2017年09月30日

提訴関係資料の公開の目的


私が実務上の訴訟に関する資料を一部公開した目的は、従来からの目的、すなわち、「障害年金支分権の消滅時効問題について、国がこんなに不合理なことをやっており、自らは改善する意向のないことを一人でも多くの方に分かってもらいたいこと」に加え、「受給権者又はその支援者が実際に権利を回復するためのお手伝いをすること」である。

従って、本来の目的としては、弁護士や社労士等の士業の先生方が受任された事件のお手伝いをする積りは全くなかった。当然、弁護士の先生によってそれぞれご自分のお考えがあり行ってみえるのだから、相談もされない私が口を挟む余地は全くない。

しかし、障害年金の受給権者は、一般的には経済的弱者が多く、ほとんどの方々が、この問題に不満や疑問をお持ち(それ以上の問題は、ほとんどの方が問題自体に気付いていないことである)でも、不服申立ての詳細も実体も分からず、弁護士に代理委任するときの着手金の工面ができないのである。

私は、社労士であるので、この件について、訴訟まで行う立場にないのである。全国の弁護士の先生方が、私が勝訴した新聞記事を見たりした受給権者から依頼され、多くの事件を受任してみえるが、他に特段の事情のある事件を除き、全敗である。私としては、この現状を目の当たりにしては、ほっておけないのである。

当面、大阪高裁の判決が11月27日(月)、東京地裁のG法律事務所との共同受任事件の第1弾の事件が11月30日(木)の判決であり、こちらは、当面、順次7件までこの形での提訴を予定している。

私が、直接、保佐人、民訴法第60条の補佐人として事件を追行している名古屋高裁の事件も、11月9日(木)が第4回目の期日で、これで結審となり、その後2ヵ月ほどの後判決となる。

現在私が関わっている訴訟における現状は、このようなものであるが、私は、今年の末には、国を負かすための筋道を付けられるのではないかと目論んでいる。

筋道さえできれば、弁護士を使うにしても、身内の支援者が最適の手続きを選び進めるにしても、私が居なくても大過なく進む筈であるので、私は、訴訟の最前線で動くことはこの辺で止めようと思っている。

私が訴訟実務をやらないとなると、弁護士の先生に代理委任するか、不服申立制度を利用して、受給権者等が進めるのが通常の請求方法にならざるを得ない。

勿論、私は、後者の不服申立ての受任までを受けないと言っている訳ではないが、今後の私の大きな役割としては、受給権者等が自ら請求手続きを行う場合の適切な相談・指導業務だと考えている。

一方、勝てる筋道はできても、暫くの間は、厚生労働大臣は、不服申立てでは、請求容認をしないことも考えられる。

私は、その時のために、私の共同受任先(本件に係る提携予定先)には、先払いが困難な者への配慮として、着手金相当額を成果報酬に移していただく方式の共同受任方式をお願いしている。

その場合でも、訴額に見合った収入印紙代と予納郵券代は事前に必要となるので、受給権者にとっては、なおかつハードルが高いのである。

従って、実現には、勝てる見通しが付いただけでは本当の解決にはなっておらず、控訴、上告受理申立て等、なお、解決までに長い時間が必要となれば、弁護士事務所としては受け難い内容になるかもしれない。

これらが可能かどうかを含め試行しているのが、7件の提訴であるが、勝訴の見込みは今年中に付いたとしても、上記の事情もあり、被害者である受給権者が救済されるまでには、まだまだ、相当の期間がかかるかもしれない。

被告側には、良識ある対応を強く求める。
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2017年09月23日

NACS中部支部における「障害年金消滅時効問題研究会」発足の動き


私は、今年の6月17日(土)のブログで、「NACSへの違法性の研究及び行政への働きかけの依頼」をアップした。

その後に、支部長は本部と相談して下さり、結論として、中部支部で研究会を立ち上げる方向で動き出している。

支部長が本部に相談して下さったところ、O副会長様は、「三役会での話し合いの後、中部支部で研究会を立ち上げたらどうか、本部の力が必要なときは、資金面でもスキル面でも支援する」旨のメール回答があったとお聞きしている。

支部長は、「消費者契約法による被害等ではないので、対象外」との回答を予想していたそうだが、私は、本部の役員の方々の懐の広さに感動した。

保険者国は事業者であり、受給権者国民は消費者である。その被害の原因は、消費者法の違法やその解釈誤りではなく、年金法等の解釈誤りであり、消費者契約法とは直接関係しない法律の解釈誤り(疑い)である。違った視点に立てば、契約関係よりももっと厳格に履行されるべき年金法等の解釈誤りによって消費者被害があったとすれば、これは、消費者被害の一類型として当然に救済されるべきであると私は考える。

これは、消費者法が想定している「消費者契約」とは性質の異なる「年金法に基づく消費者問題」ではあるが、消費者法又は消費者団体によって救済の支援を受けられるべき問題ではないかと考えるのである。詰り、NACSとしても、消費者被害の一類型として対策を講ずべき問題ではないかと思われるのである。

なお、この問題に対して、平成24年4月20日名古屋高裁判決は、一定の結論を出し、最高裁第二小法廷の決定によりその判決は確定しているが、保険者国は、最高裁は、民法第158条1項の準用等を認めたものであり、国の法解釈誤りを認めたものではない。詰り、第1の争点であった「法解釈誤り」については、名古屋高裁の判決は、間違っているとして、未だ、運用改正等に至っていない。

上記判決を新聞報道等で知った全国の弁護士が、同様の事情にあった受給権者の依頼を受け提訴しているが、他に特段の事情のある事件を除き、今のところ、原告側が全敗である。

しかし、これらの訴訟では、問題の核心について議論されておらず、弁護士は、依頼者の側に立った代理人であるので、必ずしも公平の議論であるとはいえない。

その点、NACSは、どちらの側に付くのでもなく、中立的・客観的な議論を進められる立場にあるので、公平を旨として議論ができる。

そして、その研究結果を両者に周知すること、及び必要であれば、この問題を国民的議論を要する問題であると世論に呼びかけることもできる。

研究テーマは、以下の3点と思われる。
 1 現在の運用の違法性の検証
 2 不服申立制度の適用の可否
 3 事業者及び消費者への研究結果の周知・働きかけ方法

一定の目的が達成されれば解散される有期の研究会ではあるが、私は、意義は大きいものと期待している。
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2017年09月16日

大阪高裁控訴審 予想どおり第1回期日で結審


控訴審の第1準備書面は、先週公開した内容に、下記の第1を前文の次に加え、順次繰り下げた後、先週のブログアップの翌日これをFAX送付し、原本は、13日(水)の期日当日提出した。


第1 被控訴人の主張に欠落している点
1 裁定請求には支給決定の必然性は存在しないこと

 障害年金の支分権の消滅時効の起算点について、被控訴人の主張の根拠とする点は、いつでも裁定請求をすることができ、裁定を受ければいつでも支分権を行使することができるという点にある。
 しかし、被控訴人のこの主張は、裁定請求を行ったとしても、必ずしも、支給決定を受けることができない点を無視している。
 裁定請求を行ったことによって、当然に障害年金を受給できるのであれば、受給資格者の任意の判断によって、受給していない状態を解消することができるのであるから、裁定を受けていないことは事実上の障害といえよう。
 しかし、裁定請求を行ったとしても、厚生労働大臣の判断によっては、支給決定が必ずなされることにはならない。不支給決定を受けることがあるのである。このように、裁定請求を行っても、障害年金を受給することができるか否かは、厚生労働大臣の判断にかかっているからこそ、裁定を受けていないことは法律上の障害に該当するのである。
 被控訴人の上記主張は、裁定請求を行ったとしても、必ずしも、支給決定を受けることができない点を欠落させている。

2 老齢年金と障害年金の違いから分かる障害年金の受給要件の曖昧さ
 老齢年金は、一定の年齢に達した場合に支給されることになるが、その年齢に達したか否かは、誰がみても一目瞭然である。
 しかし、障害年金(特に、精神障害を負っている者)の場合には、老齢年金と全く事情が異なる。
老齢年金の場合の65歳到達という要件と、障害年金の国年法別表1又は別表2等との該当性を比べれば、受給要件の明確性が全く異なることは明らかである。
 被控訴人が何と言おうと、障害等級は診断書等によって総合判断されること及び障害等級をめぐって多くの審査請求や裁判が起されていること自体が老齢年金との違いを実証している。
 繰り返すが、最大の違いは、障害年金には障害認定があり、これが被控訴人のいうように受給要件を客観的に満たした時に受給権が発生するとはいえないことである。
 この障害認定には、診断書が重要な資料として機能しており、特に、精神の障害においては、日常生活能力の判定等があり、これは医師が直接見ている訳ではないので、その内容を伝える者の能力により、大きな差異が生じる。実際に、この伝え方によって、受給の可否が分かれる例も少なくない現状にある。


私は、厚労省の職員と私を証人申請していたので、それが不要なら1回で終わり、逆転勝訴と判断していた。結果は、1回で結審している。証人尋問については、裁判長は被控訴人の指定代理人に意見を聞かれた。指定代理人は「必要ないと思います。」と回答した。そこで裁判長も、裁判所としても「必要ない」と考えるので、結審すると宣告された。私は、この「必要ない」に係る二人の考えている理由は、おそらく、正反対のものであると感じたが、果して、結果はどうであろうか。私の逆転勝訴の判断の根拠は、以下のとおりである。

 裁判長が証人尋問不要と考えたのは、私の陳述書だけで十分だと考えたものと思われる。(別の言い方をすれば、控訴人が証明したいことを、証拠(証人尋問)により証明する機会を奪い、それによる控訴人敗訴は、公平を旨とする裁判所では採り辛い。)

 大阪高裁では、訴訟救助の申立ての疎明でも、勝訴見込みありと判断していたこと。

 今回の第1準備書面で、時効完成の立証責任は被控訴人にあり(年金法の受給権保護規定)、それが果たされていないことを明確に主張していること。

 被控訴人の答弁書には、被成年後見人の事理弁識能力については、何の反論もなかったこと。

  である。

本訴の原審は7回の期日の後結審している。名古屋地裁の2回とは違い、十分議論してるので、私は、高裁は1回で、控訴理由書と今回の第1準備書面で十分と考えている。判決は、11月17日(金)13:15 である。読者の皆様の予想はいかがなものでしょうか。楽しみにしていてください。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 10:16| Comment(0) | 日記