2014年08月16日

片目ダルマ

 私の事務所には、ダルマが2つ置いてある。3つあったのだが、1つはどこかに遊びに行っている。1つは高さ15cmくらいの大きめのもの、もう1つは10cmくらいの小さめのものだ。大きい方には両目が入っているが、小さい方はまだ片目のままである。私は、随分昔から何か大きな目標を立てた時に片目ダルマを買い込んで来て両目にすることを楽しみにして来た。

 大きいダルマに目入れしたのは、私が携わってきた公的年金消滅時効問題の大元になる名古屋高裁の判決の確定である。小さい方は、私が受任している事件の解決である。和解、不服申立て、あるいは裁判のいずれの手段でも構わないので、先ず解決の道を拓くことである。実は、こちらの方が責任は大きいのだが、なぜかダルマは小さくなってしまった。前者については、途中で弁護士の先生に代理委任したのだが、1回の期日で終ってしまったので、代理人の先生は法廷には立ってみえない。法律の素人である私の根本的な考え方を最後まで押し通した。たぶん、弁護士の先生では、恥ずかしくて主張できないような主張内容もあったことと思う。

 しかし、名古屋高裁の怖い顔をした裁判長は、この私の真意を汲んでくださったのだ。なんと素晴らしいことか。私は感謝の気持ちで一杯であるが、この気持ちを伝える術はない。しかし、裁判所関係では、地裁の書記官には偶然感謝の気持ちを伝えることができた。私が別のことで質問した時、回答後自ら名乗ってくれたのだ。これは嬉しかった。この書記官が、私が控訴を迷っていた時、「ここまでやってこられたのだから・・・」と背中を押してくれたのだ。

 これに対して、公的年金の主管庁である厚生労働省の態度には、未だに誠意が感じられない。私は、第一審の後半からは、「国の法解釈誤り」という一般論に主軸を移して争ってきたので、これが最高裁で確定すれば、例えいかなる市民でもこれに従う筈だ。当該法令の主管庁である厚生労働省は、主管事項においては、自らの解釈がすべて(万能)だとでも思っているのか、未だに基本的な方針を変えない。

 こうなると、最終的には、勝訴判決を沢山出して、社会問題としてクローズアップさせる必要がある。この問題は、色々な側面があるが、根本的な法律の条項は一つである。それは国民年金法第16条(厚生年金保険法第33条相当)である。同じ法律の同じ条項に、基本部分で二つの正反対の解釈があっては最早、法治国家とは言えない。

 具体的に言えば、国の主張は、既に定着した最高裁判例があるのに、事柄によって自己に都合の良いように、この解釈を使い分けていることになる。この条文の本件に係る基本事項「年金支分権は、裁定があって初めて権利行使できる」という解釈については、既に平成7年に5人の裁判官全員一致の意見による重い著名判例がある。これを無視又は軽視した国の運用を断固許す訳にはいかない。

 本ブログにも登場していただいた、岡山の事件の原告のご主人Y.M(20131228著)さんも、私の応援団長であるメイ恵理香(20131102著、20140201登場)さんも「隠された障害年金」というイメージを持ってみえる。

 メイさんの事件は、9月2日(火)に宮崎地裁で第2回期日を迎えるが、元気の良い彼女は、マスコミ数社に取材に来るよう要請したという。実際に何社の報道各社が取材に来るかは分からないが、行動力抜群の彼女は、代理人弁護士と私のH.Pのアドレス等を書いたチラシ状のものまで用意したという。彼女は、「私のやり方では手ぬるい」と感じているようで、社会問題として認知させるにはマスコミの活用が一番と思っている。代理人が傍に付いているので私は止めない。旅費を出すから私にも来いという。私は忙しくしており行けないが、真意・ポイントを絞って伝えてほしく思っている。自分のフェイスブックの友達は何千人とおり、その友達の友達と招待状を発信するという。彼女は、正義感に燃え、「隠されているから時効問題が起るのは当然」と考えており、少しでも多くの人に障害年金を知ってほしいという。

 メイさんは、代理人弁護士に遠慮なく質問した。「先生の今までに請けられた事件で一番大きな事件はどんな事件ですか」、「この事件だよ!!」との即答だった。良く分かっていただいている。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 14:53| Comment(1) | 13 社会・仕組み
この記事へのコメント
始めまして、平成19年加入記録に誤りがあり記録の追加を申し立ててきましたが、第三者委員会、厚生省(内閣府。審査会に、拒まれ続け地方厚生(支)局に訂正請求致しましたが
不訂正の判断を受け、現在、審査請求し、1か月経ちました
偶然、目に留まり拝読いたしました。素人が、行政に不服を申し立てなめられた"回答受け、背筋が凍りつく思いでいます。事業所の正直な個別の回答を個別については不明”資格喪失日(改ざん)私の辞めた日を、代行請求した事業所に訂正促し、資格喪失日と退職日が重なる。(年金事務所の支給決定に係る事務に不自然な点は無い)と回答。年金事務所の調査課長が書類を見て送金されていない”と判断し、厚生省に開示請求し゛支給済み”と記録した納付保険料の精算金(残額)そのままである事を確認。私が、請求した事実又事業所に依頼した事実が無い。と申し立ててきた脱退手当金は、支給伺い書欄外に金融機関が存在しない住所を記載し、支給済みと辻褄を合わせた記録、事業所に代行手続き行わせ、私の署名が無い。請求書に記載された住所に居住し認めの押印不可能、受取を希望する項目のない不思議な請求書を゛支払った”と推認する。年金は退職時のみなし所得の手続き、代行を代理請求とみるのが自然と訂正を認めず、システムにより回復する加入記録の訂正を認めようとしない。資格喪失日の訂正請求は救済基準の対象だった筈であるが、国は訂正を拒む理由の説明は無い。私に身に覚えのない記録"訂正する理由が無いと言う。そうでしょうか?
Posted by kimama at 2015年08月20日 19:46
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