2016年03月26日

国の屁理屈の内容

障害年金の支分権の消滅時効に係る国の姿勢には理解できないことが多い。私の考え方を一つでも認めれば、芋づる式に申立人が出現し、そのために支払う資金もないからという立場は分かる。しかし、それでは国は、今のような矛盾だらけの不合理な運用を半永久的に続けることができるのか。それは、困難である。

関係条文の解釈について、最高裁や社会保険審査会でさえ、支分権は裁定前には行使できないといっていることに対して、国の主張の矛盾をどのように解消するのかというと、その方策がない。これでは単に、お金を払いたくないだけのことになってしまう。稼得能力を失ったり減退させている障がい者に対して、命綱ともいえる障害年金、これは、既に個人の財産となっている支分権であるので、この権利を違法な手段で制限しているのだから、国の行為は、憲法第29条1項にも違反する憲法違反である。

3月16日(水)の神戸地裁の第3回期日後には、原告に当たるN.F様に、名古屋の事件の謄写資料の後半の部分を持参願い、要所をコピーした。

そこで分かったことだが、私が一度も電話照会を受けたこともない、ある大阪の弁護士が、わざわざ、名古屋まで出向き、この資料の閲覧申請をしていたのである。そこまで価値のある判断に対して、国は裁定前には支分権を行使できないことまでは認めているのであるが、そこからの論理がどうにも成り立たない。根本として、この年金の消滅時効は、継続5年間の権利不行使がなければ消滅しない。これは、何人も変えられない厳然たる事実である。

この問題は、年金の支分権の問題である。従って、これを時効消滅させるには、支分権に対する権利不行使が絶対に必要である。ところが、基本権と支分権は、各々独立した権利であるので、裁定前には、権利行使できない支分権に対する権利不行使期間が存在せず、権利行使する機会さえもなかったのであるから、国の推論は続かない。どうしても、論理の飛躍ができてしまうのである。

これが成り立つためには、現在の国の運用を決めた内簡による以外手段がないのであるが、これは、法令ではないので、国はそれを認めていない。国のこの内簡による運用は、年金法、会計法、及び民法を解釈した結果であって、この内簡に基づき運用しているものではないというのである。

そうであれば、裁定前に支分権に対する権利不行使期間は存在しないのであるから、支分権の消滅時効が完成する筈がないのである。これを完成させるには、 前述のように、支分権に対する権利不行使が絶対に必要となる。そこで国は、基本権に対する権利不行使を支分権に対する権利不行使とみなす主張をしているのである。その理屈は、国の指定代理人によって、多少の違いはあるが、概ね、次のようなものである。

裁定請求は、年金法によって受給権者に必要な行為として予定されており、これを行うことに国は何の制限も負担も課していない。そして裁定請求しさえすれば、支分権は直ちに行使できるのだから、これをしなかったことは支分権を行使しなかったことと同じである。

民法第166条1項は、「消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。」と定めている。この意味は、期限の未到来とか、条件の未成就のような権利行使についての法律上の障害がない状態を指すものであって(最高裁昭和49年12月20日第二小法廷判決・民集28巻10号2072頁)、権利者が権利を行使し得る状態にあることを知らなくても時効の進行は妨げられないと解されてされている(大審院昭和12年9月17日判決・民集16巻1435頁)。

また、同時履行の抗弁権が付着した債権など、債権者側の意思によって障碍を除くことができる場合には、時効の進行を止めないと解されている(我妻栄・新訂民法総則484、485頁、川島武宜編・注釈民法(5) 281、282頁 〔森島昭夫〕)。本件の場合、裁定請求をすることができる時が権利を行使することができる時に該当する。従って、請求分の最も遅い月分についても、この時から、既に5年間は経過しているので支分権の消滅時効は完成している。

従って、時効の進行は、法律上の障碍がない限り止められず、不知や病気等の理由は、法律上の障碍ではなく、単なる事実上の障碍である。さらに、法律上の障碍であっても、権利者の意思によって止めることができる碍害は、上記のとおり、時効の進行は止められないと解釈されており、本件の場合、裁定請求は、受給権者がしようと思えばいつでもできるものであるから、これを、法律上の障碍とした場合でも、時効は進行し完成している。

この国の主張には、障害年金の場合には成り立ち得ない部分が、複数あるのだが 読者の方々はお気付きでしょうか。私は、この理屈は、一般的な老齢年金の事情の場合には、許容している。しかし、これは、あくまで例外であり、基本から外れる。しかし、国や一部の裁判所では、この基本と例外を逆転させているのだから、これでは、我が国は法治国家とは言えない。

この国の無茶苦茶な主張に対して、精力的に継続的な改善活動を続けているのは、私と、過日紹介した私の後継者の最有力候補であるA.A様以外に、私は知らない。


残念ながら、私は、弁護士ではないので、全ての受任事件につき、議論できる体制で主張を展開できる環境が万全であるとはいえない。しかし、既に、来月に迫った改正行政不服審査法に基づく審査請求を1件受任しており、このブログでも紹介したことのある案件で、現在、事後重症による障害基礎年金を受給してみえるS.H様が、昨年10月から認められた方法を利用して、厚生年金期間の初診日による再裁定請求をされる旨の意思表示をされているので、この事件についても、消滅時効問題について、弁明書と反論書による論争ができる体制が確保されている。

裁判についても、佳境に入ってきているので、これを期に、国の屁理屈を壊滅させたい。これは、私の強い意思である。そして、下級裁判所が、ぐずぐずしているようであれば、この不合理を解消させるため政治的な活動も並行させる覚悟である。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 15:46| Comment(0) | 1 障害年金

2016年03月19日

神戸の裁判への期待

私が障害年金(例外として、遺族年金の事件も一件受任)支分権消滅時効に係る法解釈誤りを問題にしている事件について、私は弁護士ではないので、これがベストの手段であるとの検討結果に基づき、不服申立制度を基本として請求手続を進めている。

これについては、来る平成28年4月から、行政不服審査法が改正施行され、事務の進行上、及び公平性・公明性上期待の大きいものがある。

私がこの事件について裁判を始めたのは、平成22年3月31日提訴の法定代理人成年後見人の本人訴訟として、私の妻の事件が最初であり、この事件については、平成24年4月20日の名古屋高裁の逆転判決で、従来の判断になかった画期的な判断が下された経緯がある。平成26年5月19日付で、最高裁第二小法廷の判断により確定し、 既に3年7カ月分の年金と約8年弱分の遅延損害金を受領している。

この時の国の主張が余りに身勝手で、矛盾だらけであったので、これは法改正又は運用改正を要すると、私の諸活動が始まったのである。

それでも、受任事件について、いきなり裁判というのは種々の面でなじまないので、当初は試行錯誤をした時代もあり、日本年金機構理事長や厚生労働大臣に対する請求から始めた。不服申立て期間内の事件については、年金決定通知書の教示に基づき、この方法なら敵も受付けざるを得ないだろうと、審査官への審査請求、及び審査会への再審査請求の請求手続をしていた。しかし、いずれも事件そのものに対する位置付けを誤ったり、違法な根拠を正当な解釈と位置付けた理由付けによる棄却又は却下をされてきた。このこと自体も同じ内容の事件において、審議され、誤った理由により棄却されている事件もあるのだから、おかしな話だが、本日はこのことが主題ではないので割愛する。

研究の結果、行政手続における請求方法は、不服申立の一般法である行政不服審査法に基づく異議申立てをするのが正当な手段であることを突き止めたのだが、国は未だ、その認識がない。 従って、国はこの問題に対して、教示をしてこなかったので、通常の不服申立期間を経過しても、問題の支分権の時効が完成していない限り、この手続きに基づく請求ができることになってしまう。

裁判の話に戻るが、私の場合、既述の不服申立手続を終えた場合に、初めて裁判を検討する(私の頭の中には、受任当初からその人その人に合ったベストの選択肢はある)のだが、障害年金の受給権者は、一般的には稼得能力を失ったり減退させている方なので、当然経済的弱者が多い。従って、私やご両親、子供、兄弟姉妹等が本人訴訟支援の体制で対処するのが当初の対応であった。

この場合も、本人は障害者であるので、裁判長の言われることを理解できなかったり、本人が入院してしまったり、裁判所に出向いただけで血圧が上がってしまったりで、アクシデントが続き十分な対応ができなかった。途中から受任弁護士に代理人になってもらったりして、法廷闘争を続けてきた。

この場合は、受任弁護士が基本的な主張はしてくれるので、平成27年4月1日の改正社労士法の施行日以降は、私は社会保険法の専門家として、実務経験上からの意見を述べれば役割は果たせるという利点はあるが、限られた短い期間内での受任弁護士との意見調整には苦労した。

ところが、この神戸の事件は、訴状は勿論、準備書面の提出から書証の選択まで、私の信念に基づいて対処できるのである。勿論、本人は判断能力や行為能力はないとしても、意思能力はあるので、本人との意見調整は十分に行うのであるが、微調整を要するのは、実際には、本人の経験や環境・経歴の部分のみで、基本的な主張部分に相違はある筈もない。

偶然のことだが、この神戸の事件のご本人は、私の事件の全資料の謄写を申請し、約5万円を費やしこれを入手してくれた(変に思われる方もみえるので、弁解すれば、私の資料は、事情により、最高裁での意見書を書いてくれた弁護士の所属事務所に保管中である)。この資料の中には、私の事件で、控訴審において初めて提出した 愛知県社会保険労務士会 三河中支部の研修会資料があり、翻ってみれば、そこで私は、 この事件に関する核心部分について質問をしているのである。

そして運が良いことにその時の講師が、正義感に満ち、大胆さも兼ね備えた相談室長であったのだ。この方は、上部機関である当時の東海北陸厚生局に照会し、ご本人は、自衛隊員における最高裁判例まで調べられ、上部機関の見解が、意に沿うものでなかったので、「もし、このような事件を受任された先生方がおみえでしたら、是非、最高裁まで争い勝訴してください」、とおっしゃったのである。 そうでもしないと変わらない保険者の体質を見抜き公言されたのである。

もしかすると、名古屋高裁は、この資料を見て真剣に検討したのかもしれない。保険者内部の現場第一線の責任者ですら、原告と同じ考え方をしているのだから、ここで裁判所が本領を発揮しないでどうするのだ、と自身を鼓舞したのかもしれない。

いくら、裁判官の独立が保障されているからといっても、従来と全く違った市民寄りの判断を下すのには、余程の根拠と確信がなければできないことである。

勿論、今週3月16日(水)に第3回期日を終えた神戸の事件では、この書証も追加して、裁判官にも分かり易く主張しているので、この事件については、特に、裁判所の良識を期待している。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 19:24| Comment(0) | 1 障害年金

2016年03月12日

春の兆し

先週から今週にかけて、お客様から相継ぎ、男女間の目出度い話が舞い込んだ。先ずは、私の障害年金の取組に関する応援団長であるメイ恵理香様である。最近、ボーイフレンドができたとのことであるので、今度はお互いに理解しあえる仲となり、目出度くゴールインしてほしいと記念している。結婚後、病気が原因でオーストラリア人であった元夫とは、4カ月で離婚し、今年3才の可愛い男の子がいるので、勿論、その環境を容認した上でのお付き合いと思われる。

続いて、大阪府堺市の、現在は老齢厚生年金を受給しておみえのK.I様(男性)からは、今後、自分が結婚した場合、結婚後の妻には、もし、自分が死んだ場合、遺族年金が支給されるかどうかの質問を受け、お話しの内容からは、ゴールイン間近の雰囲気であった。また、ご自分の死後のことまで奥様になられる方のことを配慮され、この方の、心からの思い遣りと深い愛情を感じ取れた。この方は、ご長男は、遠方で暮らしてみえるが、ご長女ご夫妻が近くにお住まいで、お孫さんの成長を楽しみに見守られておみえだ。

また、福島県のY.I様(女性)からは、まだ若い頃から、お互いに想い合った仲のお相手からプロポーズされ、応じる旨の話を聞いた。この方は、全く不安がない訳ではないが、前の結婚は、身内の者等からの勧めで結婚しており、お互いに想い合った仲ではなく、「市役所に勤めているから安全だ」とかの要素で結婚したのが失敗の主因だと言われる。

今度は、お互いが想い合っており、自分の意思で結婚を決意しているので、その点の不安は全くないという。ただ、現在、何百坪という広い土地で、周りから全く見られていない所で長い間暮らしてきたので、人から見られる環境で暮らせるかどうかが多少は不安だと言われる。

ということは、結婚後は、ご主人の住居に入るということであり、お相手は、財産目当てのプロポーズではなさそうであると想像できる。私としては、精神の障害で障害基礎年金を受給してみえる人であり、お金を騙し取られたこともあったと聞いていたので、多少は配慮して、支援できる面があれば、支援しなければならないと思っているが、お互いに、想い合った旧知の仲とのことであるので、その点は大丈夫ではないかと判断している。

また、この手の話で、臆病になり過ぎても、弊害になってしまうので、難しいところではある。お三人ともが、再婚であり、メイさんを除けば、60台と70台での久々の春の兆しであり、目出度い話であるので、今後の人生を豊かなものにするよう愛を育てていってほしいものと期待している。

今週も、偶然の重なりに驚かされているのだが、私の所には、どうしてこんなにまで同じような話が短期間の内に重なって来るのかと不思議でならない。それとも、春が近いので、人間の世界では、どこでも恋の季節になっているのだろうか !?

懸案の消滅時効事件についても、一昨日の福岡高裁での控訴審期日で、裁判長からは、これは、事実認定の問題というより、法律の解釈の問題であるので、「判断を求める」ということで良いですか、との質問があり、控訴人側も、それで良い旨の回答をしているので、もし、国寄りの判決を出すにしても、今までとは違った判決理由を要し、判決が待ち遠しいところである。判決は、5月12日(木) 13:10 である。

こちらも、油断はできないが、春の兆しか !?
タグ:遺族年金
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 09:39| Comment(1) | 11 所感