2016年06月25日

「争族」最前線

先週の土曜日、実は、6月18日は私の誕生日でもあったのだが、NACS(公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会)主催の研修会があり、名古屋市中区の伏見ライフプラザまで講演を聴きに出かけた。

この日の講師は、ご自身、消費生活専門相談員・消費生活アドバイザーであり、弁護士でもあられるY.E先生で、事務所を私の地元である西三河に構えてみえる。

実は、私は、このテーマと同じ講演を、この半年の間に2回も聴いている。相続税法の改正等に伴い、商機到来とばかりに、生保大手及び葬儀セレモニーを手掛ける大手から誘いを受け、私もこの手の話の適齢期と自覚しているので、誘いに応じたのである。

このときの講師は、税理士とその会社の講師を専門とする社員であったと思うが、今回のY.E先生の講義は、講義内容も資料もずば抜けて光っていた。

面白い先生で、沢山の資格をお持ちで、数え上げると合計70になると言われる。これでは、その管理だけでも大変である。

お話の内容は、「争族」への心構え、近年の動向、相続の基本、よくある事例、及び終りに、と5章に分けられていたが、約2時間で充実したお話しをされた。

例えば、税法の改正についても、どの点でどのような影響があるか等、分かり易い資料にまとめられ、対策案も具体的に示されていた。時を見て、頭の体操の時間も設けられ、3問の興味をそそられるクイズを用意されてみえた。全て3肢択一方式で、Q1「妻のへそくりの平均額はいくらか?」、Q2「葬儀費用の負担はどこから出すのか?」、Q3「平成26年度に国庫に帰属したお金はいくらか?」であったが、当てられて答えた方も中々の見識をお持ちと感心させられた。

今まで、他の講義では、聞かれなかった内容として、相続開始から申告までのスケジュールを項目別に必要日数、期間等を明記し、現実の対処にも役立つ資料がいただけた。余りにいい資料なので、落書きのないきれいなものを幹事さんの了解の下1部余分にいただいてきて、帰宅後スキャンしてタブレットでいつでも見られるようにしたほどである。

例えば、遺言についても、同様で、自筆証書遺言及び秘密証書遺言は、検認が必要となるが、この検認のために、戸籍を集めるだけでも1ヵ月以上を要してしまい、こんな面でも公正証書遺言が優れている旨の話は初耳であった。

よくある事例では、様々な実例が紹介され、例えば、寄与分の認定が現実には少ない等問題点も指摘された。また、相続放棄については、熟慮期間として3カ月以内と法定されているが、故意に4ヵ月目から借金取りが現れる等の実例もあり、実際は緩和措置が採られているから、3ヵ月を過ぎても相続放棄できる場合がほとんどである等の話は、実務経験者でなければ分からない話であると満足して気持ち良く帰ってこれた。

約1ヵ月ほど前に、突然来訪した仲間の社労士から、相続に関する勉強会の講師を依頼されていたのだが、資料作りに時間を割くことができないのでお断りしていた折も折であったので、今回の資料にはなお更の価値を見い出したのかもしれない。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 09:07| Comment(0) | 7 NACS

2016年06月18日

私を振り回す面白いお客様

一般社団法人社労士成年後見センター愛知が発足して、やっと、2歳になった。私も偶然の縁で、理事を務めているが、先月23日(月)に第2回目の定時社員総会が開かれ、議事は全て予定通り可決され、今年度の活動に入ったので一安心している。

社労士は、この制度への参入が遅れ、本来、介護保険法が制定された平成9年に動き出していなければならなかったとの意見もあった。社労士は介護保険法を含む社会保障・社会保険の専門家なのだから、当然の成り行きで、動いておれば、同法が施行された平成12年4月1日には間に合っていたという見解である。しかし、そのような意見は少数に留まり、実現しなかったよう(私は、平成23年10月1日登録であるので、不知)である。

従って、この制度の専門職としての就任は、私が、個人的に、名古屋のお客様から依頼を受けた保佐人の事例が1件あるだけで、まだ本格的な活動に入っていない。埼玉会等は、もう15年程度の実績を積み、裁判所からも社会からもそれなりの評価をいただいているようだが、愛知会は、まだ産声をあげたばかりである。それでも、東三河等の一部の先生は、以前から関心を持たれて、既に何件かの就任実績を持たれておみえの方もいる。

私自身も、組織とは別に、組織発足前から2件の成年後見人事件に就任し、色々な相談や出来事に対処している。神戸家裁での審判で始めたN.F様については、独断専行単独行動派で突っ走ってしまう人で、色々な予期せぬ事件を起こしてくれる。結果、私は、何時も振り回されている。口では、私の多忙を考えてくれており、「健康が心配」、とは言ってくれるのだが、行動は別である。裁判が趣味で、暇さえあれば、刑事事件を含め、傍聴に行っているようで、廊下で裁判長に挨拶されたことがあるという。

今回の事件も、私の知らないところで発生していた。この方は、東京に主治医が居り、大事な一人息子が神戸に居るので、東京と神戸の2つの生活拠点を持っている。この方の、障害年金支分権消滅時効の事件は、私が法定代理人成年後見人として神戸地裁に提起して追行しているが、この事件の前の東京地裁で、本人独自提訴の、却下・棄却の苦い経験から、「この裁判は、民事裁判でないと勝てない」との思い込みがあり、私の知らないところで、別の成年後見人を立てて、民事訴訟として提訴していたことは紹介済みである。ところが、これについては、書類不備で、裁判所から、併合か補正か取下げを求められていた。結果、私も相談に乗り、取り下げたのだが、今回の事件は、この取下げに係る受任弁護士とのやり取りに関するトラブルである。

裁判所からの補正要請に対しては、別の成年後見人(K.E氏)では対処できず、私に依頼することもできないので、法テラスで知り合ったH弁護士と代理委任契約を締結したようである。

私は、文書作成料 5万円の問題と聞いていたのだが、昨日兵庫県弁護士会に照会にしたところ、着手金として30万円を支払っており、東京簡裁にK.E氏を法定代理人成年後見人として提訴しているが、K.E氏が病に倒れ急死してしまったので、対応に困っているのである。

このK.E氏の急死についても、情報が入らず困っていたので、本人が動いても、個人情報だから、病院等も貴女には教えてくれない、K.E氏は貴女の成年後見人であるのだから、神戸家裁から聞いてもらえば、知れる旨アドバイスをして、私がこの事件の存在を知ることとなったのである。

私が、ほとんど交通実費だけで動いているので、悪いと思っているのか、私にさえ、本当のところを話さない。一昨日のメールでは、たぶん裁判所宛のものだと思われるが、応急措置用の文書を書いてくれというので、弁護士への依頼内容、弁護士が作成した文書の内容、及び東京簡裁への訴状の内容が分からなければ、その一筆も書けないと返信した。

その後、受任弁護士が作成した文書の一部と思われるA4版4枚の資料(宛先、当事者の表示が無いだけであるから、これで全文である可能性は高い)はFAX送付してきたが、それ以上の送信は無かった。「K.E氏も死んでしまったので、諦めるより仕方ないのだろうか」といった意味の淋しい返信があったが、電話もかかってこなかった。

昨日の午後、可愛そうになり、弁護士会への依頼も東京で「どうしてあげることもできない」との回答であったと聞いていたので、兵庫県の弁護士会に、この手のトラブルを解決してくれる調停等の制度の有無と概要をお聞きした。電話に出た方からは、既に依頼している案件か、新しい案件かの確認があったが、話している内に、直ぐに、既に依頼済みであることが分かってきた。担当者も決まっているので、後ほどその者から掛け直すとの回答を得た。

担当と案内された方とは異なる弁護士(「会」ではなく)のT氏と名乗ったように思うが、その方から、結果、既に本日話し合いを行っており、そこで既に、合意ができている旨をお聞きした。事件の内容については少し誤解があったが、概ね許容範囲の合意内容であった。

T氏によると、N.F様がH弁護士に支払ったのは、着手金30万円であり、それを返せというのがN.F様の申し出で、H弁護士は、まだ弁護活動に入っていないので、20万円なら返すといっていたようである。

これに対しては、既に調停案が出されており、20万円+取下げで帰ってこなかった収入印紙代17,000円(1/2相当額)とのことであった。

結果、私が追行中の裁判の次回期日に少し早めにお邪魔して、私がサインすることになったが、私としては、H弁護士の対応が、民事訴訟の根拠とした国賠の請求に係る必須要件である「公務員の違法」に対する質問に無回答であったこと、何の役にも立っていないありきたりのたった4枚の文書であったこと、及び弁護士が相手を成年被後見人であることを知っての契約であったことを考えると、返済額は25万円+17,000円が妥当であると考えている。要は、本人の気持ち次第だが、無責任なこの弁護士には腹が立つ。

N.F様は、忙しい私に対して、口では、「健康が心配」とか言ってくれるが、実に、色々な仕事を作ってくれる面白いお客様である。病気なのだから、許すより仕方ないのだが、私も、健康作り(運動)とストレス解消を真剣に考えないと手遅れになってしまう。

若いころは、身長173cm、体重60kgがベストであったのだが、今や、172cm、70kgで、昔のズボンを穿くのには苦しいのだから、既に手遅れかもしれない。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 11:03| Comment(0) | 1 障害年金

2016年06月11日

2度目の「上告受理申立て理由書」の提出

私は、遺族年金の消滅時効問題について、同じ方から再度の補佐人の選任を受けたので、標記は、一挙には作成し辛い面があり、昨日から上告受理申立て理由書の作成準備に入った。場合によっては、上告理由書も提出する予定であるが、私が最高裁判所に対して物申すのは、これで 3事件目である。

最初は、妻の事件について、法定代理人成年後見人として、反論書及び反論書に係る補充意見書を、合計3回提出している。今回は前回と違い、上告受理申立てをするのは当方であるので、受けて立つ立場とはずい分違う。従って、最高裁が受理するのは、概ね3%と言われているほど狭き門である。

原審判決は、最高裁の判断とも相反するものであり、権利そのものが非常に重要な権利であること、及び最も遵法精神を発揮しなければならない国による違法行為が公然と行われているという大きな問題であるので、「判断しない最高裁」とならないよう理由書の内容には、工夫を凝らしているところである。

私は、NTT在職中に、企業法務を担当していたことがあるが、まだその時は、高裁が間違った判断を下すことは稀なことだと思っていた。しかし、現実を目の当たりにすると、高裁においては、 間違いの山積みであり、最高裁においてさえ、本来受理しなければならない事案を平然と受理しないでいるように思えてならない。

私がかねてから言っている「私の事件」で、最高裁の対応を代理委任した弁護士は、私のNTT 時代の顧問弁護士事務所の中の一事務所で、勿論、この先生は、NTT担当者であった。 この先生は、東大法学部をご卒業の優秀な方で、10年間裁判官も務めてみえた方である。

事件解決後、この先生が言われた言葉が忘れられない。この先生には、最高裁に対して2通の意見書を提出していただいたのだが、「この文書が、間違った判断が下されないように、 少しは役立ったと思う」との一言である。

私は、必然的に、先生の10年間の裁判官生活での経験を想像した。数多くの色々な事件を責任ある裁判官として担当され、一方、直接担当されないまでも、数多くの色々な実際の事件を見てこられたと思う。 これらの多くの事件の中には、昔を振り返れば、間違った判断が下された事件もそれなりにあったものと推測する。現在の私は、瀬木比呂志先生の「ニッポンの裁判」等を読んでいるので、裁判所の誤判断は、当然あるものと思っているが、この先生の一言を聞くまでは、そんなことはほとんどないものと思っていたのである。

ちなみに、私が法定代理人成年後見人として現在係争中の神戸の事件では、被告は7つの高裁判決を引用して、「本件支分権は、既に、時効消滅している」と主張している。

これらの判決理由は、当然のことながら、基本権に対する権利不行使を支分権に対する権利不行使と混同させているものであるが、この主張が許されるのは、既に何度も述べているように、老齢年金の場合のみの筈である。提出された判決例の中には、通算老齢年金の事例が一つあるので、この場合は、私も、この判決理由は違法とは思っていないが、本件は遺族年金であるので、これが当て嵌まる筈がない。

裁定の法的性質から「裁定前には支分権は発生しておらず、従って、裁定前には、継続5年間の権利不行使はない」という主張を、正論とすれば(本件は、支分権の消滅時効の問題であるので、当然のことながら、支分権についての消滅時効の存否の議論が正論である)、幾つかの前提条件となる仮定を立て、その前提条件が成就されない内に次の推論へと進めている、「裁定請求さえすれば、当然に直ちに支分権に結びつき、現実に権利行使できる」という国の主張は、邪論、邪説とは言わないまでも、ある一定の場合(老齢年金の一般的な事例の場合)にのみに許される曲論である。

正論では、「年金の支分権は裁定があって初めて受給権が発生する」という立法政策に従っているので、この裁定には一定の範囲内の裁量権があり、既に存在する権利に変動を及ぼすことができる行政処分ということになる。ところが、曲論を主張する国は、裁定には、裁量権はなく、単なる確認行為にすぎないと嘯く。これが誤っていることは、後述する保険者自らの「処分変更」が合法的に行われている現実からも明らかである。

また、本論とは直接関係しない部分でも、これが高裁判断かとびっくりするような判決理由が述べられている。平成27年11月18日の福岡高裁宮崎支部の判決では「年金支給の基礎となる障害の有無やその状態それ自体は受給権者が最もよく知り得る事実であることにも鑑みると」と述べているが、これは、平成27年7月8日の東京高裁で喉頭がんの障害のある控訴人の場合に判決理由とされた表現であり、病識もなかった精神障害者にいえることではないのだが、カンニングされた答案用紙の回答のような判決理由が現実のものとなっている。

今一つ例を挙げる。これは地裁の例であるが、平成27年4月27日の宮崎地裁では、「国民年金法施行規則第31条2項4号では、障害基礎年金の裁定請求時に障害の状態に関する診断書を添付しなければならないと規定しているから、裁定請求時に年金を受給できるか否かやその等級が不明であるとは言えず、障害基礎年金と他の年金との間に差異はない」と判示している。

このような表現を見る限り、真面目な裁判官は、国が主張するように、裁定請求をすれば100%支分権に結びつくと、本気でそのように思っているのかもしれないが、余りにも無知というか、机上の空論というか、これが裁判所の判断と思えないような表現に、私は空いた口が塞がらない。障害認定日現象と請求日現象が同じ内容の診断書でも事後重症認定とされており、再審査請求の途中で保険者自らが処分変更をしてくることがあるのだから宮崎地裁の誤りの理由を詳述する必要はないが、このような重要な取扱いについて、最も遵法精神を発揮しなければならない筈の国が違法行為を公然としているのだから、最高裁も黙って見ていて良い筈がない。

本来、このようなことで多くの裁判が提起されていること自体が異常であるのだから、最高裁もいよいよ重い腰を上げなければならない。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 14:19| Comment(0) | 1 障害年金