一昨日、10時から1時間ほど地元の地方誌、株式会社新三河タイムスの社長と編集長の取材を受けた。話はお盆特集で、私が朝日新聞に投稿した「私の視点 幻の障害年金 解消へ時効の起算点改めよ」と同じような内容の記事を書いてくれとのことであった。文字制限は1,200文字で、地元の弁護士のコメントを併設するとのことであった。
ロビー活動については、みんなねっと8月号(1日発行)からトッピクス制度の話での3回連載も決まり、既に8月号は印刷も完了しているとのことである。関心を持っていただけている範囲も拡大してきており、順調に進んでいるが、肝心の裁判の方が芳しくない。
年金時効問題については、法解釈的には国の主張は明らかに間違っており、私の考え方が正しいことは、本村年金訴訟上告審判例(H7、11、7)等で明らかであるが、私が支援している事件も下級審において3件(2人分)の敗訴判決が出されている。
第一審については、内1件は、私から見ても、余り丁寧な主張とは思えず、本人訴訟の他の1件は、裁判長が突然立ち上がり結審を宣告し、奥に引っ込んでしまったというから、十分な議論がされておらず、敗訴の可能性はあった。
前者の事件では、今度は受任事務所の新入りの若い弁護士が真剣に控訴理由書を作ってくれ、私も陳述人として陳述書を提出したが、一般的には、控訴審では徹底的に議論が尽くされないので不利な状況となる。従って、第一審において徹底的に議論して勝ってしまわないと、後々響くし、経済的にも負担となる。後者の控訴審では、逆転を目指したが、最高裁の判示内容にも反する、「 裁定請求があっても、厚生労働大臣において、基本権の発生要件等の存在が確認できない場合には、不支給とするよりほかないのであるから、裁定請求後に不支給となった事例があるからといって、裁定を経ていない支分権が抽象的な権利にとどまるとはいえない。」との訳の分からない判決理由の判決による敗訴であった。 控訴人は、障害年金の受給権は、停止条件付債権であり、それが証拠に、全国平均で12.5%を超える不支給者がいる旨主張しており、結果ではなく、裁定請求時を問題としているのに、この裁判官には、全く理解されていない。このような裁判官が居ることも想像できなかった自分を反省している。「裁判官も人の子」とは、よく言われることであるが、余りにも判決理由が酷過ぎる
受給権者のご両親は、息子さんの将来を危惧して、裁判まで決断されたのだが、その配慮も効を奏さなかった。この判決では、判決理由がない高裁判決と一緒であるので、上告又は上告受理申し立ても十分できると考えられるが、余りにも酷い判決理由による裁判所への不信から、それを断念されてしまった。従って、後は、国が方針変更をした場合等に、多少の請求可能性が残る程度となってしまった。
今思えば、私が控訴審で逆転勝訴したのは運が良かった面もある。控訴審で逆転できるのは3割以下と聞いているが、勿論、内容次第となろう。年金消滅時効問題は大きな問題であるので、第一審で徹底的に議論し、被告の主張が法解釈誤りであり、合理性のないことを裁判官に分かってもらえるように書面により表現しなければならない。
幸い継争中の福岡の事件は、受任弁護士もよく頑張っていただいており、受給権者の娘さん ご夫妻からは、私に補佐人就任の依頼をいただいているので、現在補佐人準備書面を作成中で、8月4日には福岡地裁に出向く予定である。
今回の補佐人準備書面は、答弁書、第1準備書面から第3準備書面に対する反論をまとめており、かつ、私の事件の上告受理申立理由書に対する反論も書いているので、25頁にも及ぶ相当豊富な内容となっている。受任弁護士とは、基本的な考え方は一致しているが、反論の仕方や書証の出し方等細かな面では、当然意識・認識の違いがある。
補佐人として受任弁護士と一緒に法廷に立てるようになった社労士法の改正には感謝しているが、消滅時効問題がここまで進んで来ると自分が弁護士でないことがもどかしくなってくる。この歳になって困ったものである。
2015年07月18日
消滅時効問題の最近の状況について
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 19:32| Comment(0)
| 1 障害年金
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