2022年06月25日
15年間超 国と争い続け 未だ初志貫徹を 目指してみえるK.I 氏
大阪府堺市の K . I 氏は 障害年金支分権消滅時効の問題について 今後も国と争う姿勢を示してみえる
この方は 平成19年2月22日に障害厚生年金 3級の 認定日請求による 受給権を得た旨の通知を受けた方であるが 遡及5年を越える部分に対する不支給というその処分の通知を受けて以来 一貫して 国の運用を 批判してみえる
この方の受給権発生は 昭和59年11月であったのだが 標準報酬月額が 高額であったと思われ 16年10ヶ月分で 2280万 9456の 支給制限を受けている
この方は 軽いうつ病であったので 考え方も信念も しっかりしており その後しばらくしてからは 障害の状態も解消され 現在は年金については 障害年金でなく 老齢厚生年金を受けてみえる
行動力も抜群で 遡及5年を超える分の 不支給について不合理であるとして 関係すると思われるあらゆる機関等((現職・前職)の担当大臣、長官等、厚生労働省、社会保険庁、日本年金機構、年金事務所、 街角の年金相談センター、 関係事項ついて発言をした国会議員 (長妻昭、世耕弘成、浅尾慶一郎、小宮山洋子等 ))及びマスコミに対して 訴えてみえた
私が投稿した朝日新聞への寄稿「私の視点 幻の障害年金 解消へ 時効の起算点改めよ」(20130914)欄にも 私よりも早く投稿しておみえ(20071222「声 時効で消滅の障害年金返せ」)で この面でも 保険者に対する苦情についても私の先輩に当たる
私がK.I 氏から 厚生労働大臣に対する 異議申立てに関し 受任したのは 裁定請求の通知を受けてから すでに 7年ほどが経過しており 審査請求期間については 基本的には 請求できない事件となっていたし 裁判についても 私が正しいと主張する 裁定通知書を受けてから5年以上が経過していた
しかし 裁判等においては この経過について 正当な理由ありと認められ このこと自体について問題とされることはなかった
従って この方の信念に基づき 訴訟についても 最高裁まで 争った
最高裁に 事件が 到達した頃には 平成29年10月17日最高裁判決 いわゆる44号判決 が 既に出されており 上告についても 上告受理申立てについても 上告審として受付されなかった
通常の人はここで諦めるのであるが この方は違っていた
何としても この不合理な運用を 止めさせようという強い信念をお持ちなのである
そこで 私もいろいろ考えた末 却下される可能性は高いが 「消滅時効という事実行為」について争うのではなく 「行政処分の取消 」を求める審査請求は 受理される可能性のある旨を話した
これについては 実行を決断され進めたが 近畿厚生局 社会保険審査官は 審査請求申立て期間の経過について 正当な理由と 認められないと判断し 却下したが 社会保険審査会はその点については正当な理由があったと 再審査請求を受理してくれた
私もご本人も 公開審理に出席したが 瀧澤泉審査庁は 「遅延損害金の請求は 放棄することで良いのですね 」(処分の取消であるので)と念を押され 公開審理での陳述も文章にしていただいているので よくわかる旨の 発言があった
従って 「もしや? 」と期待したが 先例がある及び44号判決がある旨の理由(本来理由となっていない理由) による棄却裁決であった
たぶん審査長は 国の運用は 不合理であることを認めながら このような 棄却裁定を したものと思われた
私は K . I 氏には6ヶ月以内に 提訴はできるが 多分 裁判においても同じような判決理由しか 出されないだろうからここで諦めるのが 得策である旨 及び仮に 提訴をするのであれば 私が日本年金学会に提出した 寄稿論文「障害年金の支分権は 本当に裁定前に 時効消滅しているのかどうか」が学会誌に掲載が決まってから行うのが良い旨を示した
ご本人の意向は あくまで争いたいというものであり 余生に 対して 絶好の生き甲斐・チャンス を与えてもらい 私に対して 感謝している旨の 発言であったので 私は本人訴訟支援を 継続することで合意した
私は負ける可能性の方が高い この訴訟に対して 着手金をいただくことはできないので着手金等については 勝てた時のみ 清算する方法を提案し話が進んだ
しかし 不服申立てと違い 裁判となると 訴訟物の価格が高額であるので 裁判所の手数料相当に当たる 収入印紙代だけでも 40万500円の 経費(第一審89000円、控訴審13万3500円、上告審17万8000円)が必要で 加えて 各審級において 予納郵券代が 8000円から6000円程度必要となる
ご本人は このような 具体的な話をしても 私の心配をよそに それでも争い続けたいとの強い意向である
そこまで言われると 私も及ばずながら 業務から 切り離したところで 少しは協力しなければならない
3回予定されている 訴訟にかかる着手金については 勝訴した場合のみ 頂くこととして 特別の契約を結んだ
この方とは特別な関係があり 最初の出会い以来 事あるごとに色々な相談を受けてきた
日本年金学会に提出した 寄稿論文についても 調べごとをしたり 弁護士や学者等に 相談したりで 収入はゼロに対し 必要経費が 必須であったが 折に触れ 経済的支援も してくださっていた 方である
加えて 季節の挨拶は もちろん 私が 入院をした時には 多額のお見舞いまでいただいている
このような方に対して 何の役にも立てない私は ふがいないというより 存在意義がなくなってしまう
心を新たにして 心機一転 頑張り続ける覚悟である
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 10:00| Comment(0)
| 1 障害年金
2022年06月18日
30年以上も 国と争い通したK.F氏
石川県羽昨郡のK.F氏は国による 裁定請求の受付自体の 拒否行為 及び遡及請求が 認められてからの 訴求5年間支給制限に対し 一貫して 争い続け 最終的には 30年間以上もの間 その意志を 貫き通した
事の始まりは 年金事務所等の 裁定請求の 意思表示に対して 受付はもちろん 裁定請求様式の 交付拒否 の 継続にある
この方の障害は 生後5 〜6ヶ月から 10ヶ月くらいの間に 囲炉裏に転落し火傷により 右手の5指を 失くした障害である
この場合 障害年金について考えた場合 二十歳前障害に該当する
この方があの有名な中坊公平弁護士の強い勧めで 裁定請求の意思表示を始めたのは昭和63年頃からであるが 年金事務所等は裁定請求の受付はもちろん 裁定請求様式の公布さえ 拒み続けた
その理由は初診日が 何年何月何日と 特定できなければ 請求できないというものであった
確かに 年金事務所等の 当時の運用はそのような指導をするよう 規定されていたようであるが 事の 本質から考えれば 二十歳前障害であれば 何年何月何日とまで特定しなくても 二十歳前障害に 該当することが 確認でき 初診日要件としては十分であるところ この点につき 深く考えることなく 拒否し続けたのである
この方は色々な面で運も良かった
時系列的に述べれば 第1は 中坊公平弁護士に 会えたことである
年金事務所等を13回にもわたり 訪問し続けられたことは 中坊先生が 「障害年金が 絶対にもらえる」と言われるからには 裁定請求様式を手に入れ丁寧に分かり易く申請書を提出すれば 支給されるに違いないと考えたことにある
そして実際に裁定請求が 受け付けられた 前年には 親切な担当者に出会い 「F様大丈夫ですよ 私の妹も障害者で障害年金を受給しています」 等と 励ましてくれた 担当者もいたのである
実際に裁定請求をして 遡及請求が 認められた後の審査請求や 再審査請求 提訴等に関しては 地元の弁護士が お二人揃って 「99.9%勝てない 止めておけ」とおっしゃったことに対して 新聞記事等から 私を探して電話をしてきて その後 長時間をかけ 3回も 事務所を訪問しているのである
社労士 多しといえども この事件に関する国の運用が 間違っていると 名言できる社労士は少ないのである
ここで 私は ご自分の認識として 請求人が年金事務所等に対して 継続していた行為は 一貫して裁定請求の意思表示であるということを 自覚していただいた
しかし私が 受任したときは すでに ご自分で 審査請求 再審査請求 提訴にまで 進められておりその 請求の趣旨は 「処分の取消」であった ので このまま進めば 却下の可能性が 極めて高いものであった
実際に 請求が認容された後も 信義則違反の請求も棄却され 国家賠償に基づく 損害賠償請求の側面のみであるので そのことを考えれば 容易に ご想像いただけると思われる
ところが運のいいことに 被告国は2回目の準備書面で 答弁の趣旨を 「棄却」から「却下」に 訂正してきたのである
私は これをチャンスとばかり 提出済みの訴状を提出し訴状の内容を 全面的に入れ替えた
つまり 請求の趣旨は 「処分の取消」ではなく 実質的当事者訴訟として 「消滅時効の成否」の問題に置き替えたのである
実際の裁判の世界は 必ずしも 論理に従った 進行に なっているとは限らない
従って いくら国の運用が 誤っていると主張しても これはなかなか 裁判所が認めてくれるものではない
そこで 併せて 信義則違反及び 国家賠償法に基づく 損害賠償請求の 主張を展開する必要があるが この件に関し 抜群の 能力と経験を有する 弁護士に受任を 要請することでK.F氏と協議をした
協議は整ったが K . Fには 弁護士に支払うべき 通常の着手金を 支払える 用意はない
そこで失礼を承知で 私が その弁護士に 電話をし 請求者の事情を話し 着手金については 形ばかりの金額として 勝訴した時に清算する方式で 受任していただけるものかどうかの打診をした
これに対して 神戸の S . F 弁護士は 本人の説明を聞いて 勝てると確信した時は その条件で良いとおっしゃったのである
この先生と 綿密な連絡をし 進めた第一審はいずれの請求も認められず敗訴した
これに対して もちろん控訴をしたが これも 本来は 信義則違反の 請求が 認められてしかるべきところ 国家賠償法を認めると言う 判決が下された
国は そうそうたるたる メンバーを 指定代理人に 26人も並べ 上告受理申立をしてきたが これに対しては 最高裁第三小法廷が 三行半の定型文により 受付を 拒否した
私に言わせれば このような事件に対してまで国が上告受理申立てを してくること自体おかしなことであるが 国としても 十分に 協議して後の判断と思われるので この結果を深く 反省の材料として頂きたく思うところである
特段の事情のある事案とはいえ 現実に勝訴確定させた実績を積み上げたことは 大きな意義のあることである
中に入ってみないと 分からないことの多い事案 であるので すっきりしない方は なんなり遠慮なく相談していただきたい
タグ:裁定請求の意思表示
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 11:15| Comment(0)
| 1 障害年金
2022年06月11日
国家的詐欺行為に対して なぜ 抗議の大合唱とならないのか
障害年金支分権消滅時効の問題 言い換えると 遡及請求が認められた場合の 5年間支給制限は 基本権と 支分権が 独立した権利である限り 国家的詐欺行為 と言えるのである
ところが これに対して なぜ 国民は 平気でいられるのであろうか
怒りをぶつけ 抗議の大合唱となっても不思議ではないのだが 未だ そのような状態には至っていない
基本権と支分権は独立した権利であり それを理由として 消滅時効にかかる 法律の適用が 会計法になるのか 国民年金法又は厚生年金法になるのか 分かれるくらいの 強い 独立性を有しているのだが 被害者は勿論 国民一般 が そのような認識 に至っていないのが 原因と思われる
行政も司法も 支分権に対する 権利不行使が 裁定前に 存在しないことを認めながら 基本権に対する 権利不行使を 支分権に対する 権利不行使があったと 誤魔化しているのである
その仕組みについては 何度も 話しているので 本日は割愛するが 行政と司法が 結託して そのように仕向けているのである
この事に関しては 少数ではあるが 学者によっては 基本権と支分権は 連動性がある「 支分権は 基本権の存在を前提として(一定の期間経過するごとに) 発生する権利であり、その 権利が消滅すれば 支分権もまた 消滅する という意味で、 双方の権利は 連動する関係に ある。」と主張してみえる学者もいる( 林健太郎( 2015.12.15) 「障害年金の支分権の消滅時効の起算点が "裁定が通知された時点"とされた例」 『社会保障法研究 5号』159ー173 .)。
行政や司法が そのような考えであるのであれば 話は別となる
ところが 行政も司法も 基本権と支分権の 独立を 認めているにも拘わらず この行為を 継続しているのであるから 法の支配となっていない
私は 裁判や 不服申立てにおいて 詐欺 という言葉は使っていない
ある弁護士に これらの場では 過激な言葉は 使うべきでないと 教わったからである
しかし 今までの 争いの過程を 反芻するに これを 詐欺と言わずして 適切に表現する言葉はないと感じる
なのに 講義の大合唱とならないのは なぜなのであろうか
正義感の強い国民性である 日本において 不思議なことである
この真の原因は 現実を考えた場合 ほとんどの 国民が 基本権と支分権の独立を 認識していないからと思われる
被害者は勿論 特に 精神障害の方の場合 この 仕組みを理解することすら 極めて困難である
しかし 現実の争いとして 長年抗議をし続けた人 現在でも 抗議をし続けている方もみえる
次回 及び次次会に この方たちを紹介し 抗議の輪 を 拡げてほしく 要点を分かり易く お伝えする
タグ:国家的詐欺行為
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 14:21| Comment(1)
| 1 障害年金