2016年06月11日

2度目の「上告受理申立て理由書」の提出

私は、遺族年金の消滅時効問題について、同じ方から再度の補佐人の選任を受けたので、標記は、一挙には作成し辛い面があり、昨日から上告受理申立て理由書の作成準備に入った。場合によっては、上告理由書も提出する予定であるが、私が最高裁判所に対して物申すのは、これで 3事件目である。

最初は、妻の事件について、法定代理人成年後見人として、反論書及び反論書に係る補充意見書を、合計3回提出している。今回は前回と違い、上告受理申立てをするのは当方であるので、受けて立つ立場とはずい分違う。従って、最高裁が受理するのは、概ね3%と言われているほど狭き門である。

原審判決は、最高裁の判断とも相反するものであり、権利そのものが非常に重要な権利であること、及び最も遵法精神を発揮しなければならない国による違法行為が公然と行われているという大きな問題であるので、「判断しない最高裁」とならないよう理由書の内容には、工夫を凝らしているところである。

私は、NTT在職中に、企業法務を担当していたことがあるが、まだその時は、高裁が間違った判断を下すことは稀なことだと思っていた。しかし、現実を目の当たりにすると、高裁においては、 間違いの山積みであり、最高裁においてさえ、本来受理しなければならない事案を平然と受理しないでいるように思えてならない。

私がかねてから言っている「私の事件」で、最高裁の対応を代理委任した弁護士は、私のNTT 時代の顧問弁護士事務所の中の一事務所で、勿論、この先生は、NTT担当者であった。 この先生は、東大法学部をご卒業の優秀な方で、10年間裁判官も務めてみえた方である。

事件解決後、この先生が言われた言葉が忘れられない。この先生には、最高裁に対して2通の意見書を提出していただいたのだが、「この文書が、間違った判断が下されないように、 少しは役立ったと思う」との一言である。

私は、必然的に、先生の10年間の裁判官生活での経験を想像した。数多くの色々な事件を責任ある裁判官として担当され、一方、直接担当されないまでも、数多くの色々な実際の事件を見てこられたと思う。 これらの多くの事件の中には、昔を振り返れば、間違った判断が下された事件もそれなりにあったものと推測する。現在の私は、瀬木比呂志先生の「ニッポンの裁判」等を読んでいるので、裁判所の誤判断は、当然あるものと思っているが、この先生の一言を聞くまでは、そんなことはほとんどないものと思っていたのである。

ちなみに、私が法定代理人成年後見人として現在係争中の神戸の事件では、被告は7つの高裁判決を引用して、「本件支分権は、既に、時効消滅している」と主張している。

これらの判決理由は、当然のことながら、基本権に対する権利不行使を支分権に対する権利不行使と混同させているものであるが、この主張が許されるのは、既に何度も述べているように、老齢年金の場合のみの筈である。提出された判決例の中には、通算老齢年金の事例が一つあるので、この場合は、私も、この判決理由は違法とは思っていないが、本件は遺族年金であるので、これが当て嵌まる筈がない。

裁定の法的性質から「裁定前には支分権は発生しておらず、従って、裁定前には、継続5年間の権利不行使はない」という主張を、正論とすれば(本件は、支分権の消滅時効の問題であるので、当然のことながら、支分権についての消滅時効の存否の議論が正論である)、幾つかの前提条件となる仮定を立て、その前提条件が成就されない内に次の推論へと進めている、「裁定請求さえすれば、当然に直ちに支分権に結びつき、現実に権利行使できる」という国の主張は、邪論、邪説とは言わないまでも、ある一定の場合(老齢年金の一般的な事例の場合)にのみに許される曲論である。

正論では、「年金の支分権は裁定があって初めて受給権が発生する」という立法政策に従っているので、この裁定には一定の範囲内の裁量権があり、既に存在する権利に変動を及ぼすことができる行政処分ということになる。ところが、曲論を主張する国は、裁定には、裁量権はなく、単なる確認行為にすぎないと嘯く。これが誤っていることは、後述する保険者自らの「処分変更」が合法的に行われている現実からも明らかである。

また、本論とは直接関係しない部分でも、これが高裁判断かとびっくりするような判決理由が述べられている。平成27年11月18日の福岡高裁宮崎支部の判決では「年金支給の基礎となる障害の有無やその状態それ自体は受給権者が最もよく知り得る事実であることにも鑑みると」と述べているが、これは、平成27年7月8日の東京高裁で喉頭がんの障害のある控訴人の場合に判決理由とされた表現であり、病識もなかった精神障害者にいえることではないのだが、カンニングされた答案用紙の回答のような判決理由が現実のものとなっている。

今一つ例を挙げる。これは地裁の例であるが、平成27年4月27日の宮崎地裁では、「国民年金法施行規則第31条2項4号では、障害基礎年金の裁定請求時に障害の状態に関する診断書を添付しなければならないと規定しているから、裁定請求時に年金を受給できるか否かやその等級が不明であるとは言えず、障害基礎年金と他の年金との間に差異はない」と判示している。

このような表現を見る限り、真面目な裁判官は、国が主張するように、裁定請求をすれば100%支分権に結びつくと、本気でそのように思っているのかもしれないが、余りにも無知というか、机上の空論というか、これが裁判所の判断と思えないような表現に、私は空いた口が塞がらない。障害認定日現象と請求日現象が同じ内容の診断書でも事後重症認定とされており、再審査請求の途中で保険者自らが処分変更をしてくることがあるのだから宮崎地裁の誤りの理由を詳述する必要はないが、このような重要な取扱いについて、最も遵法精神を発揮しなければならない筈の国が違法行為を公然としているのだから、最高裁も黙って見ていて良い筈がない。

本来、このようなことで多くの裁判が提起されていること自体が異常であるのだから、最高裁もいよいよ重い腰を上げなければならない。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 14:19| Comment(0) | 1 障害年金
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