2022年01月22日

悪代官ばっかりともいえない社会保険審査官


中には相当に強引な社会保険審査官もいるが、制度の建付けを考えると社会保険審査官は保険者の立場を十分に考慮しなければならない事情が窺える。

今まで私は、ほとんどの社会保険審査官は、保険者の味方をして、公正な判断ができない人がほとんどであると感じていた。

しかし、社会保険審査官及び社会保険審査会法(以下「官会法」という)の規定を詳細に吟味してみると、そうとばかりいえない事情が浮かび上がってきた。

法律の規定上、再審査請求(社会保険審査会)では、請求者と相手方の構図となるが、審査請求では、請求者のほかは、全て第三者となるそうである。

従って、官会法第16条では、「決定の拘束力」なる規定がある。これによれば、保険者が負けた決定が出た場合、保険者側は、第三者であるので、保険者側から再審査請求はできず、決定に従わなければならないこととなる。

これでは、社会保険審査官としては、保険者を負かす(請求認容)決定に慎重にならざるを得ない。

私は、従来、法律上は、決定に不服のある場合は、どちらの側からも再審査請求ができるものと勘違いしていたが、上記のとおり、保険者側は、相手方ではない(第三者である)ので、法律上、再審査請求はできないそうである(厚労省保険局総務課官会法担当者回答)。そして、実際に保険者側から再審査請求が起こされたケースは皆無であるとお聴きしている。

そんな構成になっているとはつゆ知らず、審査官は悪代官ばっかりだと思い込んでいた私は、真面目な審査官に誤らなければならない。

しかし、人間の判断することであるので、この官会法の建付けについては不公平であると考えざるを得ない。

私は、これでは社会保険審査官は公平な判断を下せない環境下にあり、審査請求においても、保険者側から再審査請求が可能である旨法律を改正すべきではないかと考える。

社会保険審査会において、保険者が負けている事案も1割程度はあると思われるが、こちらについても、実務担当者(社会保険審査調整室)にお聴きすると、私の知る限り、保険者側から提訴したケースは一件もないといわれる。

そんな事情を知ると、保険者を負かせた決定や裁決には、余程の理由があったものと考えられ、保険者は、これ等の事件については、二度と過ちを犯さないよう深く反省し、内部においても、再演防止について周知徹底を図るべきである。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 10:34| Comment(0) | 13 社会・仕組み