず、私の主張を棄却しているのである。

この2書証の考え方を否定しなければ、原審の判決はあり得ないのであるが、流石に、一地方裁判所が最高裁の説示を否定することもできず、触れないことにしたものと思われる。

これは、重大な違法で、通常受理されない控訴理由にもなる事柄である。私が、先ず、陳述書(案)を公表したのは、私自らを証拠申立てにより、証人にしてもらう気持ちの強いことの意思表示であった。

通常は、第1審重視主義であるので、控訴審ではこのような証拠申し出が認められないことも考えられる。しかし、原審は、裁判長の指揮権発動により2回で結審させられている。

このような状況で、重要な証拠を無視されれば、例え、認められなくてもこの意思表示は必要であったからである。例え、証人が認められなくても、提出済みの陳述書は、一書証としては活きるので、この裁判官の恣意的証拠選択と最高裁判所判例解説で説示している重要部分を無視できないまでに強調する目的がある。

証人には、被控訴人の指定代理人の一人も呼び出す予定であるので、本日は、その時に原告が尋問する内容を公表させていただいた。

もし、証人尋問が認められれば、珍しい遣り取りとなるので、マスコミの記者にも現場に来ていただくよう声をかける予定である。

尋問事項書

                       
平成29年○月○日

証人 被控訴人指定代理人 給付事業室 室長補佐 ○○ ○○

1 障害年金の裁定の運用実態について
(1) 裁定の法的性質について(甲第4号証参照)
 障害年金に係る行政処分は、客観的に受給要件を備えた時点となるのか。
 行政処分が、客観的に受給要件を備えた時点となるのは、当然発生型の行政処分ではないのか。
 行政権でも司法権でも既に存在する立法政策を変更できないのではないか。
 確認行為型の行政処分(裁定)の前の時点では、甲第13号証のいう「時効は、正当な権利者が当該権利を行使しうる状態にあることを前提として進行するもの」とは言えないのではないか。
 甲第13号証の前文は、真実を述べていると思われるが、これは形骸化しているのか。

(2) 権利の発生時期について
 国年法の障害年金には、裁定請求後にしか支給されないこととなる裁定がある(同法30条の2、及び同法30条の3)。しかし、これに該当するかしないかは、裁定があってからでないと分からないことであるので、障害年金の支分権は、全て、裁定があって初めて発生しているという取扱いをしているのではないのか。
 20歳前障害(同法第30条の4)の場合に、同法第30条と同様に、認定日による請求が認められることは是として、事後重症認定(同法第30条の2)と同様、裁定請求日の属する月の翌月からしか支給されない裁定が存在するが、これは「裁定前に支分権は発生している」という被控訴人の主張からは説明が付かないが、何を根拠としているのか。
 障害年金の請求に当っては、現在、サービス向上の一環として、「請求様式は必ず渡すよう」日本年金機構から年金事務所に指示されているが、77%の年金事務所でそれが守られていなかったという新聞報道があったようであるが、これは事実か。
 上記ウが事実とした場合、それらの人たちは、基本権もなかった人ばかりであったのか。
 基本権の存否の確認を一窓口担当者の判断でできるよう権限委譲をしているのか。
 それとも、基本権の発生は、客観的事実であるから、人の判断は介入する余地がないというのか。

(3) 請求方法
裁定前に支分権が発生しているとするならば、受給権者はどのように請求をすればよいのか。
(4) 処分変更の根拠
再審査請求等の途中で、保険者自らが「処分変更をすることがある」が、これは、どのような根拠に基づいているのか。
(5) 処分変更の実績
このような処分変更は、直近の把握年度で、概ね何件あるのか。
(6) 老齢年金の棄却例
老齢年金と障害年金の裁定で、棄却事例は何件くらいあるか。直近把握年度で、 母数も示されたい。
(7) 失権理由
被控訴人の主張によれば、既に発生している支分権が、裁定請求を行うと、その棄却により消えてしまうことになる。障害年金の受給権が、死亡以外の事由で、65歳未満で失権する規定はないので、これは、消えてしまうのではなく、裁定請求前には、全ての場合に、支分権が存在していなかったことを証明している事実ではないのか。

2 内簡について
(1) 内簡の適用範囲
従来、事後重症であった事案が、これが取消され保険者自らの処分変更で、認定日請求が認められることがあるが、その場合でも、内簡を適用して、裁定日を基準にして、遡及5年間の支払いとしているのか。
(2) 要件事実の検証
上記(1)の場合、処分変更の前日までは、保険者ですら支分権の存在を認めていなかったのであるから、その者は、甲第13号証のいう「正当な権利者」ではなかったのではないのか。
また、これを時効消滅させることは、継続5年間の権利不行使(要件事実)の存在なしに、時効消滅させていることを実証している事実ではないのか。
(3) 時効消滅の要件事実の検証
内簡の取扱いでは、時の進行を逆進させているので、継続5年間の権利不行使(要件事実)の存在を確認できないシステムとならないか。

3 支分権の権利行使可能性及び独立性について
(1) 時効消滅の法的根拠
裁定前の権利行使できない債権を時効消滅させることができる要件事実は何か。
(2) 権利の独立
基本権に対する権利不行使を、支分権に対する権利不行使とみなすことは、被控訴人が認めている両権利の独立に反しないか。

4 全般について
(1) 相違点について
以上の点で、老齢年金と障害年金の違いは明らかである。では、本案における老齢年金と障害年金の主要な相違点は何か。
(2) 支分権発生時期
障害年金請求上の初診日は、受給権者の見解と窓口担当者の見解が一致しないことがある。これは、最終的には、裁定の一環として、厚生労働大臣に決定権があるとされている。
従って、裁定請求時には、初診日及び障害認定日も決まっていないことになるので、障害年金については、全ての場合に、裁定請求前に、具体的債権が発生することは無いのではないのか。
(3)その他
矛盾した回答に対する事項
以上
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 00:00| Comment(1) | 1 障害年金
この記事へのコメント
年金の消滅時効に関する誤解説・誤用・誤判の軛(クビキ)となっていると見られる解説書があります。
次の二冊です。他にもあるかも知れません。
1冊目は、先生の用いている解説書で、先生の見解と反すると思われる問題箇所が7項目もあります。ボリュームが大きくなりますが、特にお断りがなければ、近いうちに当ブログ上で明らかにして、参考にしていただければと思います。

*”くびき”は、家畜の頸部に挟み装着し、その牽引力を後方の農耕機具や車輌に伝える役割をする木製などの用具。
========================================
1.社会保険関係訴訟の実務(平成11年5月30日 社会保険関係訴訟実務研究会・三協法規出版)
2.国民年金法[全訂社会保障関係法2](編者:有泉 亨/中野徹雄、筆者:喜多村悦史・日本評論社)
========================================
 この二冊について、実務的視点からすると誤りではないかとみられる箇所の指摘とコメントを付します。また、このような解説に至る原因はどこにあるのかを考えることも極めて重要なので、あわせてコメントします。

 より正しい運用の確保が目的であり、消滅時効を巡る多くの関係者の参考になることを願ってのことです。
Posted by hi-szk at 2017年03月02日 22:17
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: