先週は、当事務所への仕事の紹介事例ケースについて書かせていただいたが、今週も同じようなことを書く。私の人生は不思議なもので、実に多くの場面で不思議なことが重なる。
6月2日(火)16時50分頃、豊田市では有名な信用金庫から電話が入った。私も取引をしているので、何かと思ったら、同じ支部に所属する勤務社労士のM.Mさんからだった。同信金のO.Bが白血病で入院中に脳溢血になり、現在リハビリ中とのこと。障害年金の裁定請求の代行手続に関する照会であった。勿論、私は喜んで積極的に対処する旨伝えた。
翌日、ご本人の奥様から電話があり、昨日事務所で面談し、即日受任した。奥様いわく、私の事務所を駐車場から確認して安心したとのこと。なぜかというと、この方は、一般社団法人実践倫理宏正会の会報「倫風」を配ってみえるという。これは企業倫理とは少し違う家庭倫理に関する雑誌とのこと。これを配っているのにこんなこと(ご主人が急性白血病、脳溢血)になってしまった、ともおっしゃってみえた。何が奥様に安心をもたらしたかというと、この近所では、ほとんどこの雑誌を受け取ってもらえなかったとのこと。ところが、私の事務所では気持ちよく受け取ってくれたというのである。私は玄関先まで出ていった覚えはないのだが、テレビカメラホンで話をした覚えはある。私が何をしたという訳ではないが、この奥様にとっては、短い間でも一応は話を聞いてくれたということになるようである。世間何が起こるか分からない。考えようによっては怖いものである。
それではM.Mさんはなぜ私を紹介してくれたのか。考えられるのは、M.Mさんから初めて紹介された事案が、お客様に満足していただける結果だったからなのかもしれない。その事案はその信金の現役の職員で、M.Mさんが多少のアドバイスはしたものの、ご本人が行った障害厚生年金3級の裁定請求が棄却された事件であった。この事件については、障害手当金には該当するが、既に5年を経過しているので、消滅時効が完成しているという通知を受けているという内容であった。
私が消滅時効問題を重視していることをご存知のM.Mさんは、この消滅時効とされた障害手当金の奪還の仕事で私を紹介してくれた。私は、、この事件を喜んで受任しその手続きをしたのだが、俗に悪大官と呼ばれる社会保険審査官に、自己に不都合な資料は審査資料としないという常套手段で棄却されってしまった。しかし、丁度その時期に、本人が人事異動をしており、脳溢血後遺症が残っていたのだが、異動後の職場では、周りが知らない者ばかりになって苦労している旨、及び家庭での生活状況の情報が私のところに入ってくるようになっていた。考えてみれば、職場も変わり、症状も変わり、本人が主治医に伝えきれていないところがたく沢山あった。前回請求時の診断書にも、障害者雇用枠とされていなかったことを確認できた。
であれば、金額も少なく、かつ障害手当金の消滅時効問題で再審査請求するよりも、診断書を取り直して裁定請求をやり直した方が良い旨を本人に話したところ、その方向で進み、思ったより早く成果が出たのである。その結果が出る前に再審査請求期間は経過してしまうので、 一応は審査会にも催促したが確答は得られず、念のため、再審査請求もしておいたのだが、幸運にも、その後しばらくして、障害厚生年金3級に認定された旨の通知が来たのである。 早速社会保険審査へは審査請求を取り下げ、一軒落着となった。
そして、世間は狭い M.Mさんの上司の人事部長は、私が若い頃、豊田混声合唱団で一緒に歌っていた仲間であった。私の事務所も、私が社労士となった経緯、及び私が重視している仕事の内容から、自ずから遠方のお客様が多かったのだが、段々と地元のお客様がふえてきた。遠方のお客様と違って、どこでどんな風に人がつながっているのか見当もつかないことが多い。私はネクタイは嫌いで、ほとんど使わないが、襟を正して生活しなければと反省しているところである。