2018年07月07日

上告理由書及び上告受理申立理由書の要旨


かねて準備中の障害年金支分権消滅時効に係る上告理由書等について、本日から分割で公開することにした。まだ草案であり、弁護士の先生の意見をいただく前のものであるので、実際に提出するときには、少々変わっているかもしれない。

この多くの不合理の実態を認識すらしない下級審に対して最高裁が誠意ある態度で応対してくれるのかを含め広く信を問いたい。なお、本人了解の下、個人情報は、全て実名等である。

構成は、各々の理由要旨、各々の理由書、上告理由書の参考資料一覧表、参考資料(抜粋)である。各書類とも共通部分は、その旨の表示をして、重複掲載は割愛する。



平成30年(行サ)第91号 行政上告提起事件
上告人  井原 毅士生
被上告人 国

理由要旨


 本件裁判は、障害厚生年金の受給権者であった上告人が、初診日を昭和58年5月14日、受給権の取得を昭和59年11月として、平成19年2月22日に障害等級を3級13号として厚生労働大臣の裁定を受けたにも拘らず、被上告人が、裁定請求時から逆算して遡及5年を越える年金を、時効の完成を理由に支給しなかったことに対する訴訟である。
 請求内容は、裁定請求をした平成18年11月6日の時点で、最初の支払期月の翌月初日から既に5年を経過している(以下順次同様)として被上告人が上告人に支給しないとした障害厚生年金2280万9456円及びこれに対する上告人主張の支払期月の翌月の初日である平成19年3月1日から支払済みまでの民法所定の割合による遅延損害金の支払いである。
 被上告人が、時効が完成しているとする理由の誤りは、裁定請求前には、支給の有無も、障害等級も分からない精神の障害による障害年金についてまで、独立した権利である基本権に対する権利不行使を支分権に対する権利不行使とみなして、基本権の発生時を基準に起算して時効消滅させているところにある。
被上告人の主張は、障害年金を受ける権利の発生要件等が厚年法に明確に規定されており、裁定には裁量権はなく単なる確認行為であるから、受給権者は裁定請求さえすれば実際に障害年金の支給を受けられるのであるから、上記起算が正当とするものである。
 第一審及び原審とも被上告人の主張を認めたが、これには重大な法解釈上の欠落がある。
上告人が時効は完成していないとする理由は、最高裁判例解説を始め権威ある社会保険審査会の見解やそれを裏付ける実務運用等多数ある。
 争点1に係る上告人の主張は、確認行為型の裁定には裁量権があり、これが行政処分であるので、この処分を知った日の翌日が支分権消滅時効の起算日であるとするものである。
 争点2に係る上告人の主張は、上告人の提訴が遅れたのは、被上告人が上告人に対して、実際には時効消滅していない本件支分権について、時効消滅していた旨の文書を発し、上告人の権利行使を妨害したから、被上告人の時効の援用等は信義則違反である旨の主張である。
 これらについて原審は、障害年金も老齢年金も「差異を認めることはできない」、裁定請求時に既に時効消滅していたのであるから信義則に反しない旨を判示した。
 原審は、支分権消滅時効の起算点(停止条件付債権)及び年金の支払期月(期限未到来)という重要な法律上の障害につき、権威ある書証を提出した上告人の見解とは、真っ向対立する判断であり、上告理由書で詳述するとおり、主文を導き出すための理由について、その全部若しくは一部が欠けており、かつ、理由に食違いがある(民訴法第312条第2項第6号)。
裁定が法定条件である(法定条件は条件の規定が類推適用される)こと及び期限のある債権の「権利を行使することができる時」は、「期限の到来時である」ことは、自明の理であり、原審の判断を左右する重大事であるが、原審は、理由はおろか、後者については、検討自体も欠落させていた。
 なお、上告人は、平成29年10月17日の身体(左下腿切断)の障害に係る最高裁判例を弁論主義の制度上否定するものではないが、これが本件のような精神の障害についても適用されていることには納得していない。
以上



平成30年(行ノ)第88号 行政上告受理申立て事件
申立人  井原 毅士生
相手方 国

理由要旨

(上告理由書終りから15行目「これらについて原審は、…」からを除き、上告理由書と共通)

 申立人が時効は完成していないとする理由は、最高裁判例解説を始め権威ある社会保険審査会の見解やそれを裏付ける実務運用等多数ある。
 これらについて原審は、障害年金も老齢年金も「差異を認めることはできない」、裁定請求時に既に時効消滅していたのであるから信義則に反しない旨を判示した。
 原審は、支分権消滅時効の起算点(停止条件付債権)及び年金の支払期月(期限未到来)という重要な法律上の障害につき、権威ある書証を提出した申立人の見解とは、真っ向対立する判断であり、上告受理申立て理由書で詳述するとおり、原審判決は、同じ精神の障害に係る類似事件である平成24年4月20日名古屋高裁判決等の判旨に反し、「法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件」である(民訴法第318条第1項)。
 なお、申立人は、平成29年10月17日の身体(左下腿切断)の障害に係る最高裁判例を弁論主義の制度上否定するものではないが、この事件と本件精神の障害の事件とでは、法制上も運用上も大きな違いを認めるものである。同様な事件について、色々不合理な判決理由が主に地方において散見されるので、法令の解釈の統一の必要性がある。
以上

posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 10:13| Comment(0) | 1 障害年金