2015年08月08日

月刊みんなねっとの力

月刊みんなねっとの8月号掲載記事 トピックス「障害年金 私の体験 その1 障害年金がさかのぼって5年しか支給されないのは誤った運用という問題について」に関する相談者 の第1号は、四国の愛媛県宇和島市の方だった。お母さんの事件だと思われるが、まだ確認してない。メールは勉強中とのことで、ワープロ投入によるFAXでの相談であった。

勿論、消滅時効問題についての相談であるが、初診日:平成3年10月22日、障害認定日:平成5年4月 23日との記載がありながら、裁定請求日:平成23年5月11日、受給権取得年月:平成23年5月 4日とある。この表記、受給権取得年月の記載が正ければ、それから5年は経過していないので、未支給年金はない筈である。

しかし、そのように考えると矛盾するカ所もある。年金決定通知書には『「年金時効特例法」に該当する場合を除き、平成18年3月以前の年金は、消滅時効によりお支払はありません。』との記載がされていたとのことだからこれと矛盾する。

どのように回答しようかと迷ったが、請求可能性がない状態であるのに、期待を持たれると、できないことが分かったときのショックが大きいので、「・・・、お願い文書には 受給権取得年月が、平成23年5月 4日とありますので、認定日請求が認められたのではなく、事後重症認定となっている可能性が強く、その場合は、このままでは、奪還請求はできません。」との内容のFAX回答をした。

この回答に対して 2日後には、「お礼とお詫び等について」が送られてきた。これによると 受給権取得年月の平成23年5月 4日は誤記で、正しい年月は、平成5年4月だと言われる。これによりご自身が行った裁定請求が、「障害認定日による請求」であったことを認識され、認識が間違っていれば、改善策を指導してほしいし、もし請求が可能であれば、準備する物とその手順を教えてほしいと書かれていた。

この内容が事実であれば、奪還請求は可能だが、成果を得るまでを考えると、そんなに簡単に行くものではないので、難聴とは記載されていたが取り敢えず電話をさせていただいた。

電話にはお手紙の主が出られ、「私たちにとって、これは大事なお金であり、FAXや電話で説明しきれないので、直ぐにとは言わないから、是非、全部の書類を持って、私の事務所に出向き説明したい」とのご希望であった。

消滅時効問題に関する四国のお客様は初めてで、高齢者にとっては、豊田市の田舎は随分遠方になると思うが、急がないとのことであれば、その希望は受け入れることにした。国は未だ、論理の破綻した主張を繰り返し、精神障害者の本人訴訟で行き違いはあるとは言うものの、これを含め3つの裁判所で、この国の主張を認めているのだから驚きである。まして、名古屋高裁においては、裁定前の支分権が「・・・、裁定を経ていない支分権が抽象的な権利にとどまるとはいえない。」とまで言い出しているのだから訳が分からない。 裁定と支分権行使について判示している最高裁判例は一つしかないので、この判決は、これに反することは勿論、被告すら主張しておらず、他のどこの裁判所も言及していない内容である。言及どころか、権利行使できない状態であることは、被告も、今までのどこの裁判所も認めていたのだから、これは発想や意図するところが全く分からない。

こんな訳の分からない事がいつまでも通っていたら、我が国は法治国家とは言えなくなってしまう。そういった意味で、この不合理を正す活動に参加していただける方は、非常に大切なお客様であるので、最大限の努力をして労に報いてあげたいのだが、今のところ、成果が出ていない。

しかし 雑誌や新聞等による広報活動は、徐々にではあるが、進んでいる。実は、主宰者に頼まれて、私の事務所を載せているサイトがあるのだが、そのサイトにも3件の質問が来ていた。これも、みんなねっとを読まれた方であったが、今までこのような指名質問はなかったので返事もしてない状態であった。なんと、私のH.Pより機能している(みんなねっとからは、私への連絡先等は、最終回に載せる旨お聞きしている)ではないか。

少し話は変わるが、弁護士や裁判官までが、裁定前でも支分権の時効は進行するという国の虚構に騙されているのだから、社労士に、45年間以上も常識とされてきたことが、実は、誤りであると、にわかに理解を期待するのは無理なことなのかもしれない。私は、受給権者の権利を護るのは、社労士の大きな責務であると思っているので、社労士会政治連盟や、社会保険労務士総合研究機構(社労士総研)においても、この問題を真剣に取り組み、主管省である厚労省に法改正等を決断させるべき行動に移ってほしいのだが、私のP.R不足もあり、実現していない。

この状況では、私が、焦らず健康に留意し、気長に活動を続けて行くより仕方がない。その内、喜ばしい成果が現実のものとなるものと確信している。下級審で判断するには問題が大き過ぎれば(裁判所が、そのようなことを言っているのではないが、社会保険審査官は、その旨の発言をし、具体的には、公開審理のある社会保険審査会で審議してもらった方が良い問題である旨を公言していた)、最高裁に判断してもらう以外に方法はない。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 10:09| Comment(1) | 1 障害年金
この記事へのコメント
相談者様は、受給権取得年月と障害認定日とを同一のものと捉えておられるようですが、全く別ではないでしょうか。

障害認定日は、第一回目支分権の初月の基準日になります。認定日の月の翌月が初月です。
この初月とは、年金額の計算の開始年月です。
いつまで計算するかが終年月ですが、これは受給権が確定すると、支分権の履行期月も自動的に確定してくる関係にあるります。次に述べることに繋がります。

一方、受給権取得年月(日)は、裁定の効力の発生日(基本権です。年金決定通知書の受領日)ですから、
裁定請求書の提出日平成23年5月11日(事後重症の場合)か、認定日請求であれば、通常、請求日から4〜5ヶ月後に裁定通知がありますから、先生が疑問に思われた様に、これより前の平成23年5月 4日とするのも理解できません。恐らく9〜10月頃だったのではないでしょうか。

第一回目の支分権の履行期日は、裁定通知を受理した日の直後の奇数年月の翌月(偶数月になります)の末日になるものと思われます(実際には月中の15日払いとなっていますが)。

従って、障害認定日は第一回目の支分権の初年月に関係する日であり、受給権取得年月(日)はその終年月に関係する日となると思われます。

研究中の身ですが、以上の様に理解しております。
間違いであれば、どなたかご指摘いただきたいのですが。よろしくお願いします。


Posted by hi-szk at 2015年08月18日 11:13
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