2018年07月14日

上告理由書(草案)分割 @


平成30年(行サ)第91号 行政上告提起事件
上告人  井原 毅士生
被上告人 国
(個人情報については、ご本人の意向もあり生データです。直接お聞きになりたいことがあれば、電話、FAX等も受付けされます。)

上告理由書(草案)



平成30年7月28日

最高裁判所 御中

住所 〒590-0013 大阪府堺市南区晴美台4丁 1−11−1102
上告人兼申立人  井原 毅士生 ㊞
電話番号 072−295−7060
携帯番号 090−8466−7695


送達場所  471-0041 愛知県豊田市汐見町 4ー74ー2
 木戸 義明


(第3までの論旨は、上告受理申立て理由書と共通,
自動作成の目次はうまく貼り付けできなかったので割愛しました)

第1 事件の概要
1 本事件の概要及び原審までの経緯

 本事件の概要及び原審までの経緯は、概ね、「原審第2 事案の概要等」に記載されたとおりである。
2 原審の判断
原審の判断は、第一審の判断を踏襲し誤っており、過去の類似事件の高等裁判所の判断に反し、申立人が控訴審で加えた主張については、概ね理由を述べているが、控訴人の主張を正確に把握していないまま理由を述べ、重要な、基本的事項につき事実認定に経験則違反、並びに事実認定等の理由に食違い(理由の不備、及び理由の齟齬)、及び理由の欠落があるので、直ちに、上告状兼上告受理申立書を提出したものである。

第2 原審判決の概要
以下に原審の概要を記すが、斜線部に誤判断の根本原因としての問題がある。以下に誤判断の要点を挙げる。
なお、争点2については、詳述を割愛する。なぜならば、争点2に係る原審の棄却理由は、「裁定請求時には既に時効消滅している」ことを前提としているので、実際は、時効消滅していなければ、それが覆るからである。
1 裁定の法的性質、裁量権、及び年金の種類による違い(原審第3の2(1))」について
上記について、原審判決は、第一審判決を引用して、受給要件等につき年金法の規定が明確に設けられていること及び裁定は確認行為にすぎないことに鑑みると、裁定を経ていない支分権もその支給事由が生じた日の属する月の翌月から支給を始めるべきものとして、支分権が順次潜在的抽象的に発生するものと観念できる。
そして、裁定を受けさえすれば、その支分権を行使できるところ、裁定請求をするかどうかは専ら受給権者の意思にゆだねられていると被控訴人の主張を認めた判断をした。
従って、本件支分権は、厚生年金保険法36条所定の支払期が到来した時から進行すると解するのが相当であると判示した。
控訴人は、裁定の法的性質等について、理由を挙げて、障害年金と老齢年金の違いについて説明、主張しているが、原審は、「別異に解する理由はない」と判示し、その理由として、「受給権の発生要件が社会保険庁長官による確認の対象になっており、その判断に裁量がないということに変わりはなく、裁定請求者が主張した初診日及び障害の状態が社会保険庁長官によりそのとおり確認されない事例があるとしても、それは確認できるだけの資料がなかったというだけのことであって、社会保険庁長官による裁定の法的性質が老齢年金の裁定請求の場合や精神以外の理由による障害年金の場合と異なることになるわけではない。」と判示した。
2 「知った時から起算:改正法の考え方(原審第3の2(2))」の正当性の否定について
控訴人の主張するところのものは、事実上の障害であって、法律上の障害ではないし、そのことにより権利の性質上その権利行使が現実に期待できないというものでもないから、消滅時効期間の進行が妨げられるものではない。
なお、控訴人の主張する改正民法によっても、同項2号に該当する場合は、時効消滅するものとしていることは明らかであるから、同項1号の規定から控訴人の主張の正当性が裏付けられるわけではない。
3 「権利行使の妨害が信義則違反(原審第3の2(3))」であることについて
本件裁定請求の時点で本件不支給部分は既に時効消滅しているから、控訴人の主張する回答や通知により控訴人の権利行使は何ら妨げられていない。
4 「年金法の受給権保護規定違反は信義則に反する(原審第3の2(4))」ことについて
この規定は差し押さえること等を禁止しているだけで、会計法30条及び31条の規定の適用を排除していないから、年金の受給権が重要な権利であるというだけで、信義則違反とはならない。
5 「年金法や重要な基本法及び内部通知に反する主張の信義則違反性(原審第3の2(5))」について
控訴人の挙げる関係条文等の規定が、厚生年金保険法36条所定の支払期が到来した時から進行することを否定していると解すべき理由は見当たらない。
「…法定代理人が選定されてから6か月間は消滅時効が完成しない旨を述べるものであり」、控訴人の上記主張は採用することができない。
(判決文の「前記第2の3(2)ウ」(6頁下から2行目)は、「前記第2の3(3)ウ」の誤記と思われる。)
6 「精神の障害で病識もない場合が事実上の障害か(原審第3の2(6))」について
「障害年金の受給は当該傷病について医師の診察を受けていることが前提とされているのであるから、裁定請求者が当該傷病にあることを認識しているのが通常のことである」等のため、事実上の障害である。

第3 原審の違法と主な矛盾点について
一口でいって、本書第2の1で示した原審の判示内容は、老齢年金についていえることで、障害年金については、原審判示の結論は成り立たず、潜在的抽象的に観念することもできない。従って、法36条所定の支払期(原則的な支払期月)が到来した時から進行を開始するともいえない。
上告人は、障害年金においては、少なくとも、本書第2の本項該当部分の下線部の判示が判決理由としては食違が生じているので、それをできるだけ控訴審までの主張と重ならないように証明する。
1 本書第2の1(裁定の法的性質等)について
原審には、多数の違法がある。これについて、原審は、問題の根幹部分については第一審判決を引用している。控訴審により付け加えられた主張以外の部分については、「第一審判決の『事実及び理由』欄の『第3 当裁判所の判断』に記載のとおり」(4頁14行目)であるから、これを引用するとする。
この第一審の判決では、最高裁平成3年(行ツ)第212号同7年11月7日第三小法廷判決(以下「著明最高裁判例」という)の判決文、及び最高裁平成29年(行ヒ)第44号同年10月17日第三小法廷判決(以下「今回最高裁判例」という)の判決文を適用し、本件支分権の消滅時効は、「厚生年金保険法36条所定の支払期が到来した時から進行するものと解するのが相当である」と判示する。
上告理由上の問題は、上告人が訴状で主張した内容を、的確な理由を示さず「独自の見解」であり、採用することができないとしたところにある。
長年政府が正しいこととしてやってきたことに異を唱えれば、独自の見解にならざるを得ず、この場合のこの言葉の意味するところのものは、一般に判決文で多用されている「独自の見解」とは内容が異なる。
従って、原審の説示は、障害年金においては、食違いが生じており、主文を導き出す理由となっていなかったので、これを第3以降で証明する。
(1)「法の規定が明確に設けられている」について
原審の引用する第一審判決では、「…法に明確な規定が設けられており、…」(第一審判決6頁11行目)と判示する。
障害年金について、この明確性を「明確性あり」と認めるのには、関係規定によって、受給権の有無や、障害等級が少なくとも裁定請求の時には分かる内容でなければならない。なぜなら、それを満たさなければ、基本権に対する権利不行使を支分権に対する権利不行使とみなせる理由がなくなるからである。
原審の引用する著明最高裁判例の記述は正しいことを述べており、これは、通算老齢年金に係る部分の記述であるので、老齢年金一般に関してはいえることである。しかし、本件精神の障害に係る障害年金については、法の関係条文の内容も運用規定の内容も老齢年金とは全く異なる(42条vs47条、障害認定基準(参考1)、精神の障害に係る等級判定ガイドライン(甲6))。
そして、基本権に対する権利不行使を支分権に対する権利不行使とするためには、受給権の有無や、障害等級が少なくとも裁定請求の時には分かる内容になっている必要があるが、障害年金の場合はそのようになっていない。
これを重要な部分について、日本年金機構の発行する「障害基礎年金お手続きガイド」(参考2)により老齢年金には存在しない障害年金特有の仕組みについて説明する。この資料は、「障害基礎年金」とされているが、以下で述べる事項に関しては障害厚生年金においても変わりない。
ア 初診日証明について
障害年金を請求するには、受給権者が医証を提出して初診日を証明する義務が課されている。初診日は単純ではなく、初診日の特定も困難な場合もある。相当因果関係のある傷病に関して、それより以前に医師の受診があれば、前へ前へと初診日は変わっていく(参考2、9頁〜10頁)。また、カルテがなかったり、病院が廃業していたりして初診日証明をいただけないこともある。
1例を示す。少なくとも12以上の医療機関を受診して病名と原因を必死で探したが結果が得られず、資料(参考3)の13番目に受診した古町心療クリニックの村竹辰之院長によって、初めて病名が「特定不能の広汎性発達障害(F84)」と特定された例である。それも経過等を観察し、約2年後の判断である。
病名も原因も明らかにならない内に裁定請求はできない。初診日も分からないのである。本件についても、某大学病院の精神科にかかっていたので、精神科から診断書を徴したが、結果、その科の初診日ではなく、同大学病院の耳鼻科での受診が相当因果関係がある傷病とみなされ、同科の初診日が、障害年金請求上の初診日と確定した。
イ 障害認定日について
障害認定日についても、今回最高裁判例のような身体(左下腿切断)の障害の場合であれば、参考2、4頁のように明確であるが、精神の障害の場合は、このような明確な決まりがないので、ほとんどの場合、初診日から1年半経過日とされている。
しかし、前述は一例であるが、初診日さえ特定できない場合も多くあるので、その場合は、障害認定日も特定できないことになる。
ウ 規定の明確性について
初診日や障害認定日が決まらなければ、その後のことは、一歩も進まず、裁定がされることはない。原審に従えば、それでも支分権の消滅時効が進行し、完成することになってしまう。
 原審のいう規定の明確とは、規定に従えば、裁定の余地はなく必ず裁定されることを意味しているが、その点、障害年金の規定は、明確に設けられているとはいえない。
(2) 「裁定は、…確認するものにすぎない」について
ア 最高裁判決自体の正当性と判例としての評価は異なることについて
上記の判示(第一審判決6頁11行目)部分は、著明最高裁判例の通算老齢年金に関する部分の記述であり、今回最高裁判例は、保険事故及び裁定の性質・機能・効果については、老齢年金と酷似した部分があるので、弁論主義の現実を考えれば、今回最高裁判例自体の判決理由に判断の誤りはあったとはいえない。
しかし、事案の異なる精神の障害については、この判例を適用できるだけの実体(規定の明確性及び裁定の確実性)がない。今回最高裁判例が出されて以降、ほとんどの下級審がこれを適用して、誤った多くの判決を出している現実を見逃すわけにはいかない。多くの悲惨な問題を発生させている現実を一刻も早く修正する必要がある。
イ 確認行為型の裁定には一定の裁量権があることについて
原審は、裁定の法的性質について、本書「第2の2(1)」のとおり判示した。
上告人は、確認行為型の裁定に一定の裁量権があることに関しては、最高裁判所判例解説(甲第7号証、939頁〜941頁)を引用し十分に説明しているが、原審判決は、この説示(甲7)に従えば、主文が全く反対の結論になるところ、この書証の説示に誤りがある旨の指摘や、この書証の考え方を採用しない理由は付されていない。実際は、付されていないというより、矛盾が生じるので付すことができないのである。
A 裁定における老齢年金との違い
障害年金の裁定に一定の裁量権のあることを最も分かり易く説明するには、老齢年金と障害年金の違いについて説明するのがベストである。年金について勉強すれば直ぐにでも分かるこの違いを、法律の専門家は「別異に解する理由はない」(4頁下から1行目)と判示する。
問題の裁定が、国年法16条及び厚年法33条という同じ条文に基づく処分であるという意味では、老齢年金の場合でも障害年金の場合でも差異は生じていない。しかしそれは、この条文に基づけば、本来、老齢年金においても立法政策上裁量権はあるのだが、老齢年金においては、その権限を行使する必要がなく、発揮されていないだけのことである。原審はこのことを見逃しているので、差異のない説明になっていない。
同じ現象だからといって、この違いを混同すると、原審のように「差異はない」という結論になってしまう。この違いは、規定上も経験則上も明らかであるが、更に明確化する。
B 老齢年金には初診日証明義務も障害等級認定の存在しないこと
第一に、障害年金には初診日があることであるが、これについては、上記第3の1(1)アを引用する。
第二は、裁定の最も重要な部分が、障害等級認定であるが、これは原審の判事内容とは異なり、処分行政庁には一定の裁量権があることである。障害認定基準には、色々な側面から細かな基準が記載されているが、それでも客観的な等級の判定は不可能で、最後は、「その原因、諸症状、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等」により、総合的に認定する旨の規定であるので、裁量権のあることは疑う余地がない。そして、不服申立て中に、保険者自らが「処分変更」をすることがあるのだから、これは違法ではなく、裁定に裁量権のあることは、動かし難い事実である。
C 医証も取れない内に時効だけが進行していってしまう矛盾
障害年金では、初診の病院等が廃業したり、経営者が変わっていたり、カルテが保存してなかったりすることは頻繁で、その場合は、当然初診日証明もできない。原審によれば、そのような場合においても支分権の消滅時効はどんどん進んでいってしまい、基本権の発生月の翌月から5年が経過すれば支分権の時効は完成することとなってしまう。
D 当然発生型の行政処分と混同した誤判断の存在
 原審は障害年金の裁定請求には、裁量権が全くないと判示する。そして、札幌高裁(乙第37号証、4頁下から9行目)においても、「画一公平な処理を図るために基本権の取得につき厚生労働大臣による裁定を受ける必要があるとするなどの厚生年金保険法の規定及び趣旨に照らすと、処分行政庁は、厚生年金保険法47条に定められている障害年金の受給要件が満たされているかどうかの判断や、障害年金の受給要件が満たされているときに障害年金の裁定をするか否かの判断について、裁量権を付与されているものではないと解される。」との同様の誤判断が見られるが、この解釈は、最高裁判例解説(甲第7号証)でいう当然発生型の立法政策の場合に当て嵌まるものであり、他の立法政策による裁定等に当然に当て嵌まることではないので、明らかに法解釈を誤っている。
E 裁定に裁量権のあることを示す特徴的な事実について
これを実務上証明している最たる事例が、上記で述べた、保険者が不服申立ての途中で、自ら処分変更することがある(参考4、参考5の1及び参考5の2)ことである。これは、裁量権なくしてなし得ない。正しく裁定には一定の裁量権のあることを証明する最も端的な事実である。
F 多数の要素の総合評価は裁量そのものであることについて
精神の障害については、等級認定に係る詳細な「ガイドライン」(甲第6号証)が出されていても、明らかな地域差があったのであり、このような決まりがあっても、なお、障害等級の目安についても、「必要に応じて診断書を作成した医師に内容確認をするなどしたうえで、「I 障害の状態 ウ 3 日常生活能力の程度」及び「日常生活能力の判定」以外の診断書等の記載内容から様々な要素を考慮のうえ、総合評価を行う。」のである。
総合評価の際に考慮すべき要素としては、「考慮すべき要素は例示であるので、例示にない診断書の記載内容についても同様に考慮する必要があり、個別の事案に即して総合的に評価する。」ことになっているのだから、原審の「確認できる資料がなかっただけ」との憶測は明らかに間違っており、障害年金の裁定に裁量があることは動かし難い事実である。
(3) 「法36条所定の支払期が到来した時から進行する」について
 原審は、上記(3)の表題の「所定の支払期」を厳密に考察していない。他の表現からは、同条3項の原則的な支払期月を意味するものと思われるが、この条文には、ただし書が存在するのだから、これは条文全体を見ていない独善的な解釈である。原審は、その独善的な解釈に基づいて、「…法36条所定の支払期が到来した時から進行することを否定していると解すべき理由は見当たらない。」としているが、「法36条所定の支払期」の定義自体が、上告人や一般的見解とは食違っているのだからこの説示は意味をなさない。
この曖昧な観念に基づいた誤用を排斥し、以下で正しい解釈について詳述する。
ア 法第36条の規定は、期限の定めの規定であること
法第36条は、この条文のタイトルどおり「年金の支給期間及び支払期月について規定したもの。」(参考6、187下段11列目)である。この支払期月は、期限そのものであるので、期限の定めのある債権である。同条3項では、原則的な支払期月を定め、例外的な支払期月を「ただし書」として定めている。これは、いずれにしても、期限の定めである。
基本的に、債務の期限を債務者が自由に決められることは、商人間でも私人間でも通常の取り決めでは考えられない。債務者が支払期限を自由に決められるのであれば、債権者が不測の損害を被ることになってしまうからである。
このことは、公的機関と私人間でも同様である。従って、この事実を否定することはできない。
法の定める原則的な支払期月は勿論のこと、3項ただし書の定める支払期月についても、期限の定めのある債権である。後者については、不確定期限にはなるが、期限の定めが存在する。
年金の支払期月の規定が、期限の定めのある債権であることを分かり易くするために他の法令と比較する。例えば、地方公務員災害補償法では、法令自体に期限の定めはない。従って、障害補償及び福祉事業決定通知書に「支払日(振込日 平成9年4月30日)」(参考7)等として、必ず記載される仕組みになっている。この場合、この通知がされた時に初めて、期限の定めのない抽象的な債権から期限の定めのある具体的な債権に変わるのであるが、公的年金では、予め年金法により支払期限が定められているのである。
イ 法第36条には、ただし書が存在すること
原審判決のいう所定の支払期は第一審の判断を踏襲して推論を進めており、ただし書については検討の対象になっておらずその存在すら意識していない。これでは正しい判断が導かれるわけがない。本件に係る正しい支払期月は、上告人の主張するただし書であるので、正反対である。
第一審の判決文を読むと、関係法令に本条ただし書が挙げられておらず、最も重要な関係条文が認識もされていなかったことになる。
ウ ただし書の適用解釈(適用場面)について
これに関しては、このただし書は、裁定の遅れ等のために事務が遅れた場合に適用される例外的規定であり、限定列挙の規定である旨、「…3項ただし書は、同項本文所定の支払期月が経過したものの、裁定手続の遅延等によって未払いになっている年金や、失権や支給停止が生じた場合における直前の支払期月の年金については、同項本文所定の直近の支払期月を待つまでもなく直ちに支払う旨定めたものであるから、…」との説示をした下級審判決(名古屋高裁平成27年6月17日判決 平成27年(行コ)第6号、判決文4下から11頁行目)も見られるが、この解釈は、発想の根本から誤った判決である。
この規定は、上記アのとおり、支払期限の規定であるので、支払期月については、全ての場合が網羅されている。従って、ただし書は、限定列挙の規定ではなく、例示的規定なのである。
従って、本件における具体的な支払期月は、ただし書を適用し、裁定時(ただし、初日不算入)が起算点(甲第5号証、252頁左から2列目)となる。
これが正しい解釈であり、裁定前の過去分のありもしない観念上の偶数月を「法36条の所定の支払期」とする被上告人の主張及び原審の判示は、年金法及び民法の定めと論理が噛み合わず、現実の問題としても起こりえないフィクションであるので、違法は明らかである。
エ ただし書の具体的な支払期月の解釈について
ただし書の具体的な支払期月は、「原則的な支払期月である偶数月まで待つことなく、奇数月でも支払う」という解釈が定着している(上記の平成27年6月17日付け名古屋高裁の判示にもその旨の表現がある)ので、裁定のあった日の属する月の翌月となる。
オ 期限の定めのある債権の消滅時効の起算日について
期限の定めのある債権については、民法第166条1項にいう、「権利を行使することができる時」は、期限の到来した時である(甲第23号証)。
民法の大家である川島武宜教授は「弁済期の定めは、権利を行使するにさいして、最も一般的にみられる法律上の障碍となるものである。権利者は、弁済期にいたるまで権利を行使しえないから、当該権利の消滅時効は、弁済期の到来をまってはじめて進行を開始する。」(参考8、282頁6行目)と述べ、我妻榮、有泉亨両教授は「期限の定めがある債権については、その期限が「確定期限」でも「不確定期限」でも、期限到来の時が「権利を使することができる時」である。」(甲第33号証、394頁6行目)、「期限の定めのない債権については、債権成立の時が「権利を使することができる時」」(甲第33号証、394頁下から8行目)と述べられている。
被上告人及び原審は、前者と後者を混同している。
カ 原審の誤りの原因等について
原審の誤りは、年金法の支払期月の規定を、期限の定めのない債権と解釈して、民法第166条第1項の規定を、文字どおりの、「権利を行使することができる時」として探り、その具体的解釈を、基本権の発生した日の属する月の翌月としたところにある。
「期限の定めのない債権は、上記のとおり、債権成立の時が「権利を行使することができる時」である。」)ので、この考え方によれば、原審の誤った考え方になってしまう。
しかし、期限の定めのある債権については、上記オのとおり、「権利を行使することができる時」は、「期限の到来した時」となるので、原審の判示は、明らかに誤っている。
キ 類似事件を担当した裁判官ですら被上告人の主張する支払期月の解釈に疑問を持っていたことについて
今回最高裁判例の第一審の判決(乙第38号証)を読めば明らかなように、この裁判官は、被告の主張した支払期月に疑念を持っていた。判決文では、「…、支分権たる受給権の消滅時効の起算点がその本来の各支払期日である限り、…」(11頁2行目)、「…、裁量権が付与されているものではないと解される、…」(12頁14行目)等重要な根本的部分で、判決に「である限り」と条件を付けているのである。
このことから、この裁判官が、被告の主張する支払期月が正しい解釈であると納得していなかったことが明らかである。
ところが、よくよく検討してみれば、障害年金について潜在的抽象的観念論を採用できる理由はなく、被上告人の主張や原審の判示する支払期月は、この裁判官が疑念を抱いたように、正しい支払期月ではなかったのである。
従って、前提が崩れ、判決は逆転させるべきものであった。
(4) 「その判断に裁量がないということに変わりはなく」について
ア 障害年金と老齢年金との違い
障害年金と老齢年金との違いで顕著な部分は、障害年金には、老齢年金には存在しない初診日証明義務と障害等級認定があることである。これを「別異に解する理由はない」などと言い張るのは、法律的解釈とはかけ離れた詭弁である。
重複を避けるため前者については、前記(2)イを引用する。
未記述の後者について述べれば、精神の障害に係る障害等級認定に係る規定は曖昧(障害認定基準(参考1)、国民年金・厚生年金保険法 精神の障害に係る等級判定ガイドライン(以下「ガイドライン」という、甲第6号証))で、かつ現実の運用も区々であるので、裁定請求をしたとしても、裁定前には、受給の有無も、障害等級も誰にも分からない。このような状態のまま支分権消滅時効が進行し、時効が完成することは、重要な関係法の規定等に反し違法である。
イ 支分権の独立性について
本件のように、長年行政が運用してきたことに不合理、理不尽があれば、物事の根本から考え直さなければならない。本来基本権と支分権は独立した権利であり、一旦発生した権利については、相互に影響を受けないというのが定説(昭和41年5月「年金の基本権と支分権およびその消滅時効」民商法雑誌52巻4の2号 青谷和夫著)であり、このこと自体被上告人も認めている事柄である。
元々、本来独立した権利であるので、基本権に対する権利不行使を支分権に対する権利不行使とみなして裁定前に時効消滅させるなどという理屈は正論ではない。
ウ 老齢年金に権利の混同を認めるのは曲論であることについて
しかし、老齢年金については、保険事故の有無、発生時期は客観的に誰の目で見ても明らかであり、実際に裁定請求さえすれば、100%裁定請求が認められる関係にある。そして、そのことは、裁定請求時に万人が知り得ることであるので、何度も何度も裁定請求を促してもそれに応えず、中には、行方不明者等もいる現実を考えれば、この曲論を老齢年金について認めたとしても不合理はなく、双方に便益を与える措置であり、理に適っているのである。
ところが、これを障害年金に当て嵌めた場合、多くの不合理やその人の一生を大きく左右するような理不尽なことが起こり、年金法の目的にも背く事態が発生するのである。
エ 原審を認めると時効中断の方法が全くなくなることについて
現実の裁定請求を考えた場合、老齢年金であれば、上記の理由で、裁定請求時に現実の受給の有無も分かるので、潜在的抽象的観念論を用いても実害は発生しない。しかし、障害年金、特に精神の障害による障害年金の場合は、裁定請求時には裁定がされるかどうかも分からないのである。
原審がいうように障害等級に該当するほどの障害の状態にあるとした場合でも、初診日証明ができない状態では裁定請求は出来ず、そうかといって、時効を中断する方法は全くない。このような状態で支分権消滅時効が進行し、完成してしまうことは、あってはならない不合理である。そして、この不合理は歴然としている。
このように障害年金にまで、曲論を採用すべき理由はなく、本件は、正論に立ち戻り、支分権に対する権利不行使の有無により措置すべき事柄なのである。それに反する現在の運用及び原審が違法であることは明らかである。
裁定の有無が分からない時点では、基本権に対する権利不行使を支分権に対する権利不行使とみなすことはできず、原審の推論は、少なくとも精神の障害に係る障害年金においては成り立たない。
上記の場合、受給権者は、障害年金の受給権がありそうだと感じていても、時効を中断する方法が全くないのであるから、このような不合理はあって良いはずがなく、重大かつ根本的な矛盾は、これを機会に最高裁の力で解消していただきたい。
(5) 「それは確認できるだけの資料がなかっただけのこと」について
ア 障害の状態を確認できる資料があっても裁量で棄却されていることについて
 障害年金の障害等級の認定をめぐっては、認定医の判断に個人差があり、処分庁は、ほとんど認定医の判断に従って処分をしているので、色々な問題が発生している。不服申し立てでは収まらず、障害等級の認定について訴訟に発展するケースもままある。
原審は、このような場合も、いとも簡単に「資料がなかっただけ」と誤った判断をしているが、実体はそのような単純なものではない。(参考9の1ないし参考9の3)
イ 資料が確認されても多くの棄却の事実が存在することについて
T様の事例では、某大学病院における診断書であったが、当初の診断書(参考9の1)が面接もないまま書かれたものであったので、数度の入院の事実を見逃し、「在宅」と記載する等の重大な誤記が多数あった。
結果、2回も診断書を訂正してもらっているが、訂正未完の内に担当医が転出されてしまったので、これが最終判断に使われてしまった事例(参考9の2)である。
この医師の最終訂正版でも、完全看護の入院の状態では当然変わってくるべき、診断書「I 障害の状態 ウ 3 日常生活能力の程度」の部分が訂正されていなかったので後任の医師に別の診断書を出してもらった(参考9の3)のだが、結果、保険者は、自己に都合の良い当初の間違った診断書(参考9の2)が正しい診断書として認定を変更しなかった。
これは、正しい資料(参考9の3)及び下記Y参与の意見を保険者が保険者意見においても裁量で認めなかっただけのことであり、原審の説示は根拠のないことを証明している。
 また、本件では、社会保険審査会でのY参与が、当時は、特定不能の広汎性発達障害は、障害認定上認められている病名ではなかったし、64kgあった体重が、36kgになっている事実をみれば、これは大変なことだから認めるべきだ、との意見を発言してくれたが、裁決では、このような意見のあったことも記載されずに棄却された。
この事実は、「資料がなかっただけ」という原審の説示が誤っていることを証明する事実であり、原審の説示は、実際の運用の実体とは食違っている。経験もない裁判官が、何の根拠もなく単なる推測で、「差異はない」、「資料がなかっただけ」等と判断しており、これは判決理由とはいえない。
2 本書第2の2(知った時から起算)について
上告人は本件支分権の消滅時効は知った時からの起算が正しい旨主張していたが、その主張のうちの一つに改正民法の考え方を述べた部分があった。上告人はこれについて改正民法の時効の「起算点に係る基本的な考え方」を述べたものである(控訴理由書第5の3、20頁12行目)が、原審は上告人の主張を誤解して、未だ未施行の改正民法の条文そのものを引用して上告人の主張を退けた。これでは全く議論が噛み合っていない。
3 本書第2の3(権利行使の妨害)について
本項は、信義則違反の成否について、「裁定請求時には既に時効消滅していた」という原審の結論を既定の事実として理由としているもので、前提が崩れれば、意味をなさないものである。
4 本書第2の4(年金法の保護規定違反)について
本項も、時効消滅を既定の事実として、会計法の関係規定を排除していないから信義則に反しないとしているが、前提が崩れれば、意味をなさないものである。
5 本書第2の5(年金法等の根本からの誤解釈)について
上告人は、関係内部通知の前段の共通的な基本的事項についてその考え方を採用すべきと主張したもの(控訴理由書、第5の3、20頁13行目)である。
ところが原審は「この通知自体が、民法第158条1項の適用について通知したものであるから採用できない」、と食違いを生じさせている。
個別の通知は、その前段の通知の基礎となる基本的な考え方に基づいて作られているので、前段の表現は、正しく的確であり、かつ関連事項に関しては共通的に有効である。
6 本書第2の6(精神の障害による裁定不能が事実上の障害か)について
上告人は、本項では精神の障害のために、自らが障害年金を受けられる状態かどうか分かり得ない場合を問題にしている。ところが原審は、裁定請求は、医師の診断を受けていることが前提だから、受給権者が当然傷病について認識していることが通常のことであると説示する。
しかし、このような説示では、上告人の主張・投げかけに応えていない。上告人は、「この場合にも事実上の障碍か、それともこの場合は法律上の障碍と認めるのか」を問うている。従って、原審の説示自体にも以下で示すとおり矛盾がある。
本書第3の1(1)ア後半の記載のとおり、「医師の診断を受けていることが前提だから、受給権者が当然傷病について認識していることが通常のことである」から裁定請求ができるとはいえない。
また、医師によっては、障害年金をもらうと回復が遅くなる等と考えている医師もおり、障害年金の受給に消極的な医師もいる。そして、ほとんどの医師は、障害年金の案内もしてくれない。
従って、医師の診察を受けていても当該傷病について認識しているとはいえない。これも精神障害の特徴すらわかっていない裁判官の問題のすり替えであり、上告人の主張に応えていない判示である。
7 原審に最高裁判例と相反する判断があることについて
最高裁は、「単に権利行使につき法律上の障害がないというだけではなく、さらに権利の性質上、その権利行使が現実に期待できることをも必要とするのが相当である」(最高裁昭和40年(行ツ)第100号同45年7月15日大法廷判決・民集24巻7号771頁、最高裁平成4年(オ)第701号同8年3月5日第3小法廷判決・民集50巻3号383頁)としている。
ところが、精神の障害においては、縷々述べてきたように、裁定請求時には裁定請求が受理されたとしても、受給の有無及び障害等級は誰にも分からないのであるから、権利行使が現実に期待できず、原審は上記の最高裁判例に相反する判断であった。
以下、分割Aに続く
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2018年07月07日

上告理由書及び上告受理申立理由書の要旨


かねて準備中の障害年金支分権消滅時効に係る上告理由書等について、本日から分割で公開することにした。まだ草案であり、弁護士の先生の意見をいただく前のものであるので、実際に提出するときには、少々変わっているかもしれない。

この多くの不合理の実態を認識すらしない下級審に対して最高裁が誠意ある態度で応対してくれるのかを含め広く信を問いたい。なお、本人了解の下、個人情報は、全て実名等である。

構成は、各々の理由要旨、各々の理由書、上告理由書の参考資料一覧表、参考資料(抜粋)である。各書類とも共通部分は、その旨の表示をして、重複掲載は割愛する。



平成30年(行サ)第91号 行政上告提起事件
上告人  井原 毅士生
被上告人 国

理由要旨


 本件裁判は、障害厚生年金の受給権者であった上告人が、初診日を昭和58年5月14日、受給権の取得を昭和59年11月として、平成19年2月22日に障害等級を3級13号として厚生労働大臣の裁定を受けたにも拘らず、被上告人が、裁定請求時から逆算して遡及5年を越える年金を、時効の完成を理由に支給しなかったことに対する訴訟である。
 請求内容は、裁定請求をした平成18年11月6日の時点で、最初の支払期月の翌月初日から既に5年を経過している(以下順次同様)として被上告人が上告人に支給しないとした障害厚生年金2280万9456円及びこれに対する上告人主張の支払期月の翌月の初日である平成19年3月1日から支払済みまでの民法所定の割合による遅延損害金の支払いである。
 被上告人が、時効が完成しているとする理由の誤りは、裁定請求前には、支給の有無も、障害等級も分からない精神の障害による障害年金についてまで、独立した権利である基本権に対する権利不行使を支分権に対する権利不行使とみなして、基本権の発生時を基準に起算して時効消滅させているところにある。
被上告人の主張は、障害年金を受ける権利の発生要件等が厚年法に明確に規定されており、裁定には裁量権はなく単なる確認行為であるから、受給権者は裁定請求さえすれば実際に障害年金の支給を受けられるのであるから、上記起算が正当とするものである。
 第一審及び原審とも被上告人の主張を認めたが、これには重大な法解釈上の欠落がある。
上告人が時効は完成していないとする理由は、最高裁判例解説を始め権威ある社会保険審査会の見解やそれを裏付ける実務運用等多数ある。
 争点1に係る上告人の主張は、確認行為型の裁定には裁量権があり、これが行政処分であるので、この処分を知った日の翌日が支分権消滅時効の起算日であるとするものである。
 争点2に係る上告人の主張は、上告人の提訴が遅れたのは、被上告人が上告人に対して、実際には時効消滅していない本件支分権について、時効消滅していた旨の文書を発し、上告人の権利行使を妨害したから、被上告人の時効の援用等は信義則違反である旨の主張である。
 これらについて原審は、障害年金も老齢年金も「差異を認めることはできない」、裁定請求時に既に時効消滅していたのであるから信義則に反しない旨を判示した。
 原審は、支分権消滅時効の起算点(停止条件付債権)及び年金の支払期月(期限未到来)という重要な法律上の障害につき、権威ある書証を提出した上告人の見解とは、真っ向対立する判断であり、上告理由書で詳述するとおり、主文を導き出すための理由について、その全部若しくは一部が欠けており、かつ、理由に食違いがある(民訴法第312条第2項第6号)。
裁定が法定条件である(法定条件は条件の規定が類推適用される)こと及び期限のある債権の「権利を行使することができる時」は、「期限の到来時である」ことは、自明の理であり、原審の判断を左右する重大事であるが、原審は、理由はおろか、後者については、検討自体も欠落させていた。
 なお、上告人は、平成29年10月17日の身体(左下腿切断)の障害に係る最高裁判例を弁論主義の制度上否定するものではないが、これが本件のような精神の障害についても適用されていることには納得していない。
以上



平成30年(行ノ)第88号 行政上告受理申立て事件
申立人  井原 毅士生
相手方 国

理由要旨

(上告理由書終りから15行目「これらについて原審は、…」からを除き、上告理由書と共通)

 申立人が時効は完成していないとする理由は、最高裁判例解説を始め権威ある社会保険審査会の見解やそれを裏付ける実務運用等多数ある。
 これらについて原審は、障害年金も老齢年金も「差異を認めることはできない」、裁定請求時に既に時効消滅していたのであるから信義則に反しない旨を判示した。
 原審は、支分権消滅時効の起算点(停止条件付債権)及び年金の支払期月(期限未到来)という重要な法律上の障害につき、権威ある書証を提出した申立人の見解とは、真っ向対立する判断であり、上告受理申立て理由書で詳述するとおり、原審判決は、同じ精神の障害に係る類似事件である平成24年4月20日名古屋高裁判決等の判旨に反し、「法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件」である(民訴法第318条第1項)。
 なお、申立人は、平成29年10月17日の身体(左下腿切断)の障害に係る最高裁判例を弁論主義の制度上否定するものではないが、この事件と本件精神の障害の事件とでは、法制上も運用上も大きな違いを認めるものである。同様な事件について、色々不合理な判決理由が主に地方において散見されるので、法令の解釈の統一の必要性がある。
以上

posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 10:13| Comment(0) | 1 障害年金

2018年06月30日

ある団体からの障害年金の過払い!?


「今日、届いたものです。 びっくり\(◎o◎)/!」

上記は、障害年金を専門にしている私の提携先の社会保険労務士からの情報である。上記のメールと電話をいただいた。

交通事故がらみの障害年金で3級相当であったので、お客様には、300万円程度だと話してあったようだが、1千万円を超える振込みがあったとのこと。

遡及が認められ、時効を援用しないとの案内文が付いていた。その案内文を読んで、私は、担当者の勘違いであると即座に気付いたが、この団体は、請求が遅れたことに宥恕すべき理由があったと認めているのである。従って、一応は、振込み額の正否を確認した方が良い旨のアドバイスをした。

なぜなら、宥恕すべき理由を認めながら、「基本権については時効の援用を行わない」旨の案内であり、「ただし、支払については請求があったときから5年間遡及するにとどめ、…、支給開始年月は下記のとおりとなります。」と矛盾した表現になっているからである。そして、別紙の支給開始年月は、平成21年2月27日と記入されているから、これは担当者の勘違いに相違ない。

たぶん、この支給開始年月を、「平成25年2月」とかとすべきところ、勘違いして手続きしたのであろう。

翌日電話したところ、担当者では分からなくて、本部に確認して返事が来たとのことであったが、案の定、私の推測どおりであった。

本当は、ここからが大事なのである。その社会保険労務士は、T 大卒の優秀な若い弁護士と顧問契約を結んでいるので、私だったら返さないが、顧問弁護士が何というか相談してみることをお勧めした。

電話の感触では、自分では対処できないし、お客様も大人しそうな方で、返金についても文句を言いそうにないので、揉ますよりも、返したい雰囲気である。

世の中、原因がなくて誤振込しても中々返してもらえないのが日常である。今回の誤振込は、本来なら、時効消滅をしていない分の誤振込である。

この団体は、資金面でも裕福であるので、返金を拒んだ場合どのように出てくるのかも知りたいし、この問題は、国民的議論を要する重要事項であり、最も重要な基本法である民法や年金法、及び行政法の解釈につき、基本中の基本である根本の部分からして誤った解釈をしているので、それを少しでも正す絶好のチャンスなのであるが、ご本人同士で、気の済むように対処していただくしかない。

たぶん、相手が国であったら、どうしても返金しない場合、次回以降の年金から差し引く旨の通知をしてくると思われるが、その時に、法的措置を採るのがベストなのである。
posted by 326261(身にロクに無い:身に付いていない:電話番号!!) at 11:23| Comment(0) | 1 障害年金