2015年06月13日

読書感想

先ず、仕事関係以外で最近読んだ書籍を読んだ順番で列挙した。私は速読家ではないので、2〜3ヵ月ほどの間にこれだけの本を読むのは中々大変である。本業が忙しく、仕事関係でどうしても読まなくてはならない書籍や資料等も多い。そのような環境下、これらの書籍を読んだのにはそれなりの理由がある。

1 円もドルも紙切れに! その時 ノルウェークローネで資産を守れ 浅井隆 第二海援隊
2 世界が日本経済をうらやむ日 浜田宏一 安達誠司 幻冬舎
3 日本の論点 2015〜16 大前 研一 プレジデント社
4 肩ごしの恋人 唯川 恵 マガジンハウス
5 愛に似たもの 唯川 恵 集英社
6 虚構の法治国家 郷原 信郎  森 炎 国宝社
7 家族という病 下重暁子 幻冬舎
8 西出式農法 手島 奈緒 さくら舎

多くの国民が不安に思い心配している共通的課題は、企業に置き換えれば、倒産状態ともいうべき、巨大な国家債務である。このことには、当然私も関心があり、野田前総理が、選挙で負けることも覚悟して、財政改革最優先姿勢で重大決意をして党首会談に臨んだのだが、現状は、政権交代までしているのに(あるいは、してしまったからなのか)遅々として進まない。このタイトルであれば、その話題に触れ、どうすべきかにも著者の考え方が及ぶものと期待して読んだのが「1」である。結果、その点は失望に終わった。この点につき、それではこの人はどのように考えているのだろうと手にしたのが「2」である。ここには、国家自体は巨額の債務を抱えているが、家庭の資産を含めた広い意味の国家は健在である旨、あの数値は、財務省の発表の一側面からの数値で、全体像の実態を表しているものではない、とかの安倍現総理に肩入れした見方を強調しているように思えた。「3」に至って、「今の日本の最大の論点は、約1,000兆円を超える巨大な国家債務である。どう解決すべきか。」との問題を直視した、的確な指摘に出会った。

この著書には、「復活への秘策」、「世界の視点」として、25項目の提言があるが、この優秀な著者も本職は参謀である。政治家ではないので実際に改革をどうしていくかという実践では力が及ばない。このような優秀な参謀を外国の大統領の参謀にしておくのはもったいない。この人をナンバー2 として有用に使えるトップが現われない限り、この人の力が100%表に現れることは期待できない。なぜなら複数の参謀を選ぶ人には仕えないと言ってみえるからだ。


「4」及び「5」については、5月17日付日経新聞の夕刊、文化面で、著者の「北陸新幹線が開通して」を読み、この著者と地方に興味を持って、2001年第126回直木賞と2008年第21回柴田錬三郎賞受賞作を読んでみたものである。著者と私は一回りぐらいは年齢が離れているが、 持ち物や飲食物の名前が洒落ていて、私にはぴんとこなく、性道徳観もすんなり受け入れが難かったので、私の読むべきジャンルではなかったと感じた。

「6」から「8」は、その道の第一人者がそのことに関してどのように考えているかを確認するために読んだ。言い方を変えればそのことに関する第一人者の合理的な考え方とはどういうものかということを検証するためである。現在の世の中は複雑で、世の中知らないことだらけである。疑問に思ったら、その事に関する第一人者に聞くことが一番大事なこととなる。勿論、誰が第一人者かの見極めも極めて大事なことである。

郷原先生は平成22年4月から 平成26年3月まで、年金業務監視委員会の委員長を務めてみえた方で、年金に関しては厚生労働省の行動、考え方が法治国家とは無縁のものであることを知り尽くした方である。予て私は、年金に関しては、「虚構」、及び「法治国家」と言葉こそ分断しているが この本の書名と同じ言葉を頻繁に使っていたのである。ある弁護士の先生に、訴訟の準備書面等では、余り過激な言葉は使わない方が良い旨のご意見をいただき、最近は慎んでいるが、たぶん、郷原先生も私と同じ感想を持たれているのではないかと、お会いする明後日を楽しみにしている。

どうでも良いことであるが、誤解を避けるため述べれば、私が「8」を選んだのは、雑草との戦いに何かヒントが書かれているのではないかとの期待によるものである。所詮、私は、農作業は苦手で、それによって儲けようといった発想は一切ない。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 17:39| Comment(0) | 11 所感
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