S. N様の事件は、既に審査請求、再審査請求とご自身で済まされているが、決定理由にも裁決理由にも納得できないので訴訟を視野に適任の弁護士を探しているとのこと。
この方は代理人が裁定請求しているが、事後重症請求には

5月23日のブログで紹介した高知のM.S様の事件を思い出すが、事件の内容こそ違うが、ご自分で書いたことも提出したこともない書類が勝手に機能しており、これに納得できず 訴訟して勝訴確定した人であるが、過日、年金の選択について電話相談を受けたところでは、 実利は、障害年金の3カ月分しかなかった。
しかし、ご本人は公の機関でこんな事があって良い筈がない。昔はちょくちょくこのような事例があったと耳にして、これが許せず提訴したのである。ところが、裁判では情報開示資料まで書証として提出しているが、その点については、余り議論にならなかったとの不満が残ったようである。
受任弁護士も年金のことがよく分かってやっている訳ではないので、結果、費用倒れに等しいことになってしまっている。かつ、本来の目的も果せなければ、何のために高知から東京まで出向き裁判をしたのか訳が分からなくなってしまう。
S.N様の場合も、社会保険審査会の公開審理の場では、事後重症は選択していない旨を主張したようであるが、それが大きな問題とされず、結果。保険者の認定を肯定する裁決となった。行政処分には、行政行為(処分)が 不当行為であっても 重大かつ明白な瑕疵がなければ権限ある国家機関が取り消さない限り一応有効なものとして公定されるという公定力があるせいか、保険者の処分をそのまま認める裁決や判決が多いように感じる。団塊の世代が年金をもらい終わるまでは、確かに年金財政は厳しいが、支払うべき人に支払うのが保険制度であり、国の行う正しい運用である。
障害年金は、客観的に受給要件を満たした時に、既に受給権が発生していたというのが法の規定であり、保険者国の主張であるので、このような支払いたくない姿勢が前面に出た恣意的な運用はプロである社会保険労務士として、決して許してはならないし、今後、益々社会保険労務士の果すべき役割が重要となってくる側面であると思われる。