2022年03月26日

一部逆転勝訴の金沢の事件の確定 !!

入院初回のスマホからのブログアップです。

今まで、スマホからは、アドレスと P.W が不明で、投稿できない状況になっていたのですが、スマートサポートセンターの遠隔操作助言等により、それらを探り当て、投稿可能となったので、必要最小限の情報提供をします。

昨年、9月15日(水)、名古屋高裁金沢支部によって一部逆転勝訴した事件について、国は上告受理申立てをしていましたが、その不受理決定(令和3年(行匕)第354号 調書(決定))が3月22日(火)になされ、その旨を3月24日(木)に共同受任弁護士及びご本人から連絡を受けた。

ご本人からは、3月24日の夜は、寝ていても色々なことが思い出され涙が出てきて止まらなかったとの喜びの声を聞き、私も最初の電話を受けた時からの深い縁を思い出し同様の喜びを感じた。

この事件については、何度も本ブログでアップしているので重なる詳述は避けるが、国の上告受理申立て理由は、除斥期間の20年を経過しているというものです。

最近の優生保護法をめぐる各地の地裁判決に準じた主張で、裁判所の認めた違法行為という事実のあった時から既に20年を経ているというものです。

しかし、このような年金事務所等の受付ミスを原因とする争いに対し、国が上告受理申立てをすること自体まったくおかしなことである。

国の姿勢として、考えられないような行為であるので、この際、真摯な反省を促したい。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 00:00| Comment(0) | 1 障害年金

2022年03月19日

久々の愛知県図書館の利用


昨日、愛知県図書館に走り、論文提出に必要な資料を入手でき一安心しているところである。

私が、NTTに入社時の最初の職場が、テレビ塔近くの名古屋東電話局であったので、当時、栄の地下鉄の出入り口近くにあった同図書館はよく利用させていただき、再訪の機会に恵まれ、多感な頃を思い出させていただき感謝している。

当時は、若かったので、力が有り余っており、電話局には、テレビ塔の優待券が2枚あったので、昼休みには、テレビ塔の階段をよく昇り降りしたものだ。

次に、昼休みによく行ったのが、NHKの名古屋スタジオで、これも図書館に行く半分ほどの近さであった。

この合間を縫って通ったのが、愛知県図書館である。

日本年金学会への論文の改稿原稿の提出について、当面は、最高裁44号判決及び名古屋高裁69号判決の判例評釈をできるだけ多く手に入れるのが目的であった。そのために、当初目当てにしたのは、判例タイムズ、判例時報、ジュリスト及びウエストロージャパンである。

豊田市中央図書館のご協力により、今現在の未完了は、判例タイムズと判例時報に絞られてきた。これについても、国会図書館まで行かなくても、愛知県図書館で両方を一挙に調べられることが判明した。

腰椎圧迫骨折により、一昨日即日入院を勧められているので動ける時間が少なく、昨日、早速、愛知県図書館まで走ったのである。ここで新しい情報が一つ入った。元々の事件である 名古屋高裁69号判決の判例評釈が 社会保障法研究という雑誌の第5号に掲載されていることが判明したのである。

三の丸の移転先を訪ねると比較的空いており、手続き自体はスムースにいった。しかも、色々やり合っている間に、前々から一番欲しかった、69号判決の判例評釈が、社会保障法研究 第5号(林健太郎(2012.12)「障害基礎年金支分権の消滅時効の起算点が“裁定が通知された時点”とされた例」、2012.12、159.)に掲載されていることが分かったのである。

ところが、手続きまでは順調に進んだが、コピー機を使ってみえるお年寄りの男性がみえ、今お一人、若い女性が分厚い書籍を数冊も籠に入れて待ってみえる。

これでは、閉館までにコピー不可能と思われたところ、使用中の方と待機中の方が何やら話をされ、待機中の方がどこか別の場所に行ってしまわれたのである。まだまだ使用中が続くものと諦めていたところ、使用中の方が、何枚刷られるのですかと聴かれる。「5枚です」と答えると、一旦清算して、私に先に使わせてくださったのである。正に、天の助けであり、時には、こんなラッキーもあるんだと気持ちまで明るくなった。この方の気配りに心から感謝申し上げる。


早速、本日、会館早々、豊田中央図書館に電話して調べてもらったところ、県内の公立図書館には1カ所も蔵書がなく、数カ所の大学の図書館には蔵書があるとの回答を得た。

しかし、後者については、土日祝と連休で、かつ、大学の研究優先であるため、今回の私の希望のような急ぎの需要には応じられないことが判明した。

最後の頼みの綱は、いつも国立国会図書館である。江東区にお住いのお客様であるA.K氏に該当部分のコピーとスキャン・送付をお願いしてしまった。申し訳ないことに、これで同じ方に3回目のお願いである。

入院日の3月25日(金)の前日までには、改稿原稿を送っておく必要があり日程が詰まっている。3月22日(火)には、入院のための事前検査、検体採取のため通院の要があり、3月24日(木)は、社労士成年後見センター愛知の理事会である。

寸暇を惜しんで、改稿原稿を完成させなければならないが、今月末には、公開審理での反応の良かった類似事件に係る社会保険審査会の裁決が予定されている。

この件を今回の論文に入れるか入れないかは、私の退院日次第ということになる。改稿原稿の提出期限は、4月11日(月)であるので、4月9日(土)までに退院できた場合のみ入れ込むことができる。


入院期間中は、このブログが休刊になるかもしれない。私のPCは、持ち込みできず、スマホでの投入には自信がないので、精一杯はやってみるものの失敗する可能性の方が高い。失敗した場合は、入院期間中は、休刊となるのでお許しいただきたい。

posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 20:10| Comment(0) | 16 ふりかえり

2022年03月12日

平成29年10月17日最高裁判決に係る判例評釈について


日本年金学会に提出した論文について、条件付き採用となったので標記に係る先行研究等について論述する必要があり、多数の判例評釈を読まざるを得ない環境となった。

私には、定説で検討されていない斬新な主張(例えば、「6 定説の決定的欠陥」、「14 この問題は消滅時効の問題か否か」等)があり、これ等については、先行研究で触れられているはずがなく、その正しさは、論理的に証明しているので、先行研究等に係る論述の位置付けは、査読者がお考えのほど大きなものではなかった。

嫌々、先行研究等の中には、私の知る以外にも、いわゆる裁定時説に依拠するものが存在する等新しい発見が見付かるかもしれないと思い直した。

手配をしているのは、判例タイムズ、判例時報、及びジュリストに掲載された判例評釈等である。

資料を一挙に入手することは困難であるので、先ずは、早く入手できた平成31年3月1日発行の判例時報2392号から菊池馨実 早稲田大学教授の判例評釈を読ませていただいた。

一言でいうと、最高裁判例解説と比べ、相当に客観的な記述部分が多いという感想であった。

「私見も、原則論としては本判決が示した判断枠組みと結論自体は正当であると考える。」としながらも、「ただし、本判決の射程とも関連して、最高裁が述べる一般論が、一切例外を認める余地のないものと捉えるべきかどうかは、なお検討の余地があるように思われる。」とされているところである。

「第一に、障害年金における障害認定のように、受給資格を満たすか否かが一見して明らかではない事案があり得る。本件は左下腿切断という外形的に明白な障害の事案であったが、内部障害や精神障害など、外形的にわかりにくく、認定基準も一義的明白でない障害も少なくない。この点に関連して、本件一審判決は、「障害年金の受給権者が障害年金の裁定の請求をしたところ、処分行政庁が障害年金の受給要件が満たされていると判断しなかったことによって、障害年金の裁定を受けることができなかったという事態も生じ得ないわけではないが、このような事態は障害年金の支給を受ける権利(支分権たる受給権)を行使するについての事実上の障害ということができるのであり、法律上の障害があることをもって消滅時効の進行は妨げられないという判断を左右しない。」」と判示している。

「第二に、重度の精神障害や認知症等の理由により、本人の積極的意思による裁定請求がおよそ望み難い事案があり得る。この点についても、名古屋地裁平23・11・24によれば、『権利を行使することができる時』とは、権利の行使についての法律上の障害がなくなったとき、すなわち権利の内容、属性自体によって権利の行使を不能ならしめる事由がなくなったときをいうものであって、権利者の疾病等主観的事情によって権利を行使し得ないとしても、それは、事実上の障害にすぎず、時効の進行を妨げる事由にはならない」と判示している。

「これらのうち、とりわけ第二の事情に関しては、先に紹介したように(最大判昭45・7・15(三参照))、法律上の障害がないというだけではなく、権利の性質上、その権利行使が現実に期待のできるものであることをも必要と解する判例の立場を前提とした場合、事案の性格によっては、なお消滅時効の進行を妨げる例外的場合を認める余地を残しているとみるべきではないかと考えられる。

家族や地域等を含む適切な支援を長期にわたって受けられず、裁定請求に向けた自発的な行為を求めるのが酷であるような場合にまで、消滅時効制度の趣旨を貫徹することは適切とは思われず、この場合、本判決が結論を導く前提条件のひとつとして掲げているところの、受給権者のイニシアティブによる受給プロセスの進行がそもそも望み難い。このように、本判決の射程は、受給権者のおかれた事情により、まったく例外を認めないものとまで捉えるべきでないように思われる。」と評釈してみえる。

この評釈については、公平な立場から評釈しておみえであるが、44号判決の原原審において、正しい支払期月について条件を付けて判決を下していることについて、検討されていないことは残念としかいいようがない。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 14:50| Comment(0) | 1 障害年金