2019年11月02日

求釈明を要する被告準備書面


先月10月28日(月)障害年金に係る東京地裁の未支給年金支給請求事件(原告はA.K様の事件)の被告準備書面(1)が届いた。

現在支分権消滅時効問題について私が関与して係争中の事件は4件であるので、被告の民法第166条1項の「権利を行使することができる時」の解釈が間違っていることを指摘した反論としては初めての被告準備書面である。

従来、上記の条文の被告の解釈としては、文字通りの「権利を行使することができる時」、即ち、「権利を行使できる一番早い時点:債権成立の時」という解釈で被告の主張が展開されていたのである。

この間違いに、関係した弁護士を含め誰もが気付かず、これに対して反論がなかったので、多くの誤った判決が出てしまった(勿論、裁判所の行政に対する忖度の存在は否定しずらい)のである。

しかし、原告の今回の主張は、この解釈は、3つに場合分けされ、@期限の定めのある債権については:期限到来時、A期限の定めのない債権については:債権成立の時、B 条件付債権については:条件成就の時であり、本件については、@ 又はB の解釈が正しい解釈であるとするものであった。

従って、これに対して、被告が真っ向から反論してくるのであれば、本件については、「国年法第18条(厚年法第36条)3項は、期限の定めをした規定ではないからAの解釈となる。」との反論となる。私は、Aの解釈でないと被告の主張が成り立たなくなるので、この反論の可能性も想定していたのであるが、被告は、さすがに、被告自身多用してきた権威ある文献(国民年金法 全訂社会保険関係法2、 有泉亨、中野徹雄編 編者 喜多村悦史 筆者 日本評論社 昭和58年5月25日)の説示を否定することはできなかったようである。

不都合なことには触れないのが被告の常套手段であるので、今回の反論も、この点については、真面な反論はなく、訴追請求状が出されている平成29年10月17日最高裁判例及びほとんどの裁判所が下した多くの下級審判決の裁判例を書証として提出してきている。

多数決で決めるものだはないのに、物量にものを言わせて、その対応に時間をかけさせようとするものである。

争点の異なる判決例は類似事件とは言えず、まして、被告の間違った主張に、実は反論できたのに、誰もが反論していなかった判決例は、類似事件とはいえないので、過去の判決例は、判例とはいえないのであるが、一般的に、裁判所は的確な判決理由を書けないので、助け舟として出された平成29年最高裁判例を誤用するのである。

この誤用を防ぐのが、本訴の最大の重要事である。

被告としては、無難な反論としては、それを根拠にする以外方法がないのかもしれないが、私が予測した反論は、上記のほか、「裁定は、法定条件でない」との主張がある。

私は、老齢年金については、国の主張をやむを得ないものとして認めているので、障害年金については、受給権者側に初診日証明義務、及び診断書提出義務があり、これが法定条件であるので、老齢年金とは異なる旨主張しているのである。

すると、法定条件には、条件の規定が類推適用されるので、本件は、裁定前には、条件未成就の債権となるのである。

この点についても、全く反論がなく、被告は、議論のすれ違いを狙っているのである。被告の主張が明確でないので、争点をぼかされないよう、被告の推論の根本の部分の判断について求釈明を求める必要がある。

例えば、国年法第18条(厚年法第36条)3項は、期限の定めをした規定であることを認めるのか認めないのか。
障害年金の裁定が、法定条件であることを認めるのか認めないのか。等である。

これを明確にしないと、原告がどの段階から主張を始めればよいのかも分からないのである。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 12:13| Comment(0) | 1 障害年金